「天空の里 いもい農場」通信

長野市芋井広瀬の里山で、自然を身近に感じ、環境・農業・食べ物を大切に思う気持ちが育まれる事を目指した活動です。

天空の里いもい農場 第6回活動日報告

2016年07月17日 | 活動報告
7月16日(土)天気:晴れ時々曇り 参加人数:7家族21人
【活動内容】
09:00 農作業(草取り、収穫)
10:30 ズッキーニ料理交流会&生き物交流会
12:00 昼食交流

今回は、地味な作業だけど大切で必要な「草取り」を中心とした農作業体験と、ズッキーニ料理のレパートリーを増やすことを目的に開催しました。

始まりの会では、代表挨拶に続いて、事務局より天空の里いもい農場で活用している牛糞堆肥について説明があり、共有しました。
 
(天空の里いもい農場通信をもとに共有。匂いや生き物を見て触れました。)



この時期の草は勢いがよく、取っても取ってもキリがありませんが、取らないと美味しい野菜にならないので、みんなで頑張ってカマや素手で草を刈ったり引っこ抜いたりしていきました。


畑の表札を設置しました。設置場所は、風景を優先するのか、シンボルを優先するのか、入口に設置するのか、あれこれ迷いましたが、参加者と相談して、畑の作業中にみんなが目に入る場所としました。

(3歳のお子さんもドライバーを片手に手伝う気満々)

 
子どもたちには、草取りをメインにしつつ、収穫を手伝ってもらいました。
ミニトマト、丸・長ナス、ピーマン、シシトウ。草取りの疲れを見せずに、一生懸命収穫をしていました。

今回の収穫のメインは、何といっても、ズッキーニ。天空の里いもい農場恒例の、バズーカー級バットズッキーニです。日々管理ができないため、このような容姿になってしまいます。

収穫後、設置したての表札前で、子どもたちを中心に記念撮影。「とったぞ!」


畑から社会会館に戻り、調理室では「ズッキーニ料理交流会」と題して、レシピを準備しない、ぶっつけ本番の料理交流会を開催しました。

材料は「ズッキーニ」と「収穫したての野菜たち」。オプション材料として天空の里いもい農場では滅多にお目にかかれない「卵、豚肉」を準備しました。限られた材料を使って、メンバー同士であれこれ相談して作り上げていきました。

縁側では、代表が所有している昆虫や蝶の標本を展示して、生き物交流会&標本の作り方のレクチャー。
 
珍しい昆虫や、芋井で見かける生き物・身近な生き物が標本となっていて、興味深そうに見入ったり聞き入っていました。

参加者の中には、「夏休みの自由研究に標本を作ってみたらどうだろうか」という声もありました。


調理室での料理が終わり、食卓にズッキーニ料理が5種類並びました。バズーカーが形と姿を変えて食卓が彩られました。他に、草と間違って収穫してしまったかぼちゃ、ミニトマト、代表お手製の祝いリンゴの煮物が並びました。
 
(運営スタッフの五味から、料理の説明があった後に、全員でいただきますをして味わいました。)

レシピがない中で、「炒める」「焼く」「煮る」を基本に据え、全員で考えて料理に取り組んだとのこと。調味料も豊富ではないので、素材の味を活かす形で料理をして出来上がりました。参加者それぞれでシンプル且つ大量にズッキーニを活用するレパートリーが広がった様子でした。


食事後の片付けと調理室の掃除は、指示やお願いをしたわけでもなく、メンズが活躍。男女共同参画社会のひとつの縮図が、この天空の里いもい農場で見ることができました。そして、社会会館の和室、廊下、玄関の清掃を子どもたちが率先して行ってくれて、大人は仕上げのみのお手伝い。今年の参加者は、みんな素敵な方たちばかりで、とても嬉しい限りです。


番外編

田んぼのヨコの三角畑。今年から耕作放棄地となってしまったため、畑を荒らさないことを目的に、天空の里いもい農場でお借りすることにしました。今回、活動終了後、秋野菜の作付け準備をしました。この草だらけをほっておくと、あっという間に土が硬くなって、耕運機でも歯が立たなくなってしまいます。耕運機を触るのが初めてという参加者に、耕運機運転体験という名目で、本気の作業(汗だくになって作業、感謝!)を担っていただきました。
8月からダイコンや白菜の作付から本格的に活用を始めていきます。


遊休農地の借り受け判断は、ながのボランティア市民活動支援ネットワークの「情報市場」で耕運機やバケツなど譲っていただいたことと「ささえあい応援金」の助成をいただけることで決めました。農機具の追加と更新、農作業を効率良く進める耕運機を得たことが決めての要因です。ボランティア団体故に、できることは限りがありますが、少しでも地域貢献につながる活動を目指していきます。


【次回の予定】
8月6日(土)9:00~14:00(農作業)草取り、ジャガイモ収穫、苦土石灰と牛糞堆肥の施肥
(食育)穫れたてジャガイモでカレー作り


新しくメンバーになることをご検討くださっている方、お気軽にお問い合わせください。
http://blog.goo.ne.jp/tenkunosatoimoi/e/d660d1897caeacad41ad3eac55130b9e



天空の里いもい農場 循環型農業の紹介

2016年07月08日 | 活動こぼれ話
天空の里いもい農場では、店舗からでる生ゴミを使った牛糞堆肥の施肥を通じて、循環型農業を実践しています。その牛糞堆肥について、フェイスブックでお馴染みのクロこと、広報担当の鋤柄(スキガラ)から紹介します。

天空の里いもい農場(いもい野遊び塾)で循環型農業を考えるようになったきっかけは、土がやせ細ってしまったことです。原因は、化成肥料中心に農作物の栽培を行ってきたことで、土が硬くなり、雨が降って乾くと、石みたいになってしまっていました。栄養がなくても育つイネ科の雑草が多い茂り、野菜の元気が年々無くなっていく様子を目の当たりして、「このまま同じ事を繰り返していたら、農業の継続にならない」と考えていた時に、三村牧場様から牛糞堆肥をお分けいただくお話をいただきました。

2012年から牛糞堆肥の施肥を開始して、2014年から活動母体は変わったものの、継続してご提供いただいています。牛糞堆肥の施肥を通じて、土の感触が柔らかくて、見た目からも栄養がありそうな土に変わってきました。雑草よりも野菜の力が勝るように、地力がついてきたようにも感じています。

土を元気にする魔法の牛糞堆肥の原材料は、コープ長野稲里店(コープながのの食品リサイクル箱のページから)・コープ安曇野豊科店・コープながのの物流センターである塩尻要冷集品センターの他に、某外食チェーン店から出る食品残さの生ごみと、牛糞、ワラ。それらを混ぜ合わせて1年ほど発酵させて作ります。三村牧場さんで作られる牛糞堆肥のほとんどは、広大に広がるスイカ畑に施肥をして、スイカ生産の一助を担っています。三村牧場が位置する松本市波田は、JA松本ハイランドの事務所があって、全国的に有名なスイカの一大生産地です。



さて、前置きが長くなりました。
7月3日(日)に、西沢(事務局)と鋤柄で、この間のお礼と秋野菜栽培用の牛糞堆肥をお分けいただくこと、生産者交流を目的に訪問してきました。事務局よりこの間のお礼をさせて頂いて、三村さんからいろいろとお話を伺いながら牛糞の袋詰め作業をおこないました。
 
袋詰め後、関係者以外はなかなか入れない場や飼料、飼料を配合する大きな機械を見学させていただきました。

(トウモロコシを茎ごと粉砕した自家栽培の飼料)

(エサを混ぜ合わせる機械)

(搾乳する場所)

三村牧場の取り組みへの理解が深まると同時に、三村さんの人柄を感じることができました。牛糞の効果的な施肥の仕方やタイミング、酪農家で大変なことなど、たくさんの貴重なお話しで盛り、時間を忘れるほどでした。たくさんのお話の中から、箇条書きに整理してお伝えします。

【牛糞堆肥のお話し、いろいろ】

・生ゴミと籾がら、稲わらと牛糞を混ぜ、約1年かけて発酵させる。発酵中はフンの臭いを発しながら発熱するため、ハエかウジしか生きられない。
・出来上がった堆肥は、臭いがほとんどしない。いろいろな虫(微生物)がたくさんいる。
・牛糞堆肥は、地元のスイカ農家に頼まれて、専用の機械で畑に撒いている。
・牛糞堆肥の施肥のタイミングは、雪が降る前がグット。
・天空の里いもい農場の広さ(約25メートルプール1面)だと、1トン近く施肥してもよい。

【三村牧場のお話し、いろいろ】

・120頭ほどの乳牛を飼っている。子牛は30頭ほど。
・搾乳は朝晩の2回。
・殺菌温度の低いパスチャライズド牛乳(72℃15秒間と63℃30分間)を出荷しているので、搾乳機械と乳房の衛生管理には細心の注意を払っている。
・粗飼料はトウモロコシなど自給でまかない、一部配合飼料を混ぜている。

・牛舎は1頭ごとのゲージ飼いではなく、ストレスを与えないよう放し飼い(フリーバーン牛舎)にしている。

・自動ブラッシングの機械が設置されていて、牛の意思でブラッシングしている牛がいる。

お話が盛り上がり、お別れするのが名残惜しい中で、三村様から天空の里いもい農場へメッセージを頂戴しました。
「自分で食べるものは、自分で美味しく作る。それを身をもって体験してほしい」

三村様の言葉を胸に刻みながら、秋野菜の作付時に牛糞堆肥を施肥させて頂き、美味しい野菜を作り、参加者を始め、地域の皆さんで味わいたいと思います。この場を借りて、三村様にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

天空の里いもい農場の循環型農業は、店舗残さから作られる牛糞堆肥の活用が中心ですが、さらに身近な環境教育として、活動中に出る生ごみをコンポストで堆肥化をする取り組みを検討しています。ゴミ排出が少しでも減るように、活動を通じて考えてまいります。

天空の里いもい農場 第5回活動日報告

2016年07月04日 | 活動報告
7月2日(土)天気:曇り時々晴れ 参加人数:10家族38人
【活動内容】
第1部「朝飯前を体験しよう!」
4:50 参加者集合
5:00 水回り施設見学⇒和田さんからお話し
5:30 畑仕事
7:00 朝食交流

第2部「田んぼのいきもの調査」
8:00 参加者集合
8:20 田んぼ&旧プールの生き物調査
9:30 生き物の共有と生き物のスケッチ
10:30 解散

今回の活動報告は、事務局の西沢からお届け致します。
今回の活動から、フェイスブックをご覧になって参加申し込みをいただいたご家族が新たにメンバーに加わって、ますます賑やかになりました。
さて、今回の企画は2本立て。第1部に、農家の苦労や喜びをを共有するため、農家が朝起きて、朝飯前に行う田んぼの水回りや農作業を行った後に朝食を食べる、という初企画の「朝飯前を体験しよう!」を開催しました。第2部は、参加者みんなで田植えをした田んぼで、身近な自然環境を体験するために生き物調査を行いました。

第1部「朝飯前を体験しよう!」
朝4:50の集合時間に、8家族33人が集まりました。
 
(4:30、夜明け前の畑と田んぼ。普段味わうことのない静けさが漂っています。

まず初めに、5:00に、地元の農家さん(和田蔵次様)と一緒に、棚田に水を引き入れる施設見学をしながら、水の源流や、水の取り入れ方法、大水の後の修繕といった苦労話をいただきました。お米作りの命ともいわれる水は、飯網高原大谷地湿原から広瀬川に流れ出て、広瀬川から引き入れて使用しています。この水は、ゆくゆくは広瀬川、裾花川、犀川、千曲川、信濃川と伝わり、日本海へ注ぎ込みます。

(和田さんより、川を眺めながら説明を頂きました。)

(水を引き入れるための作業)


場所を田んぼに移し、水の引き込み口周辺で、さらにお話をいただきましました。

そのお話の中で、水路施設は棚田では必要不可欠なもので、田んぼを何もないところから開墾して作るもの大変だったが、水路施設を作るのも大変だったというお話をいただきました。また、芋井地区には至る所に棚田があり、室町時代に田んぼが開かれたのではないかと、歴史のお話もいただきました。続いてお米の育ち方や田んぼの環境面のお話し、高齢化による遊休化が進んで、この田も先が見通せないというお話がありました。最後に、「稲の歴史を勉強しながら、ご飯に想いを馳せてほしい」と締めくくられました。

5/21に田植えをした時に1株3本だった苗が、何本に増えているか、和田さんの号令で成長度合いを確認しました。

この時期は20本くらいが程よいとのことでしたが、数えてみて「30本!」という子どもの声に、「育ちすぎだなあ・・・」と、笑顔の受け答えがありました。
和田さんにお礼をしたのちに、場所を畑に移して農作業。

リンゴの摘果(お話しだけ)、草取り、野菜の収穫を手短に行い、社会会館に戻りました。

社会会館では、協力して朝食準備。
 
朝食は、おにぎりとお味噌汁。そして和田さんから差し入れのあったキュウリ。シンプルですが、朝早く起きて、作業した後、大勢で食べる朝食は、自然と笑顔が広がる不思議な味わいでした。

食べながら「朝、何時に起きた?」「子どもの様子は?」などなど、今回の企画ならではの会話が広がっていました。代表の自宅のビワや、あんずのシラップ漬け、スタッフから糠漬けの差し入れもありさらに笑顔が広がりました。

収穫物の全種類が全家族に行きわたらないため、起きた時間が何時か、寝起きタイム競争をして、一番早く起きた家族に一つだけ収穫できた丸ナスを進呈。以下、早く起きた家族順に、ズッキーニや長ナスを進呈しました。一番早く起きた家族は、3:00。朝早い企画に、「気持ちよかった」「暑くなくてよかった」「面白かった」と、運営側とするとありがたい感想のほかに「眠たい・・・」という本音も垣間見れました。


第2部「田んぼ&プールの生き物調査」
8:00から2家族の参加があり、第1部の8家族と合わせて合計10家族で田んぼの生き物調査をしました。

時期的に、稲の成長促進と稲刈りや脱穀の時期に田が乾くように、田んぼの水を抜いて中干をする時期で、抜き切れていない箇所を中心に水生生物の調査と、空中にいる生き物の調査を行いました。

水気のある畔には、沢がにやカタツムリもいました。

天空の里いもい農場恒例の芋井小学校分校で使われなくなったプールの生き物調査では、アカハライモリがうじゃうじゃと住んでいて、格好の標的に。
 
そのほか、ミズカマキリ、マツモムシなど、雨水だけ溜まるだけで外界と遮断されているプールにも、生態系が成り立っていることを確認しました。



社会会館に戻ってどんな生き物がいたのか、名前や住んでいたところ、特徴などを共有。その後、子どもを中心に生き物のスケッチ。
 
題して、「いきものをさがそう!えがこう!がかになろう!」。見つけた生き物を真剣にスケッチして、みんなで見せ合いっこしました。スケッチ対象の一番人気は、アカハライモリ。手足の指の本数の違いや、背中のゴツゴツとした模様を一生懸命スケッチしていました。



スケッチ共有後は、生き物たちとのお別れ。「また会おうね!」と、田んぼやプールに戻し、生き物にとっては平穏が再び戻った瞬間でした。



大勢の参加をいただき、事故なく開催することができました。何より、「4:50に人が集まるのか」という不安先行で企画していましたが、楽しまれた様子をみて企画側とすると一安心。今後も、芋井広瀬地区がにぎやかになる企画を検討していきます。


【次回の予定】
7月16日(土)9:00~14:00(農作業)草取り、長ネギの土寄せ(収穫)ナスなどいろいろ
(食育)ズッキーニ料理交流会・・・材料はズッキーニと卵、豚肉、限られた調味料のみ。レシピを準備しない、ぶっつけ本番の料理交流会です。


新しくメンバーになることをご検討くださっている方、お気軽にお問い合わせください。
http://blog.goo.ne.jp/tenkunosatoimoi/e/d660d1897caeacad41ad3eac55130b9e