岩切天平の甍

親愛なる友へ

サン・ルイス

2008年07月25日 | Weblog

起き抜けてホテルの前のビーチを散歩、波の音を録音。
港湾施設を取材する前に、世界遺産の旧市街を撮影。
せっかくの石畳なのに、街中にお祭りの安っぽいぴらぴらがかかっていて少々残念。
フランス風の街並よりも、つい人を撮ってしまう。店先に商品を並べる布地屋のおばちゃん。坂道の途中に椅子を置いて、座って地面を見つめる老人。ロバの荷車を引く人・・。世界遺産は建物だけじゃないみたい。
ヴァーレのおにいさんが知り合いに頼んでくれて、町役場のバルコニーに登らせてもらう。役場のおじさんにあいさつして、太西洋を四百年望む、いらかの波を撮影。

カラジャス鉄道を、鉄鉱石を積んだ列車がやって来る時間を見計らって、カメラをセットする。何食わぬ顔で、線路の真ん中に。
ヴァーレのお兄さんが絶句している。
「う~む・・・オマエ、どこまで列車が近づいたら逃げる?」
「そうね。あそこの電柱くらいかな。」
「ウム、それなら、まあ、よろし。」
うは~っ、ホントにいいのー?
にっぽんのてっちゃんたちに自慢したい気分。

ほどなく時間通りに機関車が現れる。
電柱を過ぎても当然私はどかぬ。ギリギリまで粘る。
断続した汽笛が鳴り、お兄さんが叫んでいるのが聞こえたのでカメラを三脚ごと担いで退散した。ゴメンナサイ。

ブラジル資源開発会社ヴァーレ社、世界の鉄鉱石の三割以上を供給する。

原油高騰を機に、先進工業国に代わって、発展途上国とされてきた中東や中南米の資源を持つ国々の発言力が高まっている。

「資源を持たない日本は、今後どのようにして生き残りを計るべきでしょうか?」
「いや、日本は立派ですよ。我々資源のある国は強いように見えるでしょうが、この豊かな資源に頼りきってしまって、発展しようとする努力が無いんです。安心しちゃってるんですね。ウサギとカメです。」

無けりゃ無い、有りゃあ有ったで悩みは尽きないようで・・・。

港湾施設をまたもやわがまま一杯に撮影させて頂き、空路サンパウロへ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿