アーミッシュのデイビッドから招待状が届いた。
末娘のメリーが、隣のラップ家の三男、メルビンと結婚する。
結婚式は十一月十三日、農作業が終わった十一月頃がアーミッシュのウェディング・シーズンで、この頃になると毎週のように結婚式がある。
初めて会った時に九歳だったメルビン、働くのが嫌いなハンサムボーイは少し吃るくせがあっていつもしょんぼりしていた。
いやいや働いていたのが、時が経つにつれて仕事の指図をするようになり、いつしか父親の相談相手になるほどの青年になる。
来る日も来る日も同じ、退屈な働く毎日を通して生きる意味を知る。
はるかな山々に抱かれて賛美歌の響きの中で人が働き育って行く眺めは、ちょっと他に比べ物が無いと思わせるような美しさだった。
アーミッシュは結婚を機に、正式な教会のメンバーになる。
一人前のアーミッシュとして、ヒゲを生やし始め、それまでは生活の便宜上なんとなく黙認されてきた車の運転も写真に写る事も一切許されなくなる。
去年会った時に「車は運転しないのかい?」って訊いたら、笑って「オレには彼女がいるからね、車より彼女の方がいいさ。」ってぬかしやがった。
何て事を言うんだろうねあのガキゃあ!
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