NASAの取材のためJFK空港からフロリダ、オーランド行きの飛行機に乗るが、大雪で凍り付いた翼を溶かす作業に二時間の足止めを食う。
ディズニーワールドへ行くらしい子供連れの多い機内、男の子がぐずる、父親がやさしくさとす。
「飛行機の外で何が起こっているか想像してごらん、たくさんの人々がマイナス十度の風の中で、僕らを早く飛ばしてあげようと働いている。僕らは暖かい飛行機の中で待っていられるだけでラッキーじゃないか、あのドリンクをサーブしているスチュワーデスを見てごらん、彼女等は何をトライしているんだろうね、このディレィにいらいらしている人達に少しでも快適に待ってもらおうとしてるんじゃないか。これは誰のせいでもないんだよ、君は一体何にコンプレインしているんだい? 君のすべき事はただ一つ、彼等に感謝してこの時間をいかに楽しく過ごすかにつとめるかじゃないのかね?」
人々はいらだっていた。
スチュワーデスがジュースを運んできた時、男の子は「このディレィは誰のせいでもないし、たくさんの人達が僕らのために今一生懸命働いてくれているんだよね、あなたはいらいらしてる僕達ができるだけ快適に待てるようにトライしてくれてるんだね、ありがとう。」と言った。
彼女はぼうやの前にひざまずいて「いいえ、私はたくさんコンプレインされて、私のせいでもないのに不機嫌な客の相手をしなくてはならなくてくさっていたのよ、でもあなたの言葉が私に教えたわ、私をすくったわ、ありがとう。」と言って涙をこぼした。ぼうやが父親に言う「パパ、あのひとママとおなじニオイがしたよ」
父親は寂しく笑って窓の外を見た。
・・・と言う作り話を思いついた。