仕事が終わり外に出るとすでに日は沈み
夜の竹島の海に変わる時であった。
1日の名残りを燃やす様に空は赤く
落ちる夕日を見ることが出来なかった名残を追っていた
振り返れば竹島は黒のシルエットを残し
街路灯は海に長く光りゆらめき
私の1日の疲れを癒してくれた
竹島クラフトセンターは臥雲辰致の紡機が動く手織教室である
私は毎日臥雲辰致式の紡糸を使った企画に思いは馳せる
手紡ぎの糸をガラ紡機でと、始まった事だが
15番手の糸が出来る様にまでなった。
竹島クラフトセンターの手織教室に設置されたこの紡機で
出来た糸を眺めては番手を測ってガラ紡機の調節に余念が無い
何を作ろうか、
妻と私のブレザーでも織ろうか
それにしても、臥雲辰致の紡機は手紡ぎの原理そのままに追求し
もっとも人間に近いではないかと想えるほどの動きをする機械である。
私はそれを常に毎日眺めているが飽きたことはない。
「ここを織り直したいです」
作者のItoさんの織機に掛けられていたのは下の写真だった
きっと、思い余って変更を言い出したのだ。
作品の中央の部分の色糸を変えたいという、
「大賛成です、出来上がってからあそこを変えれば良かった。と作品を見るたびに後悔するよりも、今直すことは良いことです」
描き直して、織り直して、完成に近づける
それは約束事のない自由なもの作りだから
自分のアートだと言うなら変えるべきなのだ。
「こんなに変えてみました」
おー!、変わったね、いいね、
良かった良かった。
嬉しくなる様に作品が変わりだしました
これからの作者の変化が楽しみだ