「三河木綿のフルコース体験をしたい」
と一組のカップルがご来店です
早速三河地棉と綿繰り機を持ち出してフルコースの体験が始まった。
「どちらからお出ででしょうか」
「三重県からです」
三重県といえば私の妹が四日市に嫁いでいるのでそんな話題を
交えて手織りが始まった。
棉の種を取り、江戸時代までの弓を使った棉打ちを体験してもらって
そのあとの工程の糸紡ぎに入ると緊張の連続で蒸し暑さも手伝って
汗びっしょりの旦那さん
「私はこれをしたかったです」
と言うだけあって奥様は上手に糸を紡いでいます。
「糸を紡げて幸せです!」
と糸が出来た喜びを表現していただきました。
次に始まった手織り体験ではコースターを織ります
「これは楽しいぞ」
「夢中になってしまう」
三河だから三河木綿や知多木綿、三重県では松坂木綿があり伊勢木綿があり、
静岡県では遠州木綿や遠州縞もあります
全国どこでも、御当所木綿やご当所織物があったのです。
「なるほど今日は三河だから三河木綿なのですね」
そうですが、観光客が棉から体験ができるのは蒲郡竹島だけです。
ご夫婦は、ものを作ることが好きと言うが、一心に織る姿に
私もネネルギーをもらった感じがする、
「本当に無我夢中になって体験ができました」
太古に人類が糸と織物を考案して、命と生活を守ってきた歴史の中で
人間に刷り込まれて来た、織るという作業を
今日は体験していただきました。
そしてついに完成したコースターだ。
「出来たぞ、これが私のコースター」
とカメラに向かって記念撮影です。
奥様は自分が紡いだ糸を二本に分けて織り込み
旦那さんは”男気一本”の作品になりました。
暑い中をお疲れ様でした
おめでとうございます。
真面目に織物に向き合うご夫婦に、自分の姿を省みて
大いに反省の私であった。