すっかり放置していましたが,社会思想社刊、イアン・リビングストン著のゲームブック、「運命の森」に挑戦。諸般の事情で今年は帰省しないので、紅白観ながらしょぼしょぼやっておりますよ。
前回の続きをプレイしていて、またまた森を通り抜けながらハンマーの頭を見つけることができずに、ヤズトロモの塔に戻ろうとしたのですが、運試しに失敗して死亡してしまいました。
それでキャラを作り直して再トライ。今回は技術点11、体力点21、運点11という強力キャラができて、ハンマーの頭のありかの情報を入手したもののいろいろなところに頭を突っ込みすぎて死亡。ここでマッピングが完成したから満足したということもあるんですけど、ちょっと挫折して、普通に本を読んでハンマーのありかと通り抜け方を調べてしまいました。うーん。
デッドエンドは少ないですし、アホみたいに強い敵も少ないので、死ににくいという意味での難易度は低いです。ただ、森を通り抜けるルートはかなり多いので、ハンマーを見つけるまでの行程をみつけるのはそれなりに大変だと思います。ただ、ハンマーを見つけられなくてもまた最初に戻ってやり直すことが可能なので、根気強くプレイしていればそのうちクリアはできるでしょう。私は挫折しましたが。
「運命の森」の最大の特長は、その魅力的なクリーチャーにあると思います。入ってすぐのところにいるカラスとか、後はケンタウロスやアラゴンあたりが代表例ですけど、いろいろやり取りしているのが面白いんですよね。「火吹山の魔法使い」とか「バルサスの要塞」っていうのは、基本的に敵地に侵入しているので、全員ではないですけど遭遇するのはほとんど敵なわけです。それに対して「運命の森」では中立地帯を行くので、前作までよりも敵対しない人たちが多いので、出会ってからの駆け引きのバリエーションが多いわけです。
それから、マッピングが比較的やりやすかったですね。基本的に通路は東西南北にだけ走っていたこともありますし、森を東西に横切る川がわかりやすい目印になっていましたし。ただ、私は森のマッピングはほぼ完成させましたけど、同じ地点でも、入ってくる方向によってイベントが起きたり起きなかったりしたので、ちょっと混乱したりもしました。
難点としては、ゲームとしての方向性があいまいになってしまっているところが挙げられるでしょうか。もちろんハンマーを見つけるのが目的なんですけど、それはとにかく森をさまよっていればそのうち見つかるんですよね。ラスボスが存在しないということもあり、ゴールを目指すというよりもひたすら放浪することが目的のようになってしまっているのです。これは、ゲーム的な楽しみというよりも、パズル的な楽しみに近いかもしれません。幸いなことに、このゲームは放浪することが楽しいのであまりデメリットにはなっていないのですが、前2作と比べて拍子抜けしてしまうのは否めないでしょう。「火吹山」でも同キャラで最初からやり直せればとか思いましたけど、実際に「運命の森」で実現しちゃうと良い点ばかりでもないみたいですね。ただ、「運命の森」の方がルートの分岐が多いので、やり直しシステム向きなのかもしれません。
結論としては、とにかくプレイしていて楽しいということだけに関して言えば傑作だと思います。ただ、ゲームとしての完成度はイマイチだったかもしれません。後期のリビングストンの作品に見られる異常なデッドエンドと比べてどちらが良いかは微妙ですけどね。
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《雪の魔女の洞窟》とか、《トカゲ王の島》なんか、
もう地獄でしたから…
技術、体力、運が低くても正しい道を選べばという謳い文句は、
ほとんどのイアン=リビングストン作品に当てはまりません。
《甦る妖術使い》なんて、正にサイコロ運だけが頼りらしいですよ。
《運命の森》は、メリハリこそありません。
しかし、バランスが良く、正解の道を探す楽しみもあります。
この路線を貫いてほしかった…