人口およそ27万人の福井市に古い建物はほとんど残っていない。昭和20(1945)年7月19日深夜に始まった米軍の執拗な爆撃で市街は壊滅的な打撃を受けたからである。
命拾いした市民の血の滲むような努力によってバラックが建ち並び復興もこれからという時に大地震が発生する。昭和23年6月28日の福井地震(震度7の激震)は再び甚大な被害をもたらした。
不幸は更に続いた。同年7月24日~25日、大豪雨に見舞われて九頭竜川の堤防が決壊し、市民は耐え難い状況に置かれた。福井は3度の災害を乗り越えて、不死鳥(フェニックス)の如く蘇った。

中央公園(西三ノ丸御座所があった所)に「市民憲章文記念碑」がひっそりと建つ。そこには「不死鳥のねがい」として以下の文が刻まれている。
わたくしたちは 不死鳥福井の市民であることに誇りと責任を感じ郷土の繁栄と幸福をきずくため 力をあわせ 不屈の気概をもって このねがいを つらぬきましょう

