たんべぇ山から

山歩きの記録、出会った植物を紹介します。

利尻山再訪 2018/06/05

2018-06-15 | 北海道の山

  長官山より利尻山




久々にブログを書いてみることにしました。
なんと10ヶ月ぶりかな…^^;すっかりご無沙汰なのでやり方も忘れてしまってますが、
思い出しながらボチボチ進めてみます


********


昨年に続き、初夏の北海道を訪ねてみました。
6月4日から5泊6日の予定で利尻、礼文、道北周辺を回る予定です。

初日は羽田を立ち 新千歳で乗り継ぎ13:40に利尻空港に到着しました。
到着後は、レンタカーで島を一周、姫沼、オタドマリ沼、沓形岬などに立ち寄り周囲50kmあまりを
3時間ほどで巡りました。
宿泊先のグリーンヒルインさんは素泊まりですが、翌朝の朝4:45発で
鴛泊登山口に送り届けてくれるとのことなので安心です。

利尻島、礼文島を訪ねるのは2009年以来9年ぶりのこと。
あの時の印象が強烈に残っているので、9年もの歳月が経過したことが信じられないほどです。

しかし、確実に体力が弱っていることは、疲労困憊した今回の利尻登山で思い知らされました。
とはいえ、万全の体調には程遠い、病み上がりの身でしたので、その割には頑張ったと思います。

前回は、15時台の沓形発礼文島行きのフェリーが出ていたので、
下山したその日のうちに礼文島に移動ができたのですが、
その便は、どうやら廃止になったようです。
そのお陰で、下山後に利尻島にもう一泊することになり、時間の制約がないぶん気持ちに余裕ができました。
ゆっくり目一杯お花を楽しむこともできたのは、とても意義あることでした。
それに、下山後に宿泊した「旅館 雪国」さんは、スタッフの方の対応も
24時間入浴可能の温泉もお料理も素晴らしく大当たりのお宿でした。



         


利尻山

6月5日(火曜日)

 
昨夜は強風で窓がガタガタと音を立てていたので、はたして登れるのか気が気ではありませんでした。
でも、宿のスタッフの方は心配する様子は全くなく、定刻に登山口に送ってくださいました。
これくらいの風はいつものことなのでしょう!

5:00丁度に出発です。
 


外部から種を持ち込まないように靴底を洗う場所を通過しなければなりません。


ギンラン      オオタチツボスミレ


15分ほどで甘露泉水に到着、ここで空のペットボトルを満タンにしていきます。
今日は行程が長いのでテルモスのお湯も含め、計2リットルを担ぐことになります。

甘露泉水は、まろやかでとても美味しい水でした。

甘露泉水


ゴォーという風の音は聞こえますが、樹林帯の中は直接強風を受けることもなく、
汗ばむ体にはむしろ心地よく感じるくらいです。

 甘露泉水付近から、ツバメオモトが登山道を飾ります。
その数はこれまで見たことがないほどで、次から次へと清楚な姿を見せてくれます。
下部では若干見頃を過ぎていましたが、高度が増すごとに鮮度も花数もぐんと増えていきます。

ツバメオモト

 ツバメオモトは関東でもおなじみですが、ここでは桁外れの株の多さにびっくりでした。


ツバメオモト   カラフトヒロハテンナンショウ 

 オオアマドコロ




4合目で最初の休憩。
だらだらと緩い登りなのですが、けっこう堪えます

 

 

登山道沿いはツバメオモトに代わりマイヅルソウがびっしり


見飽きるほどですが、咲きたてホヤホヤ鮮度抜群のマイヅルソウは見事の一言につきます。




クロツリバナ



エゾヒョウタンボク



エゾニワトコ


6合目

 



常に強風が吹いているので体が煽られ、時折グラっとします。



先程からスズランのような葉が目立ちます。
う~ん、スズランにしては葉が柔らかそうだし、何だろう?と話しながら登っていくと、
蕾が上がった株がありました。
「ギョウジャニンニクじゃない!」と、Fさんの声。う~~ん納得です。



ギョウジャニンニクって人気の山菜のようですね!
そういえば、前回礼文島で宿泊した民宿のご主人が行者にんにくの醤油漬けを勧めてくれたことがあります。
味は覚えていないけれど、元気になれそうな匂いだったな。




これまでも十分に楽しませてくれたオオバナノエンレイソウですが、七合目から数も増えてきました。

昨年6月、広尾町で見た大群落のようにはいきませんが、高山で見るその姿はまた格別です。




オオバナノエンレイソウ      キバナノコマノツメ



キバナノコマノツメって、分布域が広いですね。


期待していたミヤマオグルマも咲き始めています。




ミヤマオグルマ






ミヤマハタザオ




コミヤマカタバミ



第二見晴台

 大好きなウスバスミレも咲いています。
小さいけど何とも愛らしいスミレです。チシマウスバスミレだったらもっともっと嬉しいのに…
前回も同じようなことを考えていました(汗)なにせ9年経った今でもチシマウスバスミレは未だ縁がないのです。

 ウスバスミレ





右はヒメイチゲです。



4時間近くかかってしまいましたが、長官山に到着です。

ここまで登ってきてようやく山頂とご対面です。
二度しか登っていないのに、二度ともくっきりその山容を拝めるなんてラッキーとしか言いようがありません。
鋭く尖った利尻富士、かっこいいです。




キバナシャクナゲ   ミヤマハンノキ


ウコンウツギ   チシマイワブキの葉



そして、今回もアブラナ科のあの植物に悩まされます。
タカネグンバイだと思うのですが、イマイチ自信がありません。
名前の由来となった種ができていれば一目瞭然ですが、咲き始めたばかりでそれは叶わず、
一応、根生葉はヘラ型で葉は茎を抱いているし、
何より利尻山にタカネグンバイの記録があるので多分間違いないと思うのですが…
以前、夕張岳でみたものと葉の様子は少し違っていたので、
今回は是非確認してみたいと考えていました。
が…やはり難しいです。


タカネグンバイ? エゾノイワハタザオ




後日、調べてみたらタカネグンバイの可能性は低く、エゾノイワハタザオかもしれません。
利尻山に確かにあるはずと、懸命に探しながらあるいたのですが、
見つけることはできませんでした。残念




ザゼンソウ




ミヤマスミレ

ここのミヤマスミレは、色が濃くて特別美しかったのですが再現できてなくて残念です。

小さな雪渓を横切ります。

アイゼンは必要ありません。

長官山を振り返ります。左下の赤い屋根は避難小屋です。

ジンヨウスイバ

イワベンケイ 



九合目

「ここからが正念場」のフレーズに気が引き締まります。

そして、お待ちかねのエゾエンゴサクの大群落!

ブルーの絨毯が果てしなく続きます。

これが見たくて頑張りました。
前回も圧倒されっぱなしだったけど、今回はもっと凄いかも。



平地では終わっているエゾエンゴサクですが、ここでは今が一番の見頃!

素敵過ぎて、興奮を抑えられません。





エゾノハクサンイチゲは咲き始めで、きれいです。






蕾もコロンとして可愛いです





エゾノタカネヤナギとエゾノハクサンイチゲ

 

さて 

山頂が近くなると、赤い火山礫にズルズルと足を取られ後退していた前回に比べて

土留などが整備されてとても歩きやすくなってました。



そして

ローソク岩が見えたら山頂はすぐです。


やりました山頂です。

 

つい一週間前、風邪で39度もの熱を出し、一週間で回復したとはいえ
病み上がりの身で登山できるか心配でしたが、

予定通り山頂に立つことができて感激も一入です。


 

 

山頂からは、礼文島も見えてます。






山頂でランチしていたら、若いお嬢さん二人が登ってきました。
彼女たちは「利尻山頂」のプレートを担ぎ上げてきた関係者の方で、若いだけあって足も早いです。

数日前に利尻島でヒグマの足跡が見つかり、106年ぶりに島に渡ってきたかもしれないとのことで
話題になっていました。
そんな中、一昨日「利尻マラソン大会」が開催されヒグマのこともあり、全国ネットのニュースで取り上げられてました。
彼女たちもスタッフの一員だったそうで、知り合いの方もインタビューを受けて放映されていたようで
その話でちょっとだけ盛り上がりました^^;


その後、熊ちゃんはどうしたのでしょうか?
足跡はあるけど、姿を見かけた人はいるのかな…



さて、そろそろ下山しましょうか!


突き出た岬はペシ岬




イワベンケイの赤ちゃん




以前はこの辺り、本当に歩きづらかったですから、
行き届いた登山道の整備に、頭が下がります。



エゾエンゴサクは何度見ても胸キュンですね!!





今日は急ぐ必要はないので何度も立ち止まり、ゆっくり下りてきました。

心配だった強風は、登りの樹林帯を抜けた辺りで相当吹かれれましたが、山頂付近は不思議と穏やかでした。
二度めの利尻山も天候に恵まれ、お花と景色を満喫することができて
達成感でいっぱいでした。


2009年の利尻山の記録はこちらから 

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