香港徒然草

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香港徒然草183:精進料理は本当にヘルシーか

2007年06月18日 23時28分24秒 | 【香港】食べる
中華料理といえば油っこいというイメージが先行しますが、そんな中で比較的「ヘルシー」だと健康を気づかう人や女性に人気なのが精進料理である”素食料理”です。
素食料理は中国料理の中でも1つのジャンルを築いている立派な料理といえます。

ではその”素食料理”とは一体何なのか?
ガイドブックなどでは良く「精進料理」や「ベジタリアン料理」というカテゴリーに入れられている通り、基本的には肉や魚を使わない料理です。
「精進」とはもともと仏教用語で、仏教では粗食を基本にして肉類を食べないようにしてきていたことから、肉類を用いない料理を精進料理と呼ぶようになりました。

日本の精進料理でも同じですが、素食料理には、さまざまな豆腐製品が活躍します。豆腐そのものをはじめ、押し豆腐、ぺらぺらの薄い押し豆腐 、それから揚げ豆腐に、生湯葉と乾燥湯葉等々。豆腐のバリエーションはかなり多いです。
さらに小麦粉のグルテンから作る生麩も重要な素材です。

野菜は基本的に何でも良いのですが、ネギやニンニクなどは精力がつくため、修業の邪魔になってしまうということで、こうした野菜は使われないのが特徴です。

“素食”に許された限りある素材を使って、どのくらい “本物そっくり”に迫ることができるか。
ここに料理人の“技”の見せ所があるわけで、それを楽しむのも一興です。

例えば、海鮮と野菜の炒め物などの場合、イカは堅めに作られたコンニャクを使用することが多く、アワビは精進料理で使うキノコを、エビは白玉に食紅でエビのシマシマ模様を書いて仕上げます。
いずれの食材も見た目も味も触感もかぎりなく本物に作られていて、その技術の高さには脱帽します。

例えば素食でいう肉料理なら、こんな感じです。

豚肉の黒胡椒風味仕立てになっていますが、実際には豆腐タンパクを使用しており、豚肉は使われていないにも関わらず、見た目や色、触感のどれをとっても本物そっくりです。

こちらは豆腐のギョウザ。
ギョウザの皮の代わりに豆腐をつかい、中には野菜がはいっています。これは比較的オーソドックスな精進料理っぽいですね。




精進料理は,一般に,低カロリー・高タンパクで,ダイエットに適しているといわれていますが、実際は豆腐や小麦粉などをつなぐ際に油を大量に使用する場合も多く、食紅などの色素で色付けをするケースも多い為、必ずしもヘルシーとはいえないのが実情です。逆に素食料理の方が高カロリーになってしまうケースもあるので要注意です。
ヘルシーっぽいからというミーハーな理由で素食料理にチャレンジする場合は、それなりのカロリーは覚悟しておいた方がいいかもしれません。

仏教徒やベジタリアンなので肉や魚が食べられない、肉や魚を使用せずいかに本物らしい料理に仕立てるかを実際に食べて体験してみたいといった場合や、普通の中華は食べ飽きた方などにおすすめの料理といえそうです。

素食料理にチャレンジしてみるならば、北京道一号ビルの中に入っている「功徳林」が有名です。
抜群のロケーションに加え、雰囲気もこぎれいですので、素食料理の導入のお店としてはいいのではないでしょうか?

功徳林ではこれが有名ですよと「特製冷麺」をすすめられますが、基本的には「単なる麺に野菜やらゴマだれや、ラー油、酢などを自由にトッピングして食べる麺」なので、個人的にはわざわざ食べるという程のものではないと思われます。
ただし、話題としてなら一度チャレンジしてみるのもいいかもしれません。


◆「功徳林上海素食」
住所:7/F., 1 Peking Road, Tsimshatsui, Kowloon
Tel:2312-7800
営業時間:11:00~23:00(毎日)
コメント (2)
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