一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

烏帽子岳 ……こんな素晴らしい山がなぜガイド本に載っていないのか②……

2011年06月09日 | その他・佐賀県外の山


佐世保にある烏帽子岳について、
今年の2月23日に、
「こんな素晴らしい山がなぜガイド本に載っていないのか」(コチラを参照)
と吠えた。(笑)
ガイド本とは、山と溪谷社の『新・分県登山ガイド41 長崎県の山』のことである。
まあ、詳しい内容は前回のレポートを読んでもらうとして、
今日は、その第2弾。
前回、
「次回は日宇ルートを歩きたい」
という言葉で締めくくっている。
すぐに日宇ルートを歩くつもりでいたのだが、
yanさんと私のスケジュールがなかなか合わず、
延び延びになってしまっていた。
そして今日、ようやく実行することができた。
約束通り、日宇ルートを歩いてきたのだ。


今日も私は午後から母のところへ行くことになっていたので、
山歩きができるのは午前中のみ。
早朝、日宇小学校の駐車場でyanさんと待ち合わせ。
yanさんが、あらかじめ日宇小学校に連絡して、
駐車場の使用許可を取っておいて下さっていた。
感謝!

6:58
日宇小学校を出発。
「日宇小学校の生徒たちも、このルートで烏帽子岳へ遠足に行っているのではないだろうか」
などと話しながら歩いて行く。


前方に見えるのは烏帽子岳ではない。
烏帽子岳は、あのピークのさらに奥になる。


木風町から日宇町を経て黒髪町へと延びる道へ出る。
この道は、私が佐世保にいた頃はなかった。
ここを右折。


しばらく歩いて、左折。
車は入れないようになっている。


少し歩いて、さらに左折。


ここから、登山道らしくなってくる。


なかなか好い雰囲気の道である。


登山道の両側にずっと石積みが見られる。
昔は段々畑だったのかもしれない。


7:24
林道に出る。
しばし休憩。


ミゾソバの花が咲いていた。
砂糖菓子のようで、美味しそう。(笑)


再び森の中へ。


大木が、こんな感じで登山道を塞いでいた。


ここを登った先が開けていて、展望が良かった。


ただ霞がかかっていたので、遠望は効かなかった。


日宇ルートには、こんなに美しい自然林がたくさん残っている。


こんな道をガイド本の著者は歩いたことがあるのだろうか?
いや、歩いてない筈だ。
歩いていたら、リストから外せる訳がない。


7:57
分岐に到着。
往路は、右へ。
復路は、左から下ってくる。


本当に素晴らしい登山道だ。


緑のトンネルを抜ける。


みはらし台に立ち寄ることにする。


ここに立ち寄るのは、yanさんも私も初めて。
昔は、こんな展望台なんてなかったのだ。


海までは幽かに見える。
晴れていたら、きっと素晴らしい展望が楽しめるに違いない。


8:23
山頂直下の広場に到着。
ここのイメージは、私が子供の頃のまま。
小学校、中学校、高校と、
烏帽子岳に遠足に来たときは、この広場で弁当を食べ、遊んだ。
思い出がいっぱい詰まっている広場だ。


広場を出ると、もう夏草が生い茂っている。


山頂を目指し、登って行く。


8:44
烏帽子岳山頂に到着。
もう何十回ここに立ったことだろう。


烏帽子岳は三等三角点。


9:01
山頂を出発。
下山にかかる。

キイチゴを食べながら歩く。


ツクシタツナミソウがたくさん咲いている。


幅が広くて歩きやすい登山道。


「滝の音」と書かれた案内板があった。


烏帽子岳の地形は、石灰を含んだ第三紀層の上に、
玄武岩の溶岩流が重なったもので、
ここがその溶岩流の端にあたるとか。
そのため傾斜が急で、
あちこちに小さな滝や見晴らしの良い場所を作り出しているそうだ。
耳を澄ますと、確かに滝の音が聞こえる。
《田中穂積が「美しき天然」の中で賛美した滝の音を観賞して下さい》
とは、ニクイね~

空にさえずる 鳥の声
峯より落つる 滝の音
大波小波 とうとうと
響き絶やせぬ 海の音
聞けや人々 面白き
この天然の 音楽を
調べ自在に 弾きたもう
神の御手の 尊しや


烏帽子岳の中腹は、このような美しい道が縦横無尽に張り巡らされており、
まるで迷路に彷徨い込んだよう。
人工物に溢れていると思われている烏帽子岳にも、
これほどの自然が残っているのだ。


町が近づいてきた。


往路とは違う道に入ってみる。
人家の脇に出てきた。


日宇小学校はもうすぐそこ。


10:35
日宇中学校に戻ってくる。
今回の日宇ルートは、
前回の山祇ルートにも増して素晴らしいルートだった。
再度言おう。
「こんな素晴らしい山がなぜガイド本に載っていないのか」ってね。

予定より早く烏帽子岳登山が終わったので、
隠居岳のヤマツツジを見に行った。
ウォーカーズパークから山頂をピストン。
ヤマツツジの自生地は、入口から四阿の間が、まさに見頃だった。


四阿から西岳方面のヤマツツジは、盛りを過ぎていた。
でも、今年も隠居岳のヤマツツジを見ることができて、良かった~


ヤマツツジの自生地から隠居岳山頂まで、私の足で10分。
普通の人で15分くらい。
遅い人でも20分もあれば山頂に着く。


だが、山と溪谷社の『新・分県登山ガイド41 長崎県の山』では、
このヤマツツジの自生地から山頂までを40分としている。
いくらなんでも、これは間違い。
この著者は、本当に県北の山を歩いているのだろうか?
この間違いは、改訂版でも直されていない。
このガイド本が信用できない理由は、こういうところにもある。


山頂は、アザミが咲き乱れていた。


yanさんからサイハイランの咲いている場所を教えてもらったので、見に行った。
かろうじてまだ咲いててくれた。
嬉しい!


yanさん、本日のご案内ありがとうございました。
とても楽しかったです。
そして感動しました。
烏帽子岳、本当に素晴らしい山ですね。
これからも烏帽子岳(それから隠居岳)の素晴らしさを大いに発信していきましょう!

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