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「詩歌川百景」(3)吉田秋生
谷あいの温泉地を舞台に濃厚な人間関係が描かれた群像劇。
悪意の描き方が巧い。
リアリティを盛り上げる、風物詩もすばらしい。
田舎の共同体はよくわからないものには敏感だ
無知と警戒感が限界に達した時
共同体は牙をむく
体格や筋力のちがいで歩幅や足の持ち上げる高さは個人差があります
でも階段は皆 同じ高さで足を上げなくてはなりません
自分のペースで登ることができない階段が疲れるのはこのためです
どんなに経験を積んでいても入念に準備しても事故は起きる時は起こってしまう
でもせめてその確率を下げる努力はしたいと思うんだ
↑ P182
西野さんて沢登りのエキスパートなんだってさ
(「沢登り」のルビに「シャワークライミング」となっている。
シャワークライミングは沢登りの一形態、要素にすぎない。
同義語ではないので要注意)
【参考リンク】
「詩歌川百景」(1)吉田秋生
「詩歌川百景」(2)吉田秋生
【ネット上の紹介】
穏やかな山間の温泉町を揺さぶる、事件。 老舗温泉旅館「あずまや」で湯守見習いとして働く青年・和樹の頼れる幼なじみ類は、冷静で優秀でお年寄りにもやさしい林田家の「最強の長男」。そんな彼をおとしめる投書が・・・!? 【編集担当からのおすすめ情報】 悪意も争いもままならぬ事もありながら大人たちに見守られ、一歩ずつ、心を紡ぐように成長していく青年たち。この山間の静かで確かな物語をぜひ体感してください。