霊界の門 ・見えないものの力

霊界や因縁から、現在の自分をみつめ、「見えないものの力」を味方にしましょう。

謎かけ?

2014年06月05日 | 心霊現象
6月で開けた私の新生活。
さてどのように始まり、どのように終わりを告げるのだろうか・・・?。
まだ早い!とお叱りを受けそうであるが、最初は「謎かけ」できた。
一日目。もう一人の同じ勤務者から教わればいいと、たかをくくって迎えた初日だったが、みごとに肩透かしをくわされた。
「ねっぱつで○○さん、急遽本日休みです!」
私と同時間に働く人が、熱を出して休みとなった。(一つ目の肩透かしだ)
右も左も分からないとまでも言えないが、何ひとつ把握できていないのだから「分からない」と同じだ。
へたに昔を引け散らかせば、トラブルのネタにもなるし、第一失礼であり無礼・傲慢となる。
「わきまえる人間」としては、教わることを最優先だと考える。
しかし、そのことが裏目に出た。
「教えてほしければ、聞きに来い」、これがここでの「スタンス」らしい。
私以外の人たちで(スタッフ)、ことは何なく進められ時間が過ぎてゆく。
私は指示があるものと思い(錯覚し?)、じっと待っていた。

「どこのおばさん?この人・・・」グループホームのお客さんが時間とともに怪訝(けげん)そうな顔になっていく。
時間が過ぎれば、一日の動きが自然に分かっていくだろうという私の読みは甘かった。
自分で自己紹介をし、自分で空気を読む。
このユニットの誰かが、今日一日の「私の先生」になるだろうという読みの甘さ、いや「肩透かし」いや、「謎かけ」が早速始まっていたのだ。
私の周りだけが「空気」が止まっている。
他は忙しそうに、あるいは又楽しそうに「確かな動きをもって」時を刻んでいる。
昨日まであんなに忙しく飛び回って一日が終わったのに、「ここでは一人ぼっちで時間の止まった中でいる」私だ。
空気には「霊気」がある。そこから読み取れる「気」に、焦点を合わせ確かな空気感を読み取らねばならない。
生きた人間が発する「気」は死人とは違い、一番確かであり強い。
これも「謎かけ」である。

二日目からは「シフト」とよばれる業界独特の勤務体制の中で、一人でこなさなければならない。
そして次の日、つまり「三日目」は「夜勤」がくる。
誰もが言った。「なんて無理な勤務」かと・・・。
しかし三日あれば、それも教えてもらえれば何とか出来るはずだと、私は気にも留めなかった。
が、結果的に「何も分からないまま」夜勤を迎えることになる。


「みとり」という業界用語がある。
つまり「まもなく死ぬ人」の「最期を看取る」という意味である。
その「御仁」が、ここにはいる。そしてその一人の存在ゆえに、「ここ」では自分の夜勤の時だけは、その死に直面しないようにと、祈って(手を合わせて)出勤するという。
そんなこんなを聞いていた私は、今日の「この日」を迎えるにあたり、用意した「物」が二つある。
一つは「塩」であり、もう一つは「辞表」である。
この判断は、案外当たりだとさえ思われた。
夜になり、お客はてんで勝手に自室に入っていく。
手のかからない人が多い「この階の住人」たちは、ホールに集まって時間に縛られるのは三度の「飯」(その後での薬がある)と、風呂の時間とお茶の時間だけだ。
あとはフリーであり自由に、そして勝手に生活できる。
そんな人達の中で、何に意味や意義を見出して「行動(介護)」するかは、各自に問われている。
むしろ「それこそ」が、重大なる「謎かけ」かもしれない。

奥の部屋から「鈴」が鳴る。
そらきた!。死にゆく者が私を呼んでいる。
「どうしましたか?」とおきまりの声をかける。
暑い毎日だから水分は必須である。必ず片手には、すでに水を持って飛んでいくのだ。
それにこの御仁は、三日間何も食べていない。(固形物が胃袋に入ってないという意味だ)
栄養ドリンク(エンシュアとよばれる液体物)は、一日分750㏄は入っている。
『もう夜でしょう。やるべき事を早くやっちゃってよ。手際よくやってよね。もたもたするのは嫌いなんでね・・・』
(何の事だ?・・・)
これも知らない者にとっては「謎かけ」の言葉だ。
いったいこの私に何をすれというのか?。
「おむつ濡れてませんか?」。『だからさぁ、早くやっちゃってよと言ってるでしょう!』
日中は他の職員が慣れた手つきで済ませて帰る。
私は夜の部屋で、何がどこにあるのかさえ分からない。(落とし穴にはまった感あり)
もたもた、ぜーぜーいいながら臭いもないまぜになって格闘する。
体のどこを触っても痛みが走る御仁は、「触られるのが一番嫌い」と昼間言っていた。
『痛い!』、「ごめんなさい」『痛いんだよう!』、「ごめんなさい」。
その繰り返しの中で、もし他の人が転んだりしたらもう終わりだ。
危険がこんなにも隣り合わせなのは、「夜」だ。
一人の夜勤の目しかないからだ。
救急車を一挙に数台呼ぶなど、前代未聞の出来事となり、歴史の一ページを刻むことになろう。

徳川時代の大奥じゃあるまいし、鈴が鳴ってかけつける。
もう夜だ、やることやれなんて・・・。その謎かけはまさか「よとぎ(夜伽)」をすれって事じゃないよね、ふふふ」と言った友がいた。
私はあきれて聞いていたが、そこまで頭が回らない私でもあり、さらに「介護」と「夜伽」を結ぶものは、断じてない。

次の「謎かけ」がこうだ。
一人の「ばあさま」がすりすりと夜更けによってきた。
「あのね、さっき預けた私のさいふ、お持ちでしょ。ちょっと見せてもらえるかしら?」と。
そらきた!。
この手の錯覚は認知症特有のものだ。
ないものは「ない」。
預かっていない事を伝える。
その理由がこうだ。
昨日今日きた新参者に、大切な「さいふ」を預けますか?。あなたの勘違いでしょ。
きっと古い職員で、偉い誰かさんにお預けになったのでしょう。明日お聞きになったら分かりますよ。
しかし、同じことを夜な夜な三度聞かれた。
もし私が事情に明るかったら、もっと的確な説明ができたかもしれない。
しかし夜も更け、眠気に負けてその「ばあさま」は眠った。
これもりっぱな「謎かけ」だ。

そして次がきた。一度寝たと思った「じいさま」が起きてくる。フラリフラリといつでも転倒する様でこちらへくる。トイレなら自室の隣にあるではないか。
眠れないから「その相手」をせよと、そういう意味だろう。
簡単にあしらっては失礼だと思い、初めて向き合った話を体験する。
洗濯機が終わった音を告げる。乾かさないと、明日着る洋服や、シーツに支障が出る人もいるだろう。
ちょっと失礼してその場を離れる。
『おーい!どこだぁ!。どこいったんだよぅ!』と、耳の遠いその人は夜の空気が変わる程の大声で怒鳴りまくる。
走り寄っては、白板に字を書き読んでもらう。それをも大声で読む。
(そんな大声で読むかなぁ)しかしこれが認知症なのだ。
隣でうたたねをしながら、時々は「薄目」を開けては私の姿を確認する。
椅子からずり落ちはしないかと、気を配りながら、鬼のいぬ間の洗濯ならぬ眠っているのを確認しては「夜勤」の作業をこなす私である。


夜間に数回鳴るという鈴の音は、いまだ聞こえてこない。
これはむしろ「不気味」である。生死を確認しなければならないからだ。
私はやおら立ち上がり、「塩」を持っていよいよ作業を開始する。
息はしている。いやむしろ「いびき」が聞こえる。
すかさず部屋の四隅と中央に塩を撒く。
呪文はいつものことだ。
手早に終わらせて「眠った爺様」のところへ帰る。
東の空が明るくなり始めたころ、ようやく寝ると言って布団へ入った。
そしてそれからが、朝食づくりの締めをする。(途中で下ごしらえはしてあるからだ)


この場所には、見えない地雷が無数にちりばめられているとみた。
その地雷を縫うようにして、ようやく一応無事に「今日」は終わったかにみえる。
その地雷こそ、「人」であり、「環境」であり「作業」であり「介護のなんたるか」の差異からくるものであろう。
私は霊的にみる戦場の、「地雷」の多さに絶句し、すくみ、さらに進むべき道の多難を感じて今ここにいる。
『あなたからは長く勤めていただきたいから、いくらかは「楽(らく)」なところでまたがんばっていただければと~』との言葉をもらって来たところは、はたして額面どおりの「楽(らく)」な場所ではなかった。
二番目は苦しいはずだ、と申し上げた私の読みのほうが当たった、と思召せ。
「三種の神器」ならぬ私の「三種」は何であろうか・・・。
一つは「塩」であり、そして二つ目は「辞表」である。三つ目は・・・?。
生きた神と、霊界と守護霊をひっくるめた「霊団」である。
目に見えないものと闘うには恰好な内容である。
地雷探知機ならぬ「霊界から見る地雷探知機」をいつも携えて赴き、行動しなければならない「二回目のステージであること」を皆様にここでご報告いたします。
神が与える私への最期のステージは、まだ二段階目を迎えたままである。


そうそう、塩を振った「あの御仁」ね。
朝ごはん全部食べたんですと。三日三晩、いやそれよりもっと長い日にち「固形物」を胃に入れなかった人がですよ。
何があったんでしょうねぇ。私は知りません。神様だけがご存じかと。

ただね、昔銀行員だったという「その御仁」。
こんなところで果てては無念でしょうねぇ。
もし食欲が増して自分で立てるようになったら、卒業させてあげたいと「ふっと」思いましたよ。
袖すりあうも多生の縁って昔から言うじゃありませんか。
毎回夜勤の度に塩を振り、呪文を唱えて、いえ神の愛の祈りを捧げ続けたら、案外ひょっとして次の朝、「よっ!」って片手を挙げて歩いてくるかもね。
骨は丈夫だと読みましたから。


とにかくいろいろ。
こんな日々が待っていたんだと、覚悟してまた前に進みましょうか・・・。
(ただ今回の夜勤の疲れは、肉体よりも精神的にどっときまして・・・。
一日二日寝ただけでは、回復しないかも~)


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