ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「アメリカン・ギャングスター」

2012-06-17 19:13:29 | Weblog

                        「アメリカン・ギャングスター」

この作品は、私の好きなリドリー・スコット監督作であり、さらにお気に入りのラッセル・クロウ主演なので(デンゼル・ワシントンが嫌いという訳ではありません(汗)、公開当時にすごく観たかったのを憶えています。

結局、去年くらいにDVDを借りて初めて観ました。今回が2度目。

「事実に基づいた話」ということで、同じリドリー・スコットの“ギャング物”である「ブラック・レイン」のような、大きな山場はココじゃー!!・・・という作りとは少し違いますな・・。

ストーリーがかなり組んず解れつ絡み合っているので、枝葉末節省きますが・・。

1960年代の終わり頃に、ハーレムの父的存在であったバンピー・ジョンソンが国を憂いつつ逝去し、彼の右腕であったフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)が後を継いだ。

フランクは、バンピーがそれまでやってきた「商売」のやり方をガラリと変え、マフィアでもやっていない「東アジアからの純度の高い麻薬の直輸入及びその安価な販売」を行う。

いきおい、今まで保たれていた麻薬販売に関するバランスがくずれ、フランクは大きな成功と引き換えに「大勢からのの恨み」をかうことになった・・。

一方、ニューヨーク市警の「融通がまったくきかない(笑)バカ正直」な刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は捜査過程で偶然見つけた100万ドルを、バカ正直に警察署に持ち帰り(この頃はこれ位だともらっちゃうのが当然だったようですな)、同僚の刑事から白い目で見られておりましたが・・。

リッチーは市警でも「麻薬捜査」の部署におったのですが、自分以外の刑事は取り締まるどころか、密売人から金をピンハネするやら、挙句の果ては麻薬を横取りして、それを薄めてジャンキーたちに売りつけるという始末でした・・。

しかし、リッチーにうってつけの異動がありました。
「絶対に密売人などから金や麻薬を受け取らない」というハード・ボイルドな連中のみで構成された「麻薬特捜班」(ニューヨーク市警とは別個)への異動でした。

リッチー達はジワリ、ジワリと、麻薬の密売ルートを辿っていきます・・。
やがて、リッチーは、「フランク・ルーカス」という人物にたどりつきますが・・。

あとは映画を観てくださひ~・・。

映画冒頭、バンピー・ジョンソンが大型電器店の前でフランクに、「“進歩”とはなんだ・・大型電器店の出現が、仲介業者を切り捨てる・・・ソニー、トウシバ・・アジアの製品がアメリカ人から職を奪う・・・」
当時の情勢は大まかにしか解らないが、耳の痛いセリフだ。

物語は凄くギュッと詰まっている感じで、1回見ただけではちょいと読めない部分もあるかなと(オレだけか)
ディテールの部分、例えば麻薬密輸発見のために、ベトナム戦争の戦死者用の棺をどこまで追いかけて、どうして「ビンゴ!」なのか、とか。
2,3回観てやっと解ったりする。
個人的に気に入ったシーンは、フランクが母親に平手打ちを喰らうくだりだ。
麻薬密売を牛耳るフランク・ルーカスを平手打ち出来るのは、やはり「ママ」だけなのだ。
総じてとても“タイト”な筋書きではないかと感じました・・。

映像的には、「画面が総じて薄暗い(笑)」のはいつものリドリー・スコット風ともいえるが、「ブレードランナー」「ブラック・レイン」もしくは「ワールド・オブ・ライズ」でよく見られた「紅」「朱」「夕日の太陽の光」のような色彩は余り無い。
色調を抑え目にした分、作品がなお引き締まって(??)見えるのかもしれない。

ストーリーの繋ぎ目となる部分で、当時流行った(厳密にはかなり時代がずれているのもあるみたいですが)ファンクやソウルなどのブラック・ミュージックが流れる。時代感が出ていて、好きです(^^♪
ラスト・シーンで1990年代初頭にフランクが出所するときにラップが流れるのもミソ。

デンゼル・ワシントンは鋭利で尖ったイメージのフランクを演じてとてもよかった。
悪役なんだけれども、真の意味では悪人ではない、という微妙なニュアンスがよく出ていたように思う。

ラッセル・クロウは私が好きな男優さんなので、採点甘めになっちゃいますな。
今回は抑え目(?)の演技だったのではないでしょうか・・。「グラディエーター」はともかく「消されたヘッドライン」などでの演技に比べても、抑えて抑えて、のような。
しかし、いつもながら「その役になりきる」、ラッセル・クロウ、硬派のような、そうでもないような・・難しい役でしたが私的にはOKでした・・・。

しかし、これが「事実に基づく」って、・・・スゴすぎる(゜∀。)



ひきばっち的満足度★★★★






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