山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

栂池バックカントリー 晴れのち雷、強風、黄色い吹雪 おまけに黄砂

2010年03月23日 | スキー登山

3月20~21日 
今回は、
「栂池バッカントリーの王道、広大なオープンバーンの白馬乗鞍岳とたっぷり滑って、締めは蓮華温泉」(雑誌:SPRYより)“スキーツアー定番のクラッシックコース”を“いろいろなお天気”“いろいろな雪”を体験しながら楽しんできました。

19日朝に名古屋から夜行バスと一番列車を乗り継いで帰宅、まずは自宅近くの温泉で疲れをとり、昼寝、メールの処理、夏の予約調整、再び昼寝、夜は久しぶりに家族と会話、“ながら山の準備”。23時再び出発、「22日までこの天気が続いて欲しいな」と淡い期待を抱きながら高速で現地へと向かいました。途中“道の駅小谷”(温泉付で車中泊)でお客様と合流、下山口に車を配置し、栂池高原スキー場に向かいました。

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あちらから、こちらからと知人のガイドから声をかけられ、油断していたらゴンドラ乗車に1時間、このスキー場の賑わいは懐かしい光景、3連休を忘れていました。

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ロープウェイを降り、ようやく喧騒から開放されシールを着け快適に白馬乗鞍岳へ、

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“広大なオープンバーン”のなかドボドボの雪と時折かかるブレーキに体を揺さぶりながらの滑降に思わずため息が漏れてしまいました。

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蓮華温へのコースは雪の状況も考え振子沢を滑りました。ここでも“ため息”と“この場所雪が良ければ・・・!”を連発、救いは温泉と明日の荒天を回避するためキャンセルで空いた宿でした。本当に明日から大荒れの天気?と疑いたくなるような快晴でしたが、日付が変わると、窓を打つ風、時折光る稲妻、窓を震わせる雷鳴に夜に起されでも、朝起きると一面“銀世界”ならぬ“黄世界”と黄色い吹雪。何の期待しないでひたすら林道を歩き、角小屋峠を越えシールをはずしたところから、寒気も増し、昨日のドボドボ雪が締まり、黄色い雪も10cmほどの新雪に覆われ時折“SPRAY”があげながらツリーランを楽しむことができました。何が幸いするかわかりません、ガイド泣かせの“爆弾低気圧”でしたが、油断は禁物ですが“山は行ってみないわからない”楽しい雪と山スキーの醍醐味を提供していただいたこの低気圧に感謝しています。“山は行ってみないとわからない”油断は禁物です

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“現代っ子ガイド”のように即断で予定を変更、スキー場周辺で無難に楽しむことも大切なのかな?半分以上キャンセルがでた蓮華温泉、悩ましい天気の2日間でした。

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哀しい春 

2010年03月19日 | 日記・エッセイ・コラム

3月18日 OB会長逝去の知らせが入る。
すぐに、通夜の執り行われている名古屋へと急いだ。
いただいた返礼「風匂う」には、
“人を愛し、そして山を愛した父です・・・”と幼いころ一緒に上高地合宿に連れれられていたご子息の思い出つづられていた。
19歳の春、何も知らないで夢中で飛び込んだ大学山岳部、
時々会社の帰りに部室に寄って新人を励ましていただいた
先輩。
入部して2週間あまりで参加した中央アルプス木曽駒ヶ岳、宝剣岳での新人合宿、それから毎年欠かさず5月の新人合宿へ顔出していただいた先輩、わたしたちを時には風のように激しく、大樹のようにやさしく見守っていただいた。
1994年大学山岳部OB会で組織した、

EVEREST(South Pillar:8848m)登山隊の隊長として、我々をBCから見守っていただき、成功へと導いていただいた先輩。

学生のころは、山岳部と応援団の主将だった先輩、たのしいお酒とバンカラな山登りを教えていただいた。
もう、あの豪快な“万歳三唱”は聞くことができない。

うららかな日差しの中、自宅に戻ってみると、

       庭に春が何事もなかったように巡っていた。

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ご冥福をお祈りいたします 合掌


悲しい春! 蔵王 蔵王沢雪崩災害調査

2010年03月17日 | 雪崩巡業

3月14日 日本雪崩ネットワーク(JAN)の方々3名と当会ガイド2名で雪崩災害現場へと向かった。ほぼ昨日の調査と同じ結果が出たようだ。

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雪崩災害現場を目の当たりにして“恐怖”を感じた。
本当に15分で埋没者を発見、救出出来るのだろうか?

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詳細は、
日本雪崩ネットワークHPに速報が掲載中!

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悲しい 春! 3度目の雪崩災害調査へ

2010年03月13日 | 雪の山

3月12日、午後2時30分ころ、蔵王で雪崩が発生。昨日鳴っていた携帯電話はこの雪崩への問い合わせ。

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今日13日、新庄雪氷防災科研の方々と蔵王へ積雪断面観察など様々な調査に赴くにことになる。現地で日本雪崩ネットワークの方と合流、現場に近い標高、方位面、状況の似ている場所を探し調査を開始。

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「ガイドは雪崩の現場をしっかり見届けるもの・・・。」と諭され、
多少ためらいもあったが,


明日14日“日本雪崩ネッワーク”の方々と現場へ向かうことに。
八幡平・原太ヶ岳、那須岳、今回と雪崩災害現場で、どうしてと聞いても仕方がのないことだけど。
「どうして、ビーコンを付けなかったの・・・」「どうして、雪崩事故対策装備に気を使わなかったの・・・」「どうして、こんなに雪崩情報が溢れているのに」
自分たちの活動が空しく感じる、本当に悲しい。この調査データが雪崩事故防止へとつながることをただ祈るばかり。

亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
 


あわただしい、春! 

2010年03月13日 | 日記・エッセイ・コラム

7日に秋田駒ヶ岳からもどり、2ヶ月半ぶりに次のガイドまで2週間ほど在宅勤務。溜まっていたメールチェックに、秋までの日程調整とと慣れないパソコンの画面に向かう時間が多かった。
12日、天気もよかったので鳥海山を眺めに遠出、ついでにフ“北東北温泉ガイドブック”も無料クーポン券を使いフォレスタ鳥海の温泉でリフレッシュ。
気持ちよく入浴を終え、
携帯を見ると着信がたくさん届いてた。

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ブログ更新いたしました

2010年03月08日 | ブログ

いつの間にか、山々は沢水の音や鳥の声が響き渡り、春へ季節が変化しているようです。この一週間の出来事をまとめてUPしてみました、ご笑覧いただければ幸いです。

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いつものことながら、バタバタと山から山への毎日を過ごす様子に、東京の大先輩から,心配のメールを頂戴し、ブログを通じて見守っていただいていることにあらためて感謝いたします。



ステップUP! 雪の早池峰、秋田駒ケ岳登山 その2

2010年03月08日 | 東北の山

3月7日
今日は、秋田駒ケ岳の通称“リフト尾根”と呼ばれている、田沢湖スキー場トップから秋田駒ケ岳・男岳へ延びている雪稜から頂上を目指してみました。

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数日前からの暖気で一度緩んだ雪が再び締まり、スキー場整備の圧雪車が登れないほどまで雪が硬くなっていた。お陰で稜線はアイゼンが気持ちよく効き、時折のぞく青空に助けられながら往復4時間ほでの山行がたのしめた。

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参加された方は、今日でアイゼン、ピッケル経験3日目、昨日までの早池峰とは違い、表情やロープから伝わる緊張感もなくなり、カメラを出したり、冗談を言い合ったり、多少余裕を持ちながら頂上を目指すことができたようだった。

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今まで経験してきた夏山登山とは違い、雪山登山は全てが戸惑うことばかりだったのでは。全てガイドにお任せではなく、足りない部分をガイドに頼っていただく、その中で山登りの本質をいくらかでも理解いただければとと思いながら帰宅した今回の登山でした。

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3日間大変だったでしょうが、ぜひあきらめないで“高み”を目指してください!!お手伝いは惜しみません。


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ステップUP! 雪の早池峰、秋田駒ケ岳登山

2010年03月08日 | 東北の山

3月5~7日
3日間の予定で早池峰と秋田駒ケ岳へと出かけてきた。
5日は岳集落から林道を3時間ほど歩き、早池峰山登山口近くのうすゆき山荘に泊まる、丸太作りで洒落た避難小屋である、以前は薪ストーブが置いてあったが、今は石油ストーブになってしまい少々さびしい感じがした。

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そんなわけで、灯油6リッター、水3リッター、食材、コンロ、コッフェル、燃料、ロープ40m、個人装備等々“ガイド協会推薦のガイドザック”に目いっぱい詰め込んでの入山となった。

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翌日6日は、朝5時過ぎに小屋を出発1500m過ぎまでスノーシューを効かせ高度を稼ぐ、そこからはハーネスを装着ロープを結び合い、アイゼン、ピッケルを使って頂上を目指してきた。

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登りながら数年前1月、2月の厳冬期に早池峰へ出かけていたことを思い出した。この山の冬は、標高差400mを越える急峻なミックス帯という険しい地形、マイナス20℃以下にまで冷え込む気象条件等、八ヶ岳とよく似ている。でも入山者の数や営業小屋がないこと、アプローチが長いなど万が一のフォローを考えると八ヶ岳よりを厳しいエリアではないだろうか。

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一緒に登られた方のなかには、この山で雪山をはじめて経験され、その後モンブラン三山縦走へ出かけたり、ガイドになられたりと様々なステップアップをされた皆さんの顔が浮かんできた。

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今回は、天候の急変で頂上まで標高差で20mを残し引き返してきたが、皆さんはこの雪山をスタートにどのようなステップアップを目指すのでしょう。それとももう雪山は懲り懲りでしょうか。





山の準備

2010年03月08日 | 日記・エッセイ・コラム

3月4日
昨日は、山形市内の大学で6月ころからはじまる公開講座の一コマに“山の注意点、安全”の講習をとの相談をいただき担当のかたと打ち合わせの為でかけたり、3月1日に山形県と宮城県に聳える“船形山(御所山)”で、遭難が発生、山形県側地元の遭難救援隊副隊長という立場上から万が一に備え関係者と連絡をとりながらスタンバイしたり、あっという間に自宅勤務が終わってしまった。(お陰様で遭難は2日後無事終息いたしました。)
今日は明日からの登山に備え、食料の買出し、装備の準備、情報収集、クルマの掃除と散髪やらと慌しい一日となった。
いつもの事ながら、四日の間に少しずつ準備を進めればよいのにと反省しきり。


東北マウンテンガイドネットワーク

2010年03月08日 | 日記・エッセイ・コラム

3月2日
文字通り、紆余曲折を経て設立した、「東北マウンテンガイドネットワーク」。
その総会準備の役員会が夜遅くまで開かれ、あらためていろいろな方々から支えられてきたことを実感した。

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会も、間もなく一年が過ぎようとしている、お陰様で外部からの仕事依頼や入会問い合わせなど少しずつ認知いただき、準会員1名がガイド試験に合格、新年度から正会員として登録とみなさまのお陰様で無事過ごす事ができ、御礼申し上げます。

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また、当会のブログも会員からの情報が途切れることなく続き、内容も少しずつではありますが充実してきましたので、時々立ち寄っていただければ幸いです。

今後ともご愛顧お願いいたします。



春 ・・・巣立ち 「山ヤのポリシー・・・!」

2010年03月08日 | 日記・エッセイ・コラム

3月1日
2月最終週は天気に合わせるような行動ばかり、予定は予定、実際のガイド業は参加者の意向も組みながら、天気やレベルに合わせた現場主義で行動や撤退=“アドリブなガイド”でよかったとあらためて感じた一週間でした。

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そのお陰なのでしょう、予定より早く行動を終えるこができ、長男の高校卒業式に間に会うことができた。


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式典の最中、体育館に住みついていているという“チョウゲンボウ”という猛禽類の鳴き声が響きわたりのどかな卒業式が挙行、最後のホームルームでは担任の先生から白居易のツバメの詩を紹介いただき、“巣立ち”の春をしみじみとかみした。
教室で担任から一人一人に卒業証書が手渡され一人一人がスピーチを披露、なかでも印象深かった一言は、山岳部に所属している男子生徒のスピーチ
「“山ヤのポリシー”は生きて帰ること、生きていればいつかみんなと、再会できます・・・!」 そのことを忘れないでいつまでも山を続けてほしい。と自分自身にも知らぬ間に言い聞かせていた。
天気のお陰で“アドリブなガイド”ができ、よい時間を過ごす事ができ、感謝、そしてありがとう。
まだまだ、春とは名ばかり山は雪山の様子、“現場主義=アドリブなガイド”を忘れないでいこうと思う。
ブログのデザインも春らしく換えてみました。



アドリブなガイド 岩手の山 八幡平・原太ヶ岳へ

2010年03月01日 | スキー登山

2月28日
早池峰が日帰りで終わったので、OPで八幡平・源太ヶ岳を下倉スキー場から登ることになった。

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天気予報は悪くはないがなんとなく雲行きが怪しい。

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中倉岳に着く頃には岩手山の頂上が変な雲に覆われ、急に風も吹きはじめ、周囲が暗くなり、雪が舞いはじめたので源太ヶ岳はあきらめ早々に下山。

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下山したら青空に岩手山が浮かんでいた、たまにはこんなときもある。


アドリブなガイド 今度は岩手の山 スキーで早池峰へ

2010年03月01日 | スキー登山

2月26日 

昨日までの春山が一転、
朝から雨、止みそうにないのでギブアップして、麓の“道の駅”で停滞。

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27日の好天を期待して、日帰りで早池峰山を目指すことになった。

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いつも、冬の早池峰山はうすゆき山荘という避難小屋に泊まり、1泊2日で頂上を往復、帰りはヘッドランプのを明かりを頼りに林道を歩いている。

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今回は、アプローチをスキーで移動、ついでに高度も稼ごうと計画。

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26日は1900mの頂上まで雨だったようで、ツアーブーツでもアイゼンをきかせて快適に登れると思っていた雪がくさり時間がかかり11時間半の行動時間となったが、久しぶりに楽しい山登りができた。

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下山はスキーのお陰で登りに3時間以上かかった林道もわずか40分。

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