山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

気なる景色 北限のブナ

2009年02月17日 | 日記・エッセイ・コラム

車で北海道・ニセコへ向うたびに気になる看板がある。

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東北の山々では見慣れているブナの木の北限ってこんなところ?函館から車で

100キロほど走った内浦湾=噴火湾から内陸に入った小さな町黒松内町が北限になっているらしい。標高はわずか50mを越えた地点に、二次林なのか、細いブナと樺の木が仲良く共生、こんな場面は東北では余り見かけない。

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確かに、ブナの木肌。

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もう一つ気なる風景。森林限界が東北よりもさらに低いからなのか、噴火湾越しに聳える1131mの駒ケ岳。標高を知らなければ鳥海山より高い山のような錯覚さえ感じる、堂々とした山容の驚かされる。

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来年の冬は手稲で出会った“雪崩仲間”をたずねて三段山へ出かけてみようか。


 


低気圧と暖気に翻弄されて

2009年02月17日 | スキー登山

2月15日

今冬二度目のニセコへ。あいにくの荒天、おまけに春一番が吹く中、期待したパウダーには出会えなかったが、何とかチセヌプリの斜面を滑ってきた。

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こんな天気でも、的確な行動判断ができたのもニセコローカルルールと雪崩情報のお陰かなと!あらためて、感謝した。

翌日16日の雪崩情報には

『・・・儀式のようなピットチェックで安易にリスクをはかるのは危険。・・』

昨日、私の斜面での弱層テストを見ていたのですかと問いかけたくなるような表現に・・・!にますます、ビックリ。昨日は、シャベルコンプレッションテスト20回で変化があり、やや安定。情報の通りの雪質と雪の吹きだまり方でした。

再び冬型が強まりそうな気圧配置に雪を期待していたが、北海道での活動は時間切れに、帰路は、秋田・森吉山に寄ってから帰ろう。




月山・雪崩事故防止講習会

2009年02月17日 | 公益社団法人 日本山岳ガイド協会

2月10日~11日

月山・弓張平で恒例となった、雪崩事故防止講習会が開かれた。

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昨年辺りから、参加者も増え、定着したと思えるようになった。今年は暖かい日和のなかではじまった。

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実技講習では、シャベルワーク=要救助者の掘り出し方などやリーダーやガイドの方々の立場を意識した設定や広大な雪原を思い切って使ったセルフレスキュートレーニング。

各専門家からは昨年3月の源太ヶ岳雪崩事故の情報やこの一年間で進化した新しい情報などが加えられ、講義が行なわれた。

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毎年少しずつ実技や講義が変化、また、いろいろな立場の方々の参加や関わりが増えるようになった、2日間の雪崩事故防止講習会だった。来年の講習会に向けドクターKはもう動き出している。

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雪崩巡業

2009年02月10日 | 日記・エッセイ・コラム

2月10日

今日から、月山で雪崩事故防止講習会が始まる。昨年、一昨年と北海f道のガイド仲間、そして雪崩仲間、H氏と二人で 『雪崩巡業』と称し
各地で雪崩事故防止講習会に呼ばれ巡った。
その彼は、今年から巡業先を南極にまで広げてしまった、第50次南極観測隊員として極地の雪氷と対峙している。
2シーズン、何を見て、観て、診てくるのか楽しみでもあり、不安でもある。いつまでもこの写真のような景色を楽しめる地球であって欲しい。
私は先月の北海道にはじまり、山形、今年も雪崩巡業が続く。

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遭難救助訓練

2009年02月08日 | 公益社団法人 日本山岳ガイド協会

2月8日

今日は、地元の山岳遭難救助訓練へ参加。
一日というより、半日で何ができるのだろう?自問自答、矛盾を感じながらも、数えて8年近く参加している。

お陰さまで、私たちの『多くの方に山岳遭難に対する危機意識・救命の連鎖への関心を高めて欲しい』という意図が伝わり行政、消防、警察と地元山岳関係者、消防団と多岐にわたる50名を越す参加者となった。他に類を見ない規模の訓練になってきたことはうれしい限りだ。

一年に一度の開催ではあるが、知らぬ間に横の繋がり、顔の見える山岳遭難救助隊が形づくられてきた感じがする。
前半は、地元、Kドクターによる低体温症、AED、CPAと救命の連鎖の大切さを話していただく。毎年、感銘を受ける。

ガイドAは雪崩事故対策の現状についての講義とビーコンの電波特性の実技指導を。
後半は、遭難現場での応急処置、ヘリ救助の際の注意点、急斜面の搬送などを手短に行なった。入浴剤を使用したマーキングなどは興味深った。

一年に一度の訓練ではあるが、積み重ねの大切さ、意見を聞いていただける大切な場に感謝した、一日だった。

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ハイグレード山スキー会

2009年02月08日 | スキー登山

2月7日

今回は、近くの黒伏山を滑りに出かけてみた。
1月にスノーシューで出かけたときに渡渉に時間がかかったので、
今日は渡渉用にと2mほどの板を2枚背負って駐車場を出た。

予想通り、雪解けが進み沢が顔を出していたので、2枚の板をうまくつないで

渡渉する。

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気持ちのいいカラマツの林を抜けると、見上げるように黒伏山が迫る、『急峻なこの山のどこに快適な斜面があるのだろう』と、皆さん登りなが期待と不安を抱きながらも高度を稼ぐ。

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樹間からは、きれいな三角錐のピーク“白森山”を望むことができた。雪洞に泊まりながら、あの斜面を楽しむのもいいな・・!とガイドAは一人次回のプランを・・・。

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スノーシューのラインとは違い、傾斜のゆるい東向きの尾根を辿り頂上へ。

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頂上からは御所山、沢渡黒伏山、柴倉山と東根市内の名峰を見渡しながら、早めの昼食をとり滑りの準備へ!

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滑り出しはウィンドパックされた雪に悪戦苦闘しながら、ブナ林へと滑りこむ。頂上から標高差で70mほど下ったところに広がるブナの原生林は、林間が広くとても気持ちが良い、時々あがるスプレーに感激しながら、木々のリズムにあわせたツリーランが楽しめた。

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ブナの林を抜け、スキー場を眼下に眺める急な沢筋へ一気に滑り込む。

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高度も下がり、斜度もゆるくなった広い斜面を思い思いに、皆快適に滑った。

山スキーの楽しさは、整備されたスキー場では味わえない不規則なリズムにあるなとようやく感じるようになった。

木々や斜面ごとに微妙に変化する雪質をうまく足裏でキャッチしながら、逆らわずに滑ればOK。

転んでも、ゆっくりでも、、うまい?、下手?、皆に迷惑をかけた?自分のシュプールに満足な人!!、不満な人??

『そんなの関係な~い!!』 ガイドが一緒なんだからお任せを!! 

それより、『滑るんだ!!!』という意気込みではなく、『滑らしてくだ~さい!』と軽~く、念じたほうがリラックスして、やさしく滑れるような気がする。

ここはゲレンデではない、自然、山!

往復6時間 変化に富んだ雪と斜面を楽しめた山スキー日和だった!

次回の ハイグレード山スキー会は 3月1日を予定。

 

注意:このコースは雪崩のリスクが大変高いコースです。入山される方は

充分、雪崩事故防止に対する知識、経験を積まれた上で入山してください。

もちろん、事前の気象情報の入手と判断。またビーコン・ゾンデ・スコップは必携の上、使い方も熟知してから楽しんでください。

 

 




蔵王・刈田岳へ

2009年02月06日 | 雪の山

2月5日

久しぶりに、蔵王樹氷鑑賞ツアーへ出かけた。
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午後から荒れ模様と聞いていたので、ヒコーキ雲を気にしながらスノーシューハイキングとなった。

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今年は北ほど暖冬とのこと、本来、2月の蔵王は寒さと強風の中をコンパスと地図を頼りに登ることが多いコース、でも厳しい冬であればあるほど樹氷は大きくなりモンスターへと変身する。今年のモンスターは迫力に欠けるな、樹氷に青空は似合わない。

Dc020618ところが、予報がはずれ、終日抜けるような青空の山日和。
のんびり樹氷や雪に残された風紋に冬の蔵王の厳しさに思いをめぐらせ帰ってきた。

蔵王・ライザスキー場では、

T氏ご夫妻と久しぶりにお会いしたり、スキーロッジでコーヒーブレイクを楽しんだりしながら、山日和を皆さん満喫したようだ。

ガイドは、3月に関西から樹氷ハイキングに見えるまで、寒波があと数回いや一回でもきて欲しいなと内心ヒヤヒヤ。

7日は、スキーツアーへ。

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帰ってきました!!

2009年02月04日 | 公益社団法人 日本山岳ガイド協会

2月4日

2日夜は、北海道の雪崩仲間と情報交換、物事を動かす横の繋がりを大事にしたいという、N氏の気持ちに心動かされた北海道最後の夜を過ごした。

帰りは青函フェリーで青森へ。乗船直前に、コンビニへ北海道のコンビニといえば、道民から愛されているセイコーマート。ボリューム満点、北海道のかうまい物ばかりが目についた。
今回は、大きな手作りおにぎりやエビチリ丼を楽しんでみました。

久しぶりに帰り、メールの返事や明日の準備、ブログUPと時間があっという間に!

明日は天気もよさそう、リクエスト登山、樹氷鑑賞スノーシューツアーへ!!

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やっと、解放。

2009年02月01日 | 公益社団法人 日本山岳ガイド協会

2月1日
ニセコ チセヌプリスキー場滞在最終日、今日も朝から強風でリフトは運休。風にめげずに午前中吹雪の中、雪崩対策セルフレスキュートレーニングを5回続けた!なんとか精度もあがり ニセコチセヌプリスキー場滞在を終える。
明日は、北海道雪崩事故災害調査チームの方々との情報交換を予定。

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