山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

映画「点の記」でにぎわう! 剣岳へ

2009年09月16日 | 北・南・中央アルプス

9月11日~15日の予定で早月尾根から剣岳・北方稜線を攀り雲切新道・水平道を通り欅平まで歩いてみました。

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今年の剣岳は、映画「点の記」ブームに
沸き別山・早月尾根とも早朝から本峰へ向かう登山者でにぎわっていました。

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12日 馬場島から早月小屋へ。
電話で予約をお願いしたところ「満員です、来ないでください。」

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思案の末、怒られるのを覚悟で雨の中黙々と小屋をめざし、何とか寝床を確保していただきました、感謝。

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Ca7owe0z_2 13日 雨 停 滞。 
北方稜線を予定していましたが、高気圧の勢力が弱く、低気圧の動きも鈍く、未明からの屋根を打つ雨音でトーンダウン。寒気も加わり気温も上がらず、外の寒暖計は3度、富士山はじめ各地から初冠雪のニュースが入りはじめ、御前小屋でも“みぞれ”、剣も頂上付近は雪模様、小屋のご主人の勧めもあり、早々に停滞と判断しました。

14日 無 風 快 晴 北方稜線。
4時に小屋を出発、頂上に7時過ぎ到着。本峰は、すでに多くの登山者でにぎわっていました。
「北方稜線・一般登山者禁止」という小さな道標に気を引き締め、8時ころに出発、長次郎のコル、池ノ谷乗越から池ノ谷ガリーを下り、三ノ窓、小窓、小窓雪渓、鉱山道と越え、池ノ平小屋でザイルを解き、仙人池ヒュッテに着いたのが午後3時過ぎでした。
池ノ谷ガリーや小窓雪渓へのくだりに時間を要した割には、順調にコースを歩くことができたようです。すばらしい快晴のもと、静かで壮大なスケールの北方稜線・裏剣を充分楽しむことができました。(出会った登山者は一人だけでした。)
この日は、仙人池ヒュッテ・宿泊者4名、スタッフ4名。ヒノキ風呂で汗を流し、真心のこもった“かあちゃん”の手料理に、何度ごはん茶碗を差し出したことでしょう。Caj37tag このコースでどこが大変かと問われれば、北方稜線を終えホッとして気を抜きそうになる鉱山道が結構危険な感じでした。通過される方はご注意ください。

15日 仙人ヒュッテから欅平 山形へ
天気予報では、今日から天気は下り坂のようです。1日しか持たなかった好天に感謝?一日と持たない天気を・・・?
3時起床、すでに土砂降りの雨、少し雨足が弱まるのを待って、4時30分出発、ヘッドランプの光りを頼りに仙人温泉へ、半分以上フィックスロープべた張りの雲切新道を急下降、毎夏“夏山相談所”で同席させていただいている阿曽原温泉小屋の佐々木泉さんを尋ね(不在でした)、長~い水平道を歩き、欅平へ着いたのが午後3時過ぎ、車のある魚津までトロッコ列車と富山地鉄を乗り継ぎ、自宅に戻ったのが翌16日午前4時。富山弁にホッと、お世話になった富山の山人に感謝しながら、久しぶりの24時間行動となりました。何度来ても、剣のスケールにかなう山はないな~。

“剣はでかいが!”

実行動:3日(約29時間)+(停滞1日) 参加された方お疲れ様でした。

“ だ ら な ガ イ ド ” でありました!!

この度、お世話になった山小屋です、アドバイスありがとうございました。

*馬場島山荘

*早月小屋 
http://www.net3-tv.net/~hayatsuki/

*池ノ平小屋
http://www18.ocn.ne.jp/~wow046/index.htm

*仙人池ヒュッテ
http://homepage2.nifty.com/U-chicago/

*阿曽原温泉小屋
http://azohara.niikawa.com/


槍ヶ岳から前穂高岳へ

2009年09月05日 | 北・南・中央アルプス

8月25日~31日
お盆明け、唐松岳・五竜岳、槍・穂縦走へと出かけていました。

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8月25日に平湯へ移動、ゲストの方と翌日上高地で合流し槍ヶ岳へと向かいました、低温注意報が出ている長野県さすがに肌寒かったです。

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今回は、早月尾根から剣岳を目指す方たちのトレーニング山行も兼ねての槍・穂縦走です。あいにく、今回も晴れたのは初日だけでした。

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4日間ほとんど展望もないまま雲沸く稜線をひたすら登り下り。

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最終日、重太郎新道を下り河童橋を渡る頃ようやく吊尾根が顔を出してくれました。

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さすがの雨も根負け??!今夏、はじめて雨にあわずに歩けくことができたのですが、すでに暦は8月最終週でした。
稜線ではチングルマ、ウラシマツツジの葉が赤く色づき秋色へと変わっていました。


後立山 五竜岳 

2009年09月05日 | 北・南・中央アルプス

久しぶりに、自宅に戻ってきました。

お盆明け 8月21日~23日の予定で 唐松岳から五竜岳へ縦走に出かけてきました。きれいなタムラソウが咲いていいるのが印象的でした。

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お盆が過ぎれば“暑い夏”淡い期待を寄せてはいました、21日は相変わらずの雨模様いつまで続くのでしょうか、雨との根競べ。

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22日はようやく天気が回復。

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でも土曜日、松川村村民登山などが重なり、五竜岳小屋の入り口には『本日、布団1枚に2~3人です・・・』という張り紙。五竜岳を往復一休み後、早速ヘッドランプを確認して、遠見尾根を下山。

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天気が良いと山小屋はこの混み様、今夏静かな山小屋生活に慣れてしまった者には過酷な混雑です。