山岳ガイド 眞さんの山がいど日記

山岳ガイドが出あった自然、感動、日々の様子など綴ってみました。このブログで、のんびり"ねまらっしゃい"!

後立山踏破章 総集編

2011年08月31日 | 北・南・中央アルプス

8月24日~29日
南下・北上を繰り返す、秋雨前線の横たわる長野県へ。
3年前は槍・穂縦走、剣岳登山、昨年は爺ヶ岳から白馬鑓温泉まで後立山縦走。一緒に歩いてきた関西のみなさまと今年は白馬鑓温泉から白馬三山、雪倉岳、朝日岳、蓮華温泉までを歩く予定です。『後立山踏破章 総集編』というタイトルを企画いただいたガイド事務所につけていただき、

昨年もお世話になった、白馬村の温泉民宿あさひやに集合です。
http://homepage3.nifty.com/asahiya-hakuba/

8月25日 猿倉~白馬鑓温泉
相変わらず、前線がうろうろとしています。長期予報では天気は回復に向かう予報がでているので、一安心です。「数週間ぶりに白馬の稜線が見える」と宿の方がおっしゃっていましたが、数時間後には雨が降り出してきました。

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雨の中を歩くのは辛いので、宿のご好意で4時半朝食にしていただき早立ちをさせていただきました。おかげさまで、本降りになる前の午前11時ころ、白馬鑓温泉に到着です。

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8月26日 白馬鑓温泉~天狗山荘 *白馬山荘断念
夜半から、土砂降りの雨が続きました、前線が通過中なのでしょう。
朝食後、小屋の方に白馬山荘の天候を教えていただく、風も弱く、霧雨とのこと。前線通過をもう少し待とうか?あまり待ちすぎてしまうと行動時間に制約が出る?迷いますツ??

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雨が小止みになったころに雨具、スパッツ、ザックカバーをつけ濡れ対策をしっかりとして歩き出します。岩場、クサリ場を越え、3時間歩き稜線に出たとたん、風雨が強くなる
ゆっくりでも休まずに白馬山荘に向かって歩き出せば大丈夫かな~と・・・?

しばらく白馬鑓温泉方面へ歩き出しますが、「止めツ!」と自分に言い聞かせるように大きな声を出してクルリとU ターンです。  村営・天狗山荘をめざします。

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ますます、強まる風雨のなか長い長い小屋までの40分でした。今日は10時30分で行動終了。小屋に着く頃には全員ずぶぬれ、小屋のスタッフの方がすぐに乾燥室に火を入れていただき濡れた衣類、雨具、ザック、靴と全てを乾かすことができました。

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午後は、“本日のケーキとコーヒーセット500円”の文字に惹かれ笑顔でお茶会となりました。(実は、風雨から開放され安堵の笑顔だったのでは?)

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夕方には、雨も止み夕日に染まる剣の山並みに小屋のスタッフの方も外に出てきて「超久しぶりです!」と感激してました。

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『後数時間早く、雨が収まっいたら・・・。』『もう少しゆっくり出発していたら・・・。』と思うのはガイドだけでしょうか。

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8月27日 天狗山荘 ~ 白馬山荘
昨日の雨のため予定半ばで天狗山荘に泊まったので、朝日岳は断念です。朝日小屋の清水ゆかりさんと丸さんを偲ぶことができなく残念でしたが、仕方がありません。

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今日から小屋めぐりの山旅に変更となりました。

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快晴のなか白馬三山をのんびりと歩き

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秋を感じさせるような空を楽しんだり、

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11時過ぎには白馬山荘に到着です。

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スカイレストランで、またまたお茶会、お酒会となりました。

8月28日 白馬山荘 ~ 蓮華温泉
今日は、今回の縦走中一番長く歩く予定です。

 

とはいっても

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6時間の行程です。

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朝6時過ぎに出ても、

彼方に見える朝日岳、雪倉岳を眺めても

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「午後2時過ぎの入山は・・・・ご遠慮ください。」と言い切る看板に感心しても、

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白馬お池で40分昼食時間をとっても、

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オオシラビソの実に見入っても、

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13時過ぎには蓮華温泉についてしまいました。
今日は、山旅の疲れを秘湯や野趣溢れる露天風呂で癒して・・・

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8月29日 蓮華温泉 ~ 大糸線平岩駅
“いいことは、おかげさま、わるいことは身から出たさび”

とどなたかの名言が頭に浮かんできました。

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思うように進めなかった長期山行、小屋めぐりのような山旅となってしまい、いろいろとご不満もあったのでないでしょうか。わたくしも激しい雨を見ては何度「中止しませんか?」と口に出しかけたことでしょう。7月下旬から天候不順が続いている今年の夏5日間歩けたことに、無事に下山できたことに
“おかげさま”と感謝しながら、みなさんとお別れいたしました。

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石井スポーツグループ 東北復興応援プロジェクト

2011年08月22日 | 公益社団法人 日本山岳ガイド協会

この度、東北マウンテンガイドネットワーク会員の「東北に元気を取り戻したい!」山仲間の絆を通じて、東北の山の魅力を伝え一人でも多くの方に東北へ訪れていただけるようにという私たちの願いが伝わり、㈱ICI石井スポーツグループ様のご理解とご協力をいただき、このようなプロジェクトが実現いたしました。

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 東北の魅力を伝える 絆・希望 プロジェクト
  『東北の山さ 来ねか!』
~ 東北に生きる山岳ガイドからのメッセージ~

主   催:㈱ICI石井スポーツグループ

共   催:東北マウンテンガイドネットワーク

旅行主催:コープトラベルいわて

後   援:社団法人 日本山岳ガイド協会

協   力:東北山岳写真家集団

       東北山岳ガイド協会

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私たちは、社)日本山岳ガイド協会の

「災害人道医療支援会(HuMA)支援事業」を通じて宮城県・

南三陸町で災害医療活動を支える役割をいただき、3月19日から5月25日の間交代で支援活動を行ってまいりました。

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そこで、見、聞き、感じたことは生涯忘れることはできません。

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私たち山岳ガイドは、みなさまと山に登ること、いつもと変わらぬ姿で登ることで、東北を元気にできることだと、南三陸町での支援活動を、被災されているみなさまの姿を通じて、教えていただきました。

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東北に、“春を!”“元気を!”ください。

詳しい内容は、ICI石井スポーツウェブサイトをご覧ください。

http://www.ici-sports.com/



甲斐駒ヶ岳・仙丈ケ岳・木曽駒ケ岳の予定でしたが・・・

2011年08月22日 | 日記・エッセイ・コラム

8月18日~21日
南アルプス・甲斐駒ケ岳・仙丈ケ岳、そして中央アルプス木曽駒ヶ岳の予定で出かけましたが、後を追いかけるように、秋雨前線が南下、新潟県へ抜ける飯豊の山中を走る国道113号線は、クルマが流されるのではないかと思うくらいの豪雨。

お客様も何か不安な様子、入山を1日ずらして
19日に長野県伊那市戸台口まで出かけ、バス代を払い、
乗車15分前になって、あまりの雨の激しさにあっさりと中止を決定。

お客様の顔も中止となった途端、明るくなる。
“大学山岳部の合宿でもないので、
無理な登山をしなくてもいいよね!”

今年は、雨に翻弄されるシーズンのようです。
とにかく ◎ とします。


飯豊縦走

2011年08月22日 | 日記・エッセイ・コラム

8月8日~11日
今回は、飯豊連峰縦走です。
2回天候悪化で中止、1回はお客様の都合で中止と
続きました。
久しぶりの仕事です。


今回は、暑い、涼しい、そして最終日は
雨と3日山に入ればいろいろなことがあります。

ダイクラ尾根では、同じ飯豊山避難小屋で一緒だった、
ご夫婦の奥様が熱中症で意識を失いへりで搬送されとのこと
飯豊の山は、甘くありません。

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今度は、新潟・福島豪雨です!!

2011年08月22日 | 日記・エッセイ・コラム

7月29日から31日の予定で飯豊山の仕事。
前日の28日から雨が強まり、山形新幹線が運休。
当日の朝、ニュースに飛び込む信濃川や阿賀野川の濁流に
目が点となる。
地元の民宿の親父さんに電話、“今日は無理だヨ!”
今まで少々強い雨でも“飯豊の山は水が引くのが早いから”と言っていた親父さん。

ツアー開始2時間前に旅行社へ電話を入れ、
“登山できる状態ではありませんが・・・。”
検討の結果、中止となる。

その日の、ニュースでは新潟・福島豪雨で被害が拡大、
多くの方が避難。

翌日、旅行社から1枚のFAXが届く
『good job!早目の連絡で事なきを得たようです!』

いろいろなことが頭をよぎった、一日でした。
正直、2本続けて仕事が無くなるのは痛い!
いや、いや 安全第一ですね!

次回の仕事に期待をしましょう!

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