三椏の花を背にして登りけり
季語:三椏の花(春)
ジンチョウゲ科の落葉低木の花で、中国原産。高さは二メートルぐらい。
葉の出る前に黄色い花が三叉に別れた枝の先にびっしりと咲く。樹皮は和紙の原料として用いられる。
※俳句歳時記/角川学芸出版
3月中旬、伊勢原大山参りの途中で、三椏の花の咲いている場所を通った。
阿夫利神社下社までだったけれど、何十年ぶりかの山登りで、疲れて果てた頃に、その黄色い無数の花に出合った。
傍で写真を撮っていた人に「三椏は和紙の原料になるので、この辺りには多く植えられている」と教わった。
柔らかい黄色の三椏の花は、私にまた登り続ける力を与えてくれた…背を押してくれた…ように思えた。