新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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新型耐性菌NDM-1の日本国内発生にあたってメッセージ(JAMSNET HPで呼びかけ)

2010-09-09 10:09:44 | 皆さまへ呼びかけ
NDM-1、新型耐性菌 日本で検出騒動で、インドから帰国される邦人の皆さんが(2003年SARS当時の中国から帰国者のように)まったく不合理な目にあわないように・・・とあちこちでつぶやいていたところ、JAMSNET(Japanese Medical Support Network)からご厚意いただき、同HPにメッセージ掲載いただきました。

海外在留邦人の健康をサポートするボランティア、こういう問題には感受性鋭いですね。
http://jamsnettokyo.web.fc2.com/index.html

以下、コピペ
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Doticon_red_Attention.png新型耐性菌NDM-1の日本国内発生にあたってメッセージ

9月7日、日本の新聞各紙一面を「新型耐性菌NDM-1」の大見出しが飾りました。これから第二例、第三例と報道が続くにつれ日本国内でも大きな関心がさらに盛り上がってゆくことでしょう。

さて、ここで懸念されることがひとつあります。
この大見出しには「インド」という地名が含まれています。2003年のSARS流行の風景が思い出されます。あのとき、「中国」という地名を大きく含んだ報道が続くにつれ、その地から一時帰国した在留邦人の方々に、大変不合理なことが発生しました。不安な中、ようやく祖国の土を踏んだとき、周囲の人々の対応は「親類の葬儀に出席することを拒否された」「日本の学校に転校しようとしたら受け入れ拒否された」「病院の受診を拒否された」「学校でSARS君と言われた」「石を投げられた」等々というものでした。北京にあって、体験者からそれを聞いて忸怩たる思いにとらわれたものです。
 いま、あの当時の「中国」を「インド」に置き換えたようなことを発生させてはならない。成長著しいインドで頑張り、瀬戸際の日本経済を支えてくれている人々にそのような思いをさせてはならないと思います。

われわれひとりひとりが、心の中で確認すべきことは以下です。
NDM-1がインドの街中にあふれているわけじゃない。
ニューデリー空港にふわふわ漂っているわけじゃない。
インド中の人々がもっているわけじゃない。
カレー粉に混ざってるわけじゃない。

人が人を批難・差別・噂するとき、それは「他者」を批難して自分の不安を和らげるという心理的メカニズムであることがあります。だから、もし自分が誰かの後ろ指を指したいような気持になったら、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。不安なのは自分自身なのじゃないかと。

勝田吉彰(近畿医療福祉大学教授、元在中華人民共和国日本国大使館参事官兼医務官)                 

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