新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

照会・お便りetcはこちらへどうぞ
opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

大統領よ、真っ先にTVカメラの前でワクチン打つべきだ!(米NY大)

2009-10-01 10:46:51 | 政策提言/政策への疑問

米国オバマ大統領、「私は一般庶民と同じ列に並んで新型インフルワクチンを打つつもりだ(特権をふりかざすつもりはない)。優先順位の高い人がちゃんと早く打てるように」と演説しています。

しかし、こういうジェスチャーは有害だ!とNY大社会学の教授が噛み付いています。なかなか面白い論旨なので紹介。

  • NY大社会学Klinenberg教授。
  • オバマ大統領は、特権を使わずに一般人と同じ列に並んで打つと言っているが、このパフォーマンスは害の方が多い。
  • 今やらねばならないのは、米国民がワクチンを打つよう強いメッセージを出すことである。強いメッセージでパニック起こすのではというのは問題ではない。それよりも、米国民がH1N1のリスクやワクチンを打つに値するものか疑いの念を持たせないようにすることの方が火急である。
  • 新型インフルにより、すでに3200名の犠牲者が世界で発生しており、疑いなく危険な病気であり、秋からの流行が懸念される。
  • ピッチバーグ大の調査によれば、米国人の4分の3は”家族や友人が新型インフルに感染することは無い”と考えており、また、ミシガン大の調査では、子供にワクチン受けさせると考えている親は40%しかいない。 今、やらねばならないのは、十分多くの人々にワクチン接種を受けさせて次のパンデミック波を防ぐことなのだ。
  • オバマ大統領は、(米国民がワクチン打つ気になるよう)強いメッセージを発するべきである。彼と家族がやるべきことは、行列をすっ飛ばし、真っ先にワクチン接種を受けることである。それもTVカメラの前で。それが、ワクチン接種な誰にとっても重要で害が無いというメッセージになる。
  • 1976年、当時のフォード大統領と家族は、(当時の)豚インフルキャンペーンの中で、TVカメラの前で家族ともども真っ先にワクチン接種を受けた。その年はさほど広がらなかったが(副作用問題を言いつのる人もあったが)4200万人の米国人がわずか数週間でワクチン接種を終えるという効果があった。
  • いまや、同様のリーダーシップが必要だ。公衆衛生に必要なのは、ファーストファミリーが真っ先に接種を受けることなのだ。

社会学者がしっかりした発言をするのは好感ですね。

さしあたり日本なら、ワクチン接種開始初日には、厚労省も休戦日にして、TVカメラの前で長妻大臣の腕に上田局長が微笑みながら注射を・・・なんて如何でしょうか。司会のみのもんたも一緒に!

ソースは9月29日付ウォールストリートジャーナル↓
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704471504574443113986261186.html

How the First Family Can Lead on Swine Flu

The president would set a good example by getting vaccinated on TV.

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本製ワクチンは妊婦用だけ... | トップ | 感染研報告書 »
最新の画像もっと見る

政策提言/政策への疑問」カテゴリの最新記事