欧米で麻疹が大流行してる!と日本の一般報道にも載りだしましたが、実際のところの現状はどうなってるのか。WHO、ProMed、Forbesから
- (欧州の件)WHO欧州管内で感染者数は今年にはいってもう既に41000人、これは2016年1年間で 5273例⇒2017年 同23927例に比べ爆発的増加。今年の死亡例もすでに37例。2016年に記録的に低下したあと、跳ね上がっているのが現状。7カ国(France, Georgia, Greece, Italy, the Russian Federation, Serbia and Ukraine)ではそれぞれ1000例以上。管内53か国中43カ国で麻疹の、42カ国で風疹。
- 不適切なサーベイランスとワクチン接種率が低いことも一因。国によっては12カ月以上にわたって発生が続いている国もあり、ステータスはendemicに逆戻り。ワクチン接種うけていない人は、どこにいても感染可能性。
- あらゆる年齢層についてワクチン2回接種、接種率95%以上が必要。欧州では2016年の88%から2017年90%にあがったが、地域によって不均一であり、95%以上達成のところもあれば70%以下のところもある。
- (米国の件)米国では、麻疹の大幅増は、移民のせいであると信じる人が多い。しかしながら、それは誤っている。真相は、米国人が麻疹流行地に旅行し持ち帰ってくることが増えているのが実際のところである。
- 米国におけるワクチン接種率の低下も重要。社会に感染蔓延させないために90-95%以上の接種率が必要だが、低下。
概略、ワクチン接種率が(95%に)足りないから、麻疹がここ最近になってガンガン増えてきて、交通量の増大、サーベイランス不備で現状把握が十分でないことが拍車をかけている。そして、増えてきた麻疹例をみて、移民のせいだと誤った誤解も増えている。というのが先進国共通の悩みになりつつあります。
http://www.euro.who.int/en/media-centre/sections/press-releases/2018/measles-cases-hit-record-high-in-the-european-region
Measles cases hit record high in the European Region
Why Will We See More Measles? Public Health Can Answer