九州国立博物館で開催中のゴッホ展へ行って来ました。
お昼前頃に行きましたが、平日だと言うのに展示会場内の人の多い事、
ま、阿修羅の時ほどではないけれど画家ゴッホの人気の高さを改めて感じました。
しかし、偉大な画家も模倣から始まってたのは新鮮な驚きでした。
ゴッホと言えば「ひまわり」「アルルの跳ね橋」「糸杉」などがぱっと思いつき
ますが、あいにくそれらはありませんでした。
しかし、自らの耳を切り落としたり、自殺したということもあってゴッホに対しては
狂気の画家的なイメージがありましたが、彼がどれだけ描く事に対して研究熱心だったか、
技法や色使いなど、好きな画家を模倣してみたり、美術書を読んでみたり、その頃
ヨーロッパで流行ってたジャポネズリから浮世絵にも興味を持ち構図を取り入れたり、
いろんな事を試み自分の画風を求め続けたゴッホ、描く事に対する彼の狂おしいほどの
ひたむきさがひしひしと伝わりました。
じっくり見るにはこちらにもそれなりの力が要ります。
亡くなる少し前に描いた「サン・レミ療養院の庭」のなんとも明るく幸せ感あふれる絵、
隣り合わせであった「渓谷の小道」の激しくヒステリックな感じの絵との余りの違いに
ちょっと戸惑いますが、両方の感情を併せ持ち、それが常に心の中で葛藤し続けた
人だったんではないでしょうか?
美術評論家でもないので難しい事はいえないけれど、年齢に応じて彼の画家としての
軌跡を追うような流れで、油絵だけでなくスケッチやデッサン、版画など彼の描いた
作品や習作を見て行くにつれ、ゴッホの激しい画家魂まで伝わってくるようで、
美術館でもなく博物館でこそ味わえるゴッホ展だったように思います。
また、影響を受ける人がいたり、刺激しあうライバルがいたりしてこそ人は才能を
伸ばしていく、そんな人間的ゴッホを感じたゴッホ展でもありました。
100年以上愛される絵をと望んで描き続けたゴッホの絵は、亡くなって120年経った
今も、彼が描く太陽のようにぎらぎらと輝いていました。
(写真はゴッホ展のチケットと記念に購入したゴッホ美術館のマグカップ)