逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

2017年アメリカの革命的大変革か?1917年ロシア革命から100年

2016年12月13日 | 政治
『2016年「今年の人」は次期米大統領のドナルド・トランプ』

2004年の米タイム誌が選ぶ『今年の人』は前年に『イラクのフセイン政権がアルカイダを支援して9・11事件を起こし、大量破壊兵器も所有している』との真っ赤な嘘を口実にしてイラク戦争を始めたブッシュ米大統領だった。(ブッシュは当選した2000年にも選ばれている)
2007年はロシアのプーチン大統領だった。
2008年は『チェンジ』のスローガンで第44代米大統領に当選したバラク・オバマである。2012年にもオバマが米大統領として再度選ばれている。
2013年は教皇フランシスコ。(第266代ローマ教皇)2015年はドイツ首相のアンゲラ・メルケル。
ブッシュやオバマのように過去に2回『今年の人』に選ばれたのは、1987年と1989年のゴルバチョフ、1978年と1985年の鄧小平、1971年と1972年と連続してニクソン(1972年はキッシンジャーと2人)、1940年と1949年のチャーチル、1939年と1942年のスターリン、1932年と1934年のルーズベルトと数少ない。
アメリカのタイム誌が選んでいる『今年の人』なので。『1回だけ』なら歴代の米大統領はほぼ全員が選ばれる。人選の基準は曖昧であのヒトラーさえ1938年に選ばれている。(ファシズムの暴力支配の歴史ならスペイン内戦のフランコ総統こそ選ぶべきであろう。ヒトラーの暴走はその結果に過ぎない)

『大統領就任は、来年の2017年1月20日から、』

今回のドナルド・トランプのように11月に当選したが、翌年の1月20日の大統領就任前の何の権限も資格もない一般人(一私人)時代に『時の人』に選ばれたのはゴア前副大統領と争って怪しい勝ち方をした(開票結果の不正疑惑で大騒ぎになった)ブッシュと、アメリカ市民の『チェンジ』の期待を一身に背負ったオバマだけだった、
しかもブッシュやオバマは州知事とか上院議員などの政治経験があるがトランプは選挙活動で無責任に色々喋っていただけ。何の事績も経験も無いまったくの私人なのですから、それだけドナルト・トランプが全員から良い意味でも悪い意味でも注目されている何よりもの証拠なのですが、トランプ大統領の正式な誕生は2016年では無く、2017年1月20日からであった。
早くも来年(2017年)の『今年の人』の断トツの最有力候補はドナルト・トランプでほぼ決まりである。
100年前の1917年には人類が初めて経験した未曾有の世界大戦(WWⅠ)の影響でロシアで社会主義革命が起きた。ところが、100年後の2017年には15年も続いていた(永久に終わらない)『対テロ戦争』の影響で、とうとうアメリカでもトランプ大統領が誕生し革命的な大変革が予想されているのである。



『日本版ラスプーチン佐藤優が語る! もしトランプが大統領になったら、世界はこう変わる』

100年前のロシア革命前夜と言えば怪僧ラスプーチンのロマノフ朝の暗躍(暗殺から滅亡へ)で決まりだが、今年3月に佐藤優(日本版ラスプーチン)がトランプ大統領をズバリ『権力やマスコミ総がかりのトランプ降ろしも、「時、既に遅し。」!叩けば叩くほど支持率は上がる』語っているのですから、まさに、これはロシア革命のレーニン(ボリショビキ)のような話である。
また和製ラスプーチンの佐藤優は、マスメディアが暴言だという『イスラム教徒をテロが解決するまで入国させない』についても、『冷静に考えれば、誰を国内に入れるか入れないかというのは、国の主管なんですよ。ですからこれは、違法な発言ではない』。
トランプの『違法移民を送り返す』発言も、『不法滞在者を送り返すのは違法ではない』。『法律に違反していないけれど、世の中でタブーになっている』と言い切っている。
そもそもマスメディアとは所詮はエリート(エスタブリッシュメント)。そんな彼らがトランプを叩けば叩くほど、『トランプはオレたちの代表だ』とますます求心力がつく。
(本物のラスプーチンは歴史を正しく見ていた平和主義者だったらしく『ロシアの第一次世界大戦への参戦は国を滅ぼす』と主張して、戦争したい将軍とか強硬派の皇族と激しく対立し暗殺される)

『アメリカの立ち位置が180度変わる』

元外務省分析官の佐藤優は、『要するに、既得権益を全部ひっくり返されるという話』。
『ルーズベルト大統領が真珠湾奇襲の後、第2次世界大戦に突入したのが間違いだった。ナチスが台頭していようが、日本が出てこようが、放っておけばよかった。アメリカはアメリカの繁栄だけを考えていればよかった。もっとアメリカを豊かにしよう。偉大なアメリカにしよう。アメリカ人の生活さえ良くなればいいんだ。あとは知ったことじゃない』。
『だから、意外と平和外交になる。』
だから、中国もロシアも大歓迎。
『「金持ちケンカせず」ということです。トランプビルを中国に造るといったら、習近平も「いいヤツじゃないか」となる。』
『世界秩序を全部、ひっくり返す。日本との関係も、まさに昔、鳩山由紀夫さんが言っていた「駐留なき安保」になる可能性もある。要するに、米軍が全部、退いちゃうんです。』
もしも佐藤優の半年前の大予言が当たっているとしたら、これは100年前のロシア革命以上の強烈インパクトを全世界に与えるでしょう。何しろ今までのオバマ大統領などのアメリカの政治外交とは180度逆になるのですから、まさにアメリカ革命の勃発である。


プーチン大統領(右)と談笑するティラーソン氏(2011年撮影)

『次期米国務長官候補はロシアの勲章受章者』2016 年 12 月 7 日 - WSJ

エクソンCEOのティラーソン氏はプーチン大統領に近い人物として知られる。
クリントン政権下で国防副長官を務めたジョン・ヘイムリ氏は、ティラーソン氏ほど多くの時間をプーチン氏とともにしたのは、アメリカ人では『(元国務長官の)ヘンリー・キッシンジャー氏ぐらいだろう』と指摘する。(キッシンジャーとティラーソンはともにアメリカの戦略国際問題研究所CSISの理事)
エクソンとロシアの国営石油会社ロスネフチが共同で北極海の石油事業に進出し、ロシア政府は友好勲章をティラーソン氏に授与している。
2006年にエクソンのCEOに就任した際は環境保護に関する同社の姿勢を改め、炭素税が最良の政策だとした。また気候変動は世界的な問題であり、対策をとらなければいけないともしたが、これらは前任者とは異なる姿勢であった。
要するに今の『正しい常識である』とされているので誰一人も疑わない(全員が胡散臭いと思っていても大人は常識が邪魔をして『王様は裸だ!』と誰も言い出さない)人為的CO2温暖化説に懐疑的なのである。しかし誰か一人がタブーを破って『隠された真実』(実は全員が知っている当たり前の話)言い出せば、後は嘘で塗り固めた『絶対に正しい大人の常識』の数々が総崩れになるでしょう。


アメリカでは、なぜ反インテリの風潮が強いのか。なぜキリスト教が異様に盛んなのか。なぜビジネスマンが自己啓発に熱心なのか。なぜ政治が極端な道徳主義に走るのか。そのすべての謎を解く鍵は、アメリカで変質したキリスト教が生みだした「反知性主義」にあった。(本の案内文から)

『アメリカ土着のキリスト教的「反知性主義」とトランプ現象の熱狂』

アメリカは世界最先端の科学技術を持つと共の、ダーウィンの進化論など科学的事実を頭から否定して『聖書の記述は全て真実だ』とするキリスト教原理主義が世界一蔓延っている。(今イスラム原理主義なる言葉は流行っているが本来原理主義とは『聖書がすべて』とのキリスト教の一派fundamentalism『ファンダメンタリズム』を指していた言葉)
いま世界でもっとも危険なイデオロギーの『反知性主義』とは、森本 あんり著『反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体』 (2015/2/20 新潮選書) によれば近頃の保守党政治家の品の無い右翼的言動とかテレビの低俗番組など、非知性を指す言葉ではない。それは単なるお馬鹿である。
確固とした宗教的イデオロギーである『反知性主義』とは、『知性が無い』ことを指すのではなく、既存の知性(権威)と既得権益(権力)の癒着に対して断固反対するという、アメリカ土着のキリスト教原理主義と密接に関連していた。
あのトランプ現象の熱狂と、それに対するクリントン陣営やオバマ政権、マスコミのど外れた『トランプ叩き』の不思議の一端が解明されている。
森本 あんり著『反知性主義』が正しいとすれば1979年2月に起こったイランのイスラム革命の二番煎じがアメリカでも実現したようにも読めるのですから怖ろしい。
トランプ現象は一歩間違えれば40年ほど前のイランのように、西欧化を進めていたパーレビー国王(最高権力)を追放してアヤトラ・ホメイニなどシーア派法学者たち(イスラム教の最高権威)を国政の中心に据えた反革命(復古運動)になる危険性も十分にある。ところが、アメリカの反知性主義とはハーバードに代表されている権力と一体化した『知性』を否定することから出発していた。
この森本 あんりの『反知性主義』はアメリカを見るときの参考になる大事なキーワードではあるが、根本的な勘違いとか矛盾が存在している。(半世紀前の赤狩りを反知性主義の典型的運動としているのは素晴らしい卓見だが、反知性主義自体を肯定しているのですから無茶苦茶)

『歴史は繰り返す』1917年のレーニンと2017年のトランプ

ハーバードとかケンブリッジ、オックスフォードなど欧米の最高学府(大学)は聖職者を養成する神学校として創られている。そしてトランプ現象とはハーバード大のMBA学位の権威に対する反発であり、間違いなく『反知性主義』の範疇に入るでしょう。
ただ『既存の権威や権力(それらと癒着した知性)の否定』だけではなくて、今回のトランプの場合には既存の『正しい道徳』も同時に否定していることに大きな特徴がある。
そもそも『道徳』とは宗教と不可分に結びついていて切り離せないものであり、それなら『正しい道徳』を頭から罵倒するトランプ現象とは『反・反知性主義』(非宗教的な反知性主義』)だということになる。1917年のロシア革命から100年の節目である2017年のトランプですがアメリカの革命的大変革を引き起こす可能性は高い。
安倍晋三に近い外務省キャリア官僚で総理大臣補佐官、内閣官房参与などを歴任した岡本 行夫はアメリカ大統領選投票日の1週間前に訪米して、クリントン勝利とのマスコミ報道(世論調査)と現地のアメリカ市民の大きすぎるギャップを痛感していたことを後出しジャンケンではあるがトランプ圧勝後に語っている。
アメリカの入管職員さえ『クリントンは嘘つきだ』とトランプ支持を隠さない。クリントン陣営は冷めていて動員しても人がまったく集まらない。
マスコミではクリントン支持者が何万人も集まった映像を流していたが丸っきりの詐欺(悪質な印象操作、世論誘導のプロパガンダ)である。マドンナとかビヨンセなど超有名スターが無料なのですから大勢が集まって当然であった。クリントンだけの時は数十人がやっと。対照的に熱狂的なトランプ支持層の熱さは際立っていたのである。



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