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阪神間で暮らす

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姜尚中に聞く「大義なき総選挙」で激変する政局に惑わされないために必要な視点

2017-10-19 | いろいろ

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姜尚中に聞く「大義なき総選挙」で激変する政局に惑わされないために必要な視点


安倍首相が「解散総選挙」に踏み切って以降、民進党と希望の党の「合流」、立憲民主党の立ち上げなど、短期間であまりにも多くの出来事が起こり、政治の景色は様変わりした。

めまぐるしく変化する政局に惑わされないために、有権者に必要な視点とは何か? 『アジア辺境論 これが日本の生きる道』(内田樹氏との共著・集英社新書)など多くの著書を持つ政治学者、姜尚中(カン・サンジュン)氏に聞いた――。

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政局が日々、急激に変化したため、ほとんどの人が忘れかけていますが、そもそも当初は今回の解散に「大義がない」ということが問題になっていたはずでした。

 そうですね、衆議院の解散は「首相の専権事項」であるという考え方は、戦後長く続いた自民党による事実上の単独政権の歴史の中で培われてきたわけですが、それでも、これまでは一定の歯止めとして、目に見えない「不文律」のようなものが存在していたと思います。しかし、今回の安倍首相による解散はそうした「不文律」を平気で踏みにじる、これまでに見たこともないほど強引なものでした。

「一定の歯止めとしての不文律」とは?

 日本のような議員内閣制の国では、議会の首班指名を通じて首相を選び、その首相が内閣を組織して行政を預かるので、一般的には大統領制と比較して独裁が起きにくい仕組みだと考えられています。しかし、考えてみるとアメリカの大統領ですら「議会の解散権」は与えられていない。だから今、トランプ大統領はオバマケアに変わる健康保険制度の改革案が議会の強い抵抗にあって苦しんでいるわけです。

だからこそ、それだけの「強い権力」を行使するには「大義」というか、少なくとも「合理的な理由が必要だ」というのが「不文律」として存在していた。それを今回のように無視してしまえば、議院内閣制で選ばれた首相に、ある意味、大統領以上の権力を与えてしまうということが図らずも明らかになった。これを議会の抵抗に苦戦しているトランプ大統領が見たら、きっと「羨ましい」と思うんじゃないですかね。

今年はイギリスのテリーザ・メイ首相も解散総選挙を行ないましたが。

 そのイギリスでも2011年に制定された「議会任期固定法」によって、首相による議会の解散権には「下院の3分の2以上の賛成を必要とする」という非常に高いハードルが設けられていて、議会の意思を無視する形で首相が解散権を行使することはできません。

しかし今の日本にはこのような歯止めがないので、安倍首相は今回の解散総選挙を国会どころか自民党内での議論すら経ることなく決めてしまいました。小選挙区制の導入以来、党内の権限が幹事長に集中し、首相と幹事長が結びつけば「自民党内での首相独裁」も可能な仕組みになっているからです。私は安倍首相の頭のどこかに、トルコのエルドアン大統領のような「強大な権限を独占するリーダー」を志向する意識があるように感じます。

ただ「不文律」というのは、文字通り実際に制度化されていない「目に見えない暗黙のルール」ですから、それを守る、守らないという議論自体が難しいのでは?

 そこに私は、日本の政治の著しい「劣化」を感じずにはいられません。例えば「忖度(そんたく)」という言葉――最近、加計や森友の問題で悪いイメージが定着してしまいましたが、本来、「忖度」とは「行間を読む」という意味であって、決してネガティブな意味ではありません。

ここで言う「行間を読む」とは、具体的に言葉で表されていることの「意味」や「背景」や「文脈」を理解し、本質的な意味を掴み取る力のことです。要するに「タブー」とか「不文律」というのは、当事者たちに「行間を読む力」がある、つまり「物事がわかっている」前提で成立するものなのです。

ところが、今の多くの政治家は「これは明文化されていないけど、本質はこういうことだよね」という「行間を読む力」がない。あるいは、書かれていないことなら何をやっても構わない、「行間」などは平気で無視していいと考えている。いわば、一種の「反知性主義」によって政治が乗っ取られてしまったような状況で、その結果として「首相の権力」が大統領のそれをも上回る形で「大義なき解散総選挙」として行使された。それは長年、韓国の政治における「独裁」の歴史を見てきた私にとって、眩暈(めまい)がするほどの景色ですね。


もうひとつ、今回の解散総選挙に関して気になるのは、北朝鮮情勢が緊迫する最中に行なわれていることです。

 あまり指摘している人がいなかったのですが、私は衆院選の公示日が10月10日だった点に注目していました。というのも、10月10日というのは朝鮮労働党創建記念日で、北朝鮮がミサイル発射や核実験など、なんらかの挑発行為を行なう可能性が極めて高い日だったからです。敢えてその日を公示日に選んだのは、北朝鮮の挑発行為が政権与党にとってプラスに働くとの計算があったからではないでしょうか?

普通に考えれば、北朝鮮情勢が不安定であることは、日本にとっても望ましいことであるはずがありません。しかし、北朝鮮情勢が不安定であればあるほど「とりあえず、ここは今の政権与党に任せておいたほうが無難だろう…」という心理が広がるので好都合だというのが、今回、安倍首相が解散に踏み切った理由のひとつでしょう。そして、ここでも私はある種の既視感を覚えたのです。

韓国でも「北の脅威」を政治的な追い風に利用するという手法は多いのですか?

 北朝鮮の脅威を煽(あお)ることで、タカ派の与党が得をする…。これを韓国では「北風が吹く」と表現するのですが、今回の解散総選挙の背景にも安倍政権が「北風」に期待していた可能性がある。「武力行使もひとつのオプション」とするトランプ政権の姿勢を「全面的に支持」し続けている安倍政権ですが、仮に朝鮮半島で戦争が起きれば、多くの米軍基地を国内に抱え、北朝鮮のミサイルの射程距離にある日本が深刻なリスクに直面することは避けらない。

政府がこうした現実としてのリスクに向き合うのではなく、「北朝鮮の脅威」を自らの政治目的に利用するような状況で、この国の「安全保障」に関するまともな議論ができるのか? 朝鮮労働党創建記念日であり「北の挑発行為」の確率の高い10月10日を敢えて総選挙の公示日に選んだことからも、私は安倍政権の「北風」への期待を感じずにはいられません。

この数週間で日本の政局は激しく揺れ動いています。あまりに急激な変化に、有権者の中には「何をどう考えて」この選挙に臨むべきなのか、迷っている人も多いと思います。

 すでにお話したように、今回の選挙には公費を費やしてやるほどの理由が見当たらないのですが、選挙が避けられない以上、有権者はどうしたらいいのか思案せざるをえません。そうした中、小池百合子東京都知事を代表とする希望の党が結成され、そこに民進党が合流し、そこから排除された議員たちを中心に立憲民主党が生まれました。

有権者からすれば、選択肢が増えることは意味のあることかもしれませんが、政権選択の選挙と言い難いのは、最大野党の希望の党の代表である小池氏が出馬を断念していますし、代わって誰を首班指名するのか、明らかになっていないからです。このことは、政局がらみで深読みすれば、選挙の結果、与党自民党が現有議席をかなりの数減らすことになり、結果として安倍降ろしが党内で沸き起こった場合、その流れを利用した希望の党が自民党との大連立も選択肢に置いていることを意味しています。

それは、結果として「安倍政権の終わり」に繋がるかもしれませんが、同時に希望の党と安部総裁なき自民党が限りなく同じような理念と政策を掲げる政党であることを意味する。安保と憲法改正といった、国の形の在り方を大きく左右する政策で、保守二大政党が収斂(しゅうれん)する可能性すらあり得るわけです。有権者の中には安倍首相はイヤだけど、自民党がしっかりしてほしいので、そうした保守の大連立を好ましく思う人もいるかもしれません。

それに対して、世界の流れが核廃絶や恒久平和の確立に動いているのだから、北朝鮮危機は確かに由々しいけれど、やはりもっと穏健で民主的、かつリベラルな選択肢を選びたいという有権者には、旧保守の与党や新保守の希望の党と一線を画す立憲民主党がオルタナティヴに浮上してくるでしょう。

いずれにしても、有権者は猫の目のように変わる政界地図に惑わされず、何が最も大切な価値なのか、そこのところをしっかりと弁(わきま)えて一票を投じてほしいと思います。

(取材・文/川喜田 研 撮影/松本亮太)

●姜尚中(カン・サンジュン)
1950年熊本県生まれ。東京大学名誉教授。政治学者。著書に『マックス・ウェーバーと近代』(岩波現代文庫)、『悩む力』、内田樹との共著『世界「最終」戦争論』(集英社新書)他多数。

  

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泣くなチビチリガマよ~クリスタルナハトにはさせない~

2017-10-18 | いろいろ

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第74回:泣くなチビチリガマよ~クリスタルナハトにはさせない~(三上智恵)


 9月12日の昼前、携帯が鳴った。近所に住む反戦彫刻家・金城実さんだった。いつも少し酒が入る夜にしか連絡して来ないのに、ちょっと胸騒ぎがして電話をとる。

 「チビチリガマが荒らされた。すぐ記録して欲しい」

 鏡も見ないでビデオカメラをひったくって車に飛び乗った。沖縄戦最大の悲劇「集団自決」があったその洞窟は、家から数分のところにある。72年前、沖縄戦で米軍が続々と上陸してきたのが、この読谷村と北谷町。139人が逃げ込んでいた「チビチリ」と呼ばれる自然壕では、敵兵の姿を間近に見てパニックが起きた。

 日本軍の「軍民共生共死」、「生きて虜囚の辱めを受けず」という徹底した教育と、米兵は男を八つ裂きにし、女を強姦するという脅しが浸透していたために、住民は、家族同士お互いに手をかける集団死に追い込まれた。ここ一ケ所だけで、82人の命が切り裂かれてしまった。あまりのことで、遺族も戦後長い間、語るに語れなかった壮絶な出来事だ。

 そんな場所を「荒らす」とはどういうことなのか。何のつもりなのか。私でさえ、胸の奥にある大事で壊れやすいものを土足で粉々に砕かれたような痛みを覚えた。遺族は、波平の人たちはどんな気持ちでいるだろうと思うとハンドルが重かった。

 「中まで荒らされたよ。骨のあるところ、あの奥まで」

 第一発見者である地元・読谷村波平の知花昌一さんが、チビチリの入り口に呆然と立っていた。波平の若者としてこの惨劇にがっぷり四つに向き合い、丁寧に証言を集めて、平和学習の場にするまで大変な道のりを歩んできたのが知花さんだった。間もなく遺族会会長の与那覇徳雄さんが駆け付けた。様相が一変した現場を見て、絶句していた。

 まず目に飛び込んできたのは、引き抜かれて「平和の像」に叩きつけられた歌碑。金城実さんの作詞で小室等さんが歌った「チビチリガマの歌」の歌詞が書かれていた。そして侵入を防ぐように壕の入り口に置かれていた「墓地だから入らないで下さい」という趣旨の遺族会が書いた看板は、一部の千羽鶴と共に川向こうまですごいエネルギーでぶん投げられたのか、変形していた。

 犯人は腰をかがめ、死者たちの聖域にまで入っていた。そして洞窟内の遺品・遺骨が置かれた場所、奥の一角に残されていた瓶や甕を割ったのだろう。犠牲者の歯などが散乱していた。与那覇さんは「なぜ何度も殺されなければならないのか」と唇を噛んだ。暗い中で入れ歯や歯などを踏まれたくないから元の位置に戻したかったが、現場検証までは現状を保存しなければならないから、そっと踏まないように後ずさりして出てきた。冷静に撮影したかったが、映像にはかなりの動揺が現れている。

 チビチリガマというのは、ただの戦跡とは違う。戦後、「集団死」に追い込まれた人々の絶叫を、勇気を振り絞って聞き取った知花さんや金城さんのような人々がいて、徐々に開かれていった場所である。決して過去になっていかない出来事に向き合い、歯を食いしばって自分たちの世代で引き受けることで、それでようやく嘆き狂う魂を鎮める方向が見えてきたのであった。かろうじて語れるようになり、祈れるようになり、ずいぶんたってから修学旅行生も迎えられる場所になった。平和を考える聖地になっていくことをみんなが願っていて、たくさんの折り鶴とともに浄化の道をたどる途上にあった空間である。

 それを、誰かが破った。血を吸った土から祈りの言葉は引き抜かれ、平和の像に叩きつけられた。かさぶたを取れば血が流れ出すように、封印は解かれ、本来は鎮まりようもないのに子や孫の祈りに免じて留めていた悲しみや怒りが叩き起こされてしまった。嗚咽をあげながら、再び地中の奥からマグマのように湧き上がって溢れ出して来たのを目の当たりにしたような錯覚を覚えた。とてもじゃないが受け止められない。地場の波動を受けて動揺は止まらなかった。

 沖縄が受けた衝撃は大きい。全国でも多くの人がこの蛮行を嘆きながら何故? という疑問を持て余しているだろう。誰が? 何のために充分苦しんだ犠牲者を冒涜できるのか? TBSの金平茂紀さんが、「クリスタルナハトだ」とつぶやいた。それは不謹慎だ、と私は一瞬顔をしかめた。クリスタルナハトというのは、ユダヤ人迫害がドイツ全土に拡がる契機になった1938年の暴動をさす。でも実は、なにか社会の膿のようなものが沸点を超えて雪崩のように押し寄せてくる、そのきっかけになりはしないかという恐怖を私も感じていた。動揺が収まらない理由はそこにもあった。

 10年前にはなかった「沖縄バッシング」は、今年々顕在化している。確実に増殖している。中国が怖い、北朝鮮が怖いと騒ぐ大衆は米軍という頼もしい存在にすがっていく。強い国を夢想するあまり、国防に「いちゃもん」を付ける沖縄の基地反対運動を疎むようになってきた。沖縄戦からの歴史的な告発は、勇ましく国を守った日本軍のイメージを著しく傷つける行為だとしてあからさまに憎むようになった。

 「北朝鮮の脅威が迫っているんだ。これから強い国になろうって時に、沖縄はいつまでもグダグダ言うな。お前らスパイか?」。こんな考えがネットにあふれている。これこそが戦前戦中の集団狂気の再来ではないか。強いものに巻かれたい。強い力に守られたい。その強くて頼もしいものにみんなで陶酔して不安を払しょくしたいのに、沖縄の言説はそれを邪魔する。人をしょんぼりさせる。

「日本軍は住民を守らなかった」
「軍隊の論理が集団死を強制した」
「軍隊には慰安婦制度を生み出すような闇がある」
「少なくても数百人が友軍の手で殺された」……

 沖縄という、唯一地上戦を体験した地域にいたからこそ、住民は輝かしい皇軍の進駐からそのなれの果てまで、非軍人の目でその落差を目撃し、戦争の実態を体に焼き付けた。私たちは、そこからしか証言できない大事な戦争の狂気をとことん学び取り、知らせることでしか次の悲劇を止められないと信じて報道に邁進して来たわけだが、そんな仕事は今の日本には邪魔になってきているのかもしれない。しかし、文科省が教科書から削除するよりも、大衆の「不都合な言説を圧殺する」力が暴走する段階の方がもっと恐ろしい。そんな地平にまでこの社会は急速に進んでしまったのか?

 しかし数日後、チビチリガマを荒らした犯人は地元の少年らで、理由は肝試しだという報道があった。私が心配した外部からの沖縄バッシングのようなものでなかったことに少しホッとした。しかしながら心は晴れない。もちろん、少年らに破壊行為を指示した別の存在がいないかどうかも、まだ考えないといけないと思う。そうではないとしたら、もっと深くこの島の中に沈殿したもの、澱のように溜まってきたもの、つまり、今の若年層が抱える閉塞感のようなものに目を向けなければならないのではないか。

 大人たちが目の色変えて頑張っても実らない基地反対運動への苛立ち。そこからくる無力感。反戦平和活動への冷めた目線、弱者ぶることへの拒否感。今の若い人たちは、過酷ないじめ社会の中でどうやったら標的にならないか、勝ち馬に乗る側にいられるかに、かなりのエネルギーを使っている。自分を守るためにも日本の中の嫌われ者になるのは避けたい。「反戦沖縄」という看板をしょっていては明るい未来が見えてこないじゃないか。負けてばかりの沖縄とは決別したいという願望が醸成されてきても、不思議ではないのだろう。最近、基地反対運動の話を始めると、若い人たちが瞬時に見せる冷めた態度が気になっている。平和教育はどうなっているんだ、と叫ぶ視点だけでは救い上げられない地割れが起きているのかもしれない。

 そうだとしても、残念ながら私たちは、彼らに届く新たな言葉をすぐに編み出せるわけではない。戦争体験者と遺族の苦しみを請け負った知花昌一さんたちの世代を見ていながら、その下の私たち世代が不甲斐ないから、さらに下の今の若者たちに、この島が命と引き換えに得た教訓さえ伝えきれていないのだ。その私たちにできることは、やはり先輩たちの足跡を見つめなおし、それをさらにまた引き受けていくためにジタバタしている姿を後輩たちに見せる。そんな地道なことでしかないのだとあらためて思う。

 チビチリガマの歌。あの板に書かれていた歌詞は、遺族の話を聞き、寄り添いながらともに平和の彫刻を作り上げるという時間を過ごしてきた金城実さんたちの編み出した言葉だ。歌詞というより、この場所で、戦争という惨禍に向き合うことから逃げずに生きる覚悟と祈りを文字にして置いた、そんな言霊たちなのだと思う。まずは投げ捨てられた板に書かれていたこの言葉を、私たちは噛みしめたい(訳は三上流ですので参考までに)。





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小池百合子をリセットした「排除」発言 引き出したジャーナリストが語る真相

2017-10-18 | いろいろ

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小池百合子をリセットした「排除」発言 引き出したジャーナリストが語る真相

 10月22日投開票の衆院選は、鳴り物入りで登場した希望の党のまさかの大失速により、与党の圧勝となる展開が各社の世論調査で予測されている。

 希望の命運を決めた決定的な瞬間と指摘されているのが、9月29日の会見での小池百合子東京都知事の〝排除発言〟だ。

 民進党からの合流組の一部を「排除いたします」と笑顔で言い切った姿がテレビで繰り返し報じられると、小池氏や希望の党のイメージは一気に悪化してしまった。

 小池氏自身も10月13日に出演したテレビ番組で「きつい言葉だった」と悔やんでいる。

 小池氏から「排除」発言を引き出す質問をしたのは、『検証・小池都政』(緑風出版)などの著書があるフリージャーナリストの横田一(はじめ)氏だ。

 当日のやり取りをこう振り返る。

 「いつも厳しい質問をするためか、会見で手を挙げても小池氏に指名してもらえなくなっていましたが、なぜか半年ぶりに当てられたのがあの日でした。民進党から希望への公認申請者は排除されないという前原誠司代表の話と小池氏の話が食い違っていたので、素朴な疑問をぶつけた。『排除』発言を聞いた時は、ああ、本性が出たなと。『寛容な保守』をうたいながら、なんと愚かな発言をするんだと思いました」

 経緯を詳しく振り返ってみよう。舞台となったのは、都知事の定例会見で毎週金曜日の午後に、東京都庁(新宿区)の6階にある記者会見室で行われているものだ。

 小池氏からの発表を聞いた後、記者との質疑応答が行われるが、その日は挙手した記者たちの中から横田氏が指名された。

横田氏:「フリーの横田です。前原代表が昨日、(民進党の両院議員総会で)所属議員向けに希望の党に公認申請をすれば排除されないという説明をしたんですが、一方で知事は、安保、改憲を考慮して一致しない人は公認しないと。言っていることが違うと思うんですが、前原代表を騙したんでしょうか。それとも共謀して、そういうことを言ったんでしょうか」

小池氏:「すみません。横田さん。そのご質問は、この後、ちょっと場所を転換して、お答えをさせていただいた方が良いのではないかと思いますし、独特の言語を使っておられるなと今思ったところでございます。(中略)私は今、都知事としての会見をやっているわけですから、ちょっと待ってくださいね」

 このやり取りには説明が必要だろう。

 小池氏は定例会見では都知事の立場で受け答えをするため、都民ファーストの会特別顧問や希望の党代表としての質問は受け付けないルールになっている。

 このため、会見後に非公式の取材というかたちで政党関係の質問を受けることになっている。

 定例会見と違って都のホームページでのネット中継もされず、議事録にも掲載されないという違いはあるが、同じ取材陣が同じ会見室の同じ席から質問をするため、実質は同じようなものだ。

 ともあれ、このような理由で小池氏は回答を一旦、保留。

 その数分後に非公式取材に転んじると、小池氏は待ち構えていたかのように最初に横田氏を「逆指名」した。

小池氏:「では、横田さんもう一回いきますか」

横田氏:「繰り返しになりますが、前原代表が昨日発言した『公認申請すれば排除されない』ということについて(中略)前原代表をダマしたのでしょうか。共謀して、リベラル派大量虐殺とも言われているんですが……」

 ここで小池氏が「音声入ってないの?」と質問を遮った。

 横田氏のテーブルに備え付けられたマイクが作動していなかったためだ。

 横田氏が「最初から(言いますか)?」と応じると、報道陣の複数の席からは、あからさまな笑い声が漏れた。

 横田氏の質問の表現が過激だったことや、前述の定例会見時から知事とのやり取りがかみ合っていなかったことなどもあったのか、会見室には小池氏を追及するのではなく〝空気を読まない〟質問をする横田氏を嘲笑するかのような、弛緩した空気が充満していた。

 小池氏も上機嫌で笑っていた。

 小池氏が〝運命の一言〟を放ったのは、まさにこの瞬間だった。

小池氏:「わかりました、お答えします。前原代表がどういう表現をされたか承知をいたしておりませんけれども、排除をされないということは、ございませんで、排除いたします」
 
 油断から思わず出たホンネだったのか。結果的には〝笑いごと〟では済まない発言となったのである。

 横田氏がこう振り返る。

「小池氏には、会見場は自分のフィールドだという油断があったのかもしれませんね。結果的に小池氏のホンネが早い段階でハッキリしたことで、枝野幸男氏らの立憲民主党の結党が公示前に間に合ったのは良かったのかもしれません」

 メディア戦術に長けた勝負師が見せた、一瞬の油断だった。(本誌・小泉耕平)

※週刊朝日 オンライン限定
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安倍総理退陣がなければ小池都政も終わりになる  (抄) Plus

2017-10-17 | いろいろ

ジャーナリスト田中良紹氏のヤフーニュースのコラムより

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安倍総理退陣がなければ小池都政も終わりになる

 総選挙の序盤情勢について報道各社の世論調査で自公が300議席を超す勢いである。民進党から分かれた二つの勢力のうち希望の党は伸び悩み立憲民主党は公示前を倍増させる勢いと言う。

 選挙前の経緯を振り返ればさもありなんと思うが、今回の総選挙の最大のテーマは妻と友人を守るため前代未聞の解散を行った安倍総理を続投させるかどうかにある。従って自公の数がどうなるかより自民党が単独過半数233を維持するかどうかが焦点となる。自民党が233議席を割り込めば安倍総理退陣の流れが生まれる。

 しかし自民党が233議席を上回り安倍総理退陣が実現しなければ、安倍政権打倒を掲げて希望の党を立ち上げた小池東京都知事の政治力に疑問符が付く。勝負師が勝負に敗れれば影響は都政に及ぶ。敵対する者はここぞとばかりに攻め込み、都知事としての先行きは危うい。それを分かったうえでの決断だと思うから勝負の先行きを見守るしかない。

 希望の党が登場する以前の政治構図なら安倍総理続投は間違いなく可能だった。だから解散の大義などなくても安倍総理は解散に踏み切った。ところが希望の党の登場はその思惑を吹き飛ばす。なぜなら現実に政権交代が可能な政治構図が出来上がったからである。

 フーテンから見ると多くの国民は「55年体制」時代に培われた「保守・革新一騎打ち」の思考から抜け出ていないように見える。米国の言いなりに平和憲法を変えようとする保守と平和憲法を守り自立しようとする革新のイメージで日本政治を捉えている。

 しかし55年体制末期の永田町を取材し、また冷戦後に世界を一極支配しようとした米国政治を見てきたフーテンにとって、それは「作られたイメージ」に過ぎない。自民党は米国の言いなりに平和憲法を変えようとしてきたわけではないし、社会党も自民党から政権を奪おうとしたことなど一度もない。

 世界最強の軍事経済大国である米国は今もこれからも日本を支配し続けようと考えている。冷戦時代にあって平和憲法はそれに抵抗する手段であり、自民党は社会党に護憲運動を促し平和憲法を盾に米国の軍事的要求をかわし続けた。それが日本を経済大国に押し上げ米国を圧倒した。

 米国は冷戦が終わるとそうした構造を一変させる。日本に憲法改正させて再軍備させるのではなく平和憲法を守らせて永遠に米国の軍事支配下に置き、米国に依存せざるを得ないようにして米国に経済的利益を吸い上げる。これが冷戦後の日米関係の基本である。

 安倍政権の集団的自衛権行使容認やTPPへの積極参加はその要求に応えたもので、かつての自民党とは正反対である。安倍政権は平和憲法を変えずに米軍に全面協力し、TPPで米国の要求に最大限応える。それが「安倍一強」であるため歯止めが効かない。昔の自民党は社会党の議席を減らさずに歯止めをかける抵抗の政治術を持っていた。

 政権与党になればその日から世界最強の軍事経済大国と渡り合わなければならないが、社・共に代表される野党は正論を主張するだけで立ち向かう手段を持たない。だから野党であり続けた。社会党は過半数を超える候補者を立てず、共産党は全選挙区に候補者を立てるが、政権を取らないことを前提にしていた。

 ・・・・・。




別Webより  Plus

 冷戦が終わってイデオロギー対立の時代ではなくなった。欧州の共産党は選挙協力によって政権に参画する道を選び、中でも有名なのはイタリア共産党が参加した「オリーブの木」による政権交代だった。それがようやく日本でも実現するかに思われたのが今回の選挙である。2年前の安保法制強行採決を見てようやく共産党が選挙協力に転じたからだ。

 自民党は実は選挙に強くない。公明党が小選挙区に候補を立てず自民党候補に投票するから勝てる。共産党が公明党と同じ役割を担えば政権交代は確実に起こる。

 しかし一方でイタリアと違い米国と日本の関係は特別の支配従属関係にある。自公政権を破った新政権が直ちに安保法制廃止を打ち出せば米国が黙ってはいない。政権は短命に終わる。
 

 安倍政権を打倒するには安全保障面では現状を継続させながらしかし実質的に歯止めをかけるのが最も現実的である。そのため民進党を現実派とリベラル派の二つに分け、リベラル派と社・共が一つになりかつての社会党の役割を担わせ、現実派は保守中道路線で自民党支持者の票を奪い政権交代を目指すシナリオが考えられた。

 ただし一気に政権交代するには風を起こす必要があり、希望の党の代表として小池百合子東京都知事が選挙に出馬し、都知事の後継者を用意する必要がある。また出馬しない場合には首班指名候補を明示する必要があった。

 しかしいずれの道も小池氏は採らなかった。また民進党を分けるのに「排除」と言ったことが排除された立憲民主党に同情を集め希望の党には批判が集まった。

 それが希望の党を低迷させ立憲民主党に勢いをつけさせた理由である。また共産党が希望の党を自民党補完勢力として敵意をむき出しにし、「1対1」の選挙協力に持ち込めなかったことが自公を優勢にした。そこで選挙情勢がこのままなら小池氏の都知事としての先行きも怪しくなる。

 豊洲の移転問題では自民党と共産党を敵に回し、オリンピック問題では森元総理と敵対しているため、選挙で結果を出せなければここぞとばかりに攻められる。勿論、そうしたことも分かったうえで小池氏は最終的な決断を行ったと思うが、フーテンにはその先のシナリオが見えない。

 総選挙の論戦を聞いてフーテンが最も違和感を持ったのは共産党が「平和憲法の基本は9条2項にある」と言ったことである。フーテンは平和憲法の基本は憲法前文と9条1項に書かれた「戦争放棄」にあると考えている。あらゆる紛争を武力で解決しないということだ。

 しかし2項にある「戦力不保持」と「交戦権の否定」はマッカーサーが書き加えたもので日本を米国に隷属させる条項と認識している。安倍総理は「集団的自衛権を認めたら米国は全く憲法改正を要求してこなくなった」とジャーナリストの田原総一朗氏に語ったそうだが当然である。米国にとって日本を自立させる憲法改正は必要ない。むしろ憲法改正させずに自衛隊を米国の要求通りに動かせればそれで良い。

 だから2項を削除させない。だから安倍政権は2項を削除せず3項に自衛隊を明記すると訳の分からないことを言う。米国の奴隷になるための屁理屈である。2項を削除させないと主張する共産党はそれと変わらない。

 憲法を巡る国会の論戦でかつて共産党の野坂参三氏は専守防衛の軍隊を持つ必要を説き、吉田茂総理は非武装の理想を説いた。日本の非武装を説いていたのは野党ではなく占領軍のマッカーサーであり吉田元総理だった。

 それがいつの間にか野党の専売特許になる。しかし冷戦後の国際情勢や日米関係を見れば日本は専守防衛に徹する軍隊を持ち、在日米軍基地と日米地位協定を見直す必要があるとフーテンは思う。

 従ってこの点でフーテンは共産党とも安倍政権とも見解が異なる。共産党がこの選挙で野党共闘に踏み込めない理由がそれだとすれば誠に残念である。冷戦後の米国の対日政策を検証し国際情勢と絡めて考え直してもらいたいと思う。

 そうしないとそれでなくとも冷戦後の政治体制に出遅れている日本は、冷戦時に見事な政治術を駆使した過去の遺産を食いつぶすだけになってしまう。政治家にはその点について十分論じてもらいたいと思うが。

 国民にはもう一度この選挙が妻と友人のため衆議院議員全員の首を切った選挙であることを思い出していただきたい。
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右翼「一水会」元会長が安倍政権批判!

2017-10-16 | いろいろ

ブログ『半歩前へ』より

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右翼「一水会」元会長が安倍政権批判!  (約6分22秒)
  
鈴木邦男氏 スピーチ『立憲民主党』「東京大作戦 10.14(CDP Tokyo Democracy Convention)」2017.10.14 @新宿駅東南口

 立憲民主党「東京大作戦」と銘打ったJR新宿駅東南口広場で14日開催の演説会に一水会元会長の鈴木邦男が飛び入り参加し、安倍政権を批判したので聴衆は驚いた。 (敬称略)

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 「私は立場が違った人間で、お前など来ると困ると、思う人がいっぱいいるでしょう」と言ってマイクを握った鈴木は、「昔は今の憲法は悪い、変えたらよくなると思って右翼運動を50年間やって来た。でも最近、いろいろ疑問に思った」と意外なことを言った。

 次いで鈴木は「北朝鮮や中国、韓国に対抗するために安倍政権は改憲しろ、と言っている。軍備を増強し、核兵器を持てと言っている。徴兵制度をやれと言っている人もいる。これでは日本が北になれ、ということではないか。それは日本ではなくなる」と安倍政権を批判。

 さらに「反対集会やデモを弾圧するという。これでは自由がなくなる。今の憲法のままで自由がある方がまだいい」と語った。


これは意味深い写真ですね。一水会の鈴木邦男が立憲民主党を応援。もう状況は、右も左もない。戦争か平和かの闘いです。偽物か本物かの闘い。売国奴か愛国者かの、そして底なしのバカか、未来を想像できる利口者かの闘いになっている。

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「わしは保守ですよ!」と言う漫画家・小林よしのりが立憲民主党を応援する理由

2017-10-16 | いろいろ

より

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「わしは保守ですよ!」と言う漫画家・小林よしのりが立憲民主党を応援する理由【演説全文】

保守派の論客として知られる漫画家の小林よしのりさんは、なぜ、立憲民主党を応援するのか。

 「ゴーマニズム宣言」で、いわゆる「左派」を厳しく批判し、保守派の論客として知られた漫画家の小林よしのりさんが、立憲民主党を応援している。

 10月14日には、JR新宿駅前で開かれた街頭演説会で登壇し、安倍政権を「保守じゃない」と厳しく批判。立憲民主党を支持するように訴えた。

小林さんは1986年に連載が始まった「おぼっちゃまくん」が大ヒット。その後、社会風刺マンガ「ゴーマニズム宣言」で、社会問題への発言が注目された。

90年代後半には、日本の自虐史観を変えようと訴える「新しい歴史教科書をつくる会」に参加。社民党や朝日新聞などを批判する急先鋒として知られた。

保守論客が、なぜ、立憲民主党を応援するのか

小林さんは、安保法制を例に挙げて自民党を「保守ではない。単なる対米追従勢力」だと批判した。

「安倍政権は暴走している」「ヒトラーは民主主義から生まれた」などと指摘し、「権力の暴走に立憲主義でフタをしよう」と立憲民主党を応援した。

以下は、10分にわたる演説の全文。

希望の党に未来はない

みなさん、こんにちは。「おぼっちゃまくん」の小林よしのり、「ゴーマニズム宣言」の小林よしのりです。

えーと、わしはね、希望の党がリベラルを排除すると、そもそも全員入れる気は全くないと言ったときにね、なんなんだこれはと思ったんですよ。

だってね、自民党の中にだってリベラルな議員はいるんですよ?

それがリベラルの議員は全部排除するとか言ったら、これはもう極右政党になっちゃうじゃないですか。

でも基本的には(希望の党は)立憲民主党のみなさんの昔の仲間ですから、彼らは希望の党を悪く言うことはできないんですね。遠慮してる。

で、わしは別に立候補してるわけじゃないですから。一国民としての感覚を言えばね、希望の党というのはもう未来はない、希望はない、って思っちゃったの。政権交代のためにやるはずだったんだから。

(リベラルを)排除してしまったら野党は分裂する。そしたら、もう意味をなさないんですよ。

だからはっきり言ってね、安倍政権は勝ちますよ、この選挙。これはどうしようもない。

だから希望の党が排除するって言ったときに、辻元清美からわしのところに電話がかかってきた。「私はどうすればいいの?」と相談しにきた。

わしは「枝野幸男を代表にして絶対に新党を作れと。これは絶対に成功すると。それを待ち望んでる国民はすごく多いと。枝野はやれる。絶対に新党を作れ」と言ったんです。

ただね、金の問題があるからとりあえずクーデターを起こして、前原をどっか追いやって金庫を奪えクーデターをやれって言ったんだけど、それは失敗に終わったようです。

民主主義は暴走する

それで兎にも角にも、立憲民主党。これね、本当にこの党名がいい!

なぜかというと、民主主義っていうのは暴走するんです。

安倍政権見ればわかるでしょ?一応、民主主義で選ばれたんですよ。けど、暴走してる。

ヒトラーもね、民主主義から生まれたんですよ?みんなハイルヒトラー、ハイルヒトラーって言ったんですよ。

民主主義は暴走する。それをどうやって防ぐかって言ったら、立憲で防ぐんですよ。立憲主義で。権力の暴走を立憲主義でフタをして止める。

これが立憲民主党。素晴らしい党名ですよ。

だから、わしは全く勝手なことを言うけど、これをもういっぺん民進党っていう名前に戻してはならん。もうね、成功してる。立憲民主党で成功してる。

なぜ保守がリベラルを応援するのか

保守二大政党とか言うけどなんだよ!わしゃ保守ですよ。本当はね?

なんで保守がリベラルを応援するのか。

それはね、保守じゃないからですよ、自民党が。自民党は保守ではない。あれは、単なる対米追従勢力です。

アメリカについて行って戦争しろと。それだけですよ。自衛隊を自衛隊のままでですよ?集団的自衛権に参加させるんですか?こんな恐ろしいことはないですよ。

枝野さんは安保法制の議論のときに個別的自衛権を強化しろと言った。実はこれがね、保守の考え方なんですよ。

我が国を、我が国で、個別的自衛権で守る。これが保守の考えなんですよ。

それを希望の党では、集団的自衛権を認めなきゃ入れない。バカなのかと。あやつらは、自民党も希望の党もどっちも対米追従保守ですよ。

もともとやな、安保法制というのは安倍晋三がアメリカの議会に行って約束してきたことなんですよ。日本国民を置き去りにして、アメリカで約束して、それを日本で勝手に作ってしまったんですよ?

こんなもののどこが保守だ!枝野君の方がもっと保守なんですよ、わしから見ればね、実は。

リベラルと保守は対立しない

でね、リベラルと保守っていうのは対立しません。

非常に似通っているところがあって、経済政策においても枝野氏が出した公約、ほとんど賛成できますね。これは間違いない。

格差をどんどん広げていって、一般国民を貧困層ばかりにしてしまったら、それは消費できませんよ。みんな貯金しますよ。回らないんですよ、資本主義が。

資本主義を健全に運営するためには、格差は是正しないとダメです。

これは枝野氏が出した公約。これが保守なんですよ、実は。

わしは立場を全く異にするはずなんだけど、枝野氏の方がはるかにわしは賛成するんです。これはやむを得ない。

今の保守論壇も誰もみんな、イラク戦争が始まったときに、わしはこれは侵略戦争だって言ったんですよ?で、必ず失敗するって言った。

それで自分で単行本も出して、テレビのワイドショーにも出た。イラク戦争これは侵略だ、失敗すると。

保守論壇の奴ら、自民党も全部「イラク戦争はアメリカの侵略ではない」しかも「すぐに終わって成功する」って言ったんですよ。嘘じゃないか。

わしのが正しかったんだから、保守って言ってる勢力はわしの前で土下座しなければいけない。全く反省していない。

自衛隊の命を真面目に考えて

だから集団的自衛権はまずい。しかもなおかつ安倍晋三が、憲法9条に自衛隊だけ明記すると。

こんなバカな改憲案、これが通ったらどうなりますか?

自衛隊のまんま準備も満足に持たないで、集団的自衛権に参加するんですよ?自衛隊に死ねって言ってるのと同然ですよ。

真面目に考えて欲しい、自衛隊の命を。むげに死なすな。そういうことなんですよ。

だからわしはね、今回残念ながら本当に政権交代にはならん、これは。小池百合子と前原誠司は、腹を切れ! それしかないぞ。これはちょっと枝野さんには言えんことだからね、わしが言うよ。

もう全く政権交代なんてできない状態になってしまった。

そしたら我々が何をやればいいか。安倍一強の独裁を食い止める政党、食い止めるそういう政治家を選ぶしかないんですよ。

立憲民主党しかない。絶対に当選させよう。

圧倒的な勝利を立憲民主党にさせなければいけない。そういうことです。わかりましたね?以上。以上です!
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 この立憲民主党枝野氏の街頭演説会には小林よしのり氏のほかにも一水会の鈴木邦夫氏も来たらしい。
 右翼の両名が駆けつけるなんて安倍の掲げる右、あるいは保守はいかにでたらめな物かがわかる。
 ネトウヨと呼ばれる連中はほとんど歴史の事も知らず、ただただ安倍さまのしもべなだけ。


赤色クーデターとの闘いをしなければならない、この国の現実は…!

2017-10-15 | いろいろ

白川勝彦氏の「永田町徒然草」より

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赤色クーデターとの闘いをしなければならない、この国の現実は…!

17年10月14日


 昨日の永田町徒然草を見て、多くの読者諸氏が今回の状況をご理解下さったようだ。そして、事の現状は、私が懸念していたように、どうしようもなく酷い右翼反動の安倍首相を巧みに擁護すべく、これまた酷い右翼反動が、全マスコミを使ってクーデター的に、行動を起こしたのだ。10月1日付けの永田町徒然草の私の指摘は、殆んど間違っていなかったようだ。

 焦ったのか、調子にのり過ぎたのか、赤色テロの企みは国民にばれつつある。いまは、この現実を多くの国民に伝えなければならない。そして、枝野幸男氏らの立憲民主党の闘いを、命懸けで支えなければならない。どの闘いが真っ当な安倍首相との対決かは、これまでの動きの中で皆分かっている筈だ。

 今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。
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これまでの総選挙に「大義」はあったのか

2017-10-15 | いろいろ

より

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これまでの総選挙に「大義」はあったのか

産経 阿比留記者×東京 望月記者

 安倍晋三首相が衆議院の解散に打って出た。野党再編の台風の目となった「希望の党」は230人以上の立候補者をそろえ「安倍一強の打破」を掲げる。今回の選挙で国民は何に注目すればいいのか。安倍首相を長年取材し、首相の表も裏も知る産経新聞・阿比留瑠比編集委員と、「森友」「加計」問題の政府責任を厳しく追及してきた東京新聞・望月衣塑子記者に聞いた――。

解散に大義はあるのか

【東京新聞・望月衣塑子記者】今回の選挙は大義がない選挙です。郵政解散は郵政の自由化を掲げ、それに関して選挙を通じて民意を問うというものでしたし、野田佳彦元首相も解散で社会保障と税の一体改革の是非を国民に問いました。9月下旬の共同通信の世論調査では64.3%がこの時期の解散に反対しており、これは身勝手な解散を断行した政権への不信感の表れです。

 安倍晋三首相は森友・加計学園問題で「説明責任を果たす」と国民に約束しました。野党が「ならば臨時国会を召集せよ」と言い続け、ようやく9月にきっちり追及することになっていました。このタイミングだけを見れば「森友」「加計」からの逃げじゃないかと疑ってしまいます。最低限の代表質問や衆議院調査局の調査もすっ飛ばし冒頭解散をしましたが、首相の独断で決めていたかのような印象があります。

【産経新聞・阿比留瑠比編集委員】野党などは「今回の選挙は大義がない」と主張していますが、そのこと自体が的外れでナンセンスです。衆議院議員というのは任期満了しようと4年に一度は選挙をする。そのときに、いちいち大義が必要なのか。過去の衆議院選挙で、大義があった選挙ってあるんですか。そのことを考えてほしいです。

 小泉純一郎元首相の郵政解散は、あれは自分がやりたい法案が衆議院では通ったけど、参議院で否決されたから衆議院を解散するという、めちゃくちゃな話でした。吉田茂元首相のバカヤロー解散、中曽根康弘元首相の死んだふり解散、佐藤栄作元首相の黒い霧解散にせよ、どこに大義なんてあったのでしょうか。大義のある選挙などこれまでなかった以上、それは難癖で、イメージを落とそうとしているだけです。

「森友」「加計」問題

【阿比留】野党や一部メディアの言う説明責任という言葉が具体的に何を指すのかよくわからないです。納得するまで話せと言われても、そういう人に限って納得する気がないんです。そもそも「森友」「加計」の、特に加計問題はフェイクニュースだと思っています。

 それは違法性を裏付ける証拠がまったくないからです。道義的にも悪いことをした証拠が1つもない。憲法第72条には首相は行政各部を指揮監督するって書いてあります。安倍首相は加計学園について何も発言していないと言われていますが、仮に発言していても問題はなく、行政がゆがめられたなんて言われる筋合いはないのです。

【望月】国家戦略特区諮問会議の議事要旨などの状況証拠を読み重ねると、不自然に「加計ありき」で話が進んでおり、同じく獣医学部の設置を望んでいた競合相手の京都産業大との比較考慮がされていないことがわかります。そのうえで、加計学園の加計孝太郎理事長は安倍首相とのゴルフや飲食を月1回のペースで繰り返していた時期もあり、加計学園の関係者によると、その代金の大半を加計さんが払っていたのではという指摘もあります。

 もし安倍首相が実際に過剰な接待を受けていたらアウトです。元検事や弁護士によれば、この問題は贈収賄に発展する可能性も秘めています。国会の場でも、どういう関係性でおごった、おごられたのかを細かく質疑が行われるべき。韓国の学者や記者からは「なぜ日本はこんなに緩いんだ」と質問されます。「安倍さんは朴槿恵氏以上のことをやっているのになぜ特捜部が捜査しないのか」と。

北朝鮮情勢

【望月】今回の選挙でもう1つ気になることが北朝鮮問題です。Jアラートが鳴るなど、このところ騒々しい日々がずっと続いていますが、この時期に解散して政治的な空白ができるのは大丈夫なのか。例えば全国遊説に首相が行ったときミサイルが発射されても対応できるのか。国家安全保障会議(NSC)に首相がいなくてもいいのか。

 年末にかけてもっと情勢が悪化していくという予測もあって、核基地限定攻撃という最悪のシナリオが年末に起こるかもしれないという話も出ている。だからこそ、安倍首相は今、解散に打って出たとも読めますが、金正恩とトランプの掛け合いは激化しており、北朝鮮が「政治空白」の隙を突く懸念はないと言い切れるのか。

【阿比留】今後、ますます米朝関係は緊迫していくと考えられる一方で、新たな経済制裁などの効果が見えてくるのは年末年始以降。アメリカはまずその効果を見ているから、今年中に有事は起きないという心証を日本政府は得ています。だったら今解散するのは、ごく当然の判断だと思うんですね。仮に来春にアメリカが北朝鮮に先制攻撃をかけたとします。すぐ収束するかわからないし、日本も被害を受ける可能性だってある中で解散できるのか。では解散しなければいいかというと、結局任期満了が来年末にはくるのです。

 また、北朝鮮情勢がひどくなったときに対応するのは、国会ではなく内閣です。大臣がいて政府が機能していれば何も困りません。選挙中、官房長官と防衛大臣は常に東京か東京周辺にいるということを決めています。首相だってどこで演説しようと、国内だったらヘリで東京に数時間で戻れますから

消費増税は正しいか

【阿比留】安倍首相の言う「全世代型給付」自体は賛成です。今まで高齢者に重きを置きすぎていましたから。高齢者のほうが投票率が高いからそうなってきたわけですが、ここ2年ぐらいの世論調査を見ると必ず同じ傾向なのが、安倍内閣に対する支持率というのは10代、20代が高くて、60代が低いんですよね。だったら高齢者に手厚い政策を取らなくてもいいやと転換した可能性があるなと感じます。しかし消費増税自体は一消費者としては痛いですよね。特に高い物が買えなくなります。

【望月】主要使途を借金返済から子育て支援と教育に2兆円を変更するということですが、そもそもこれは民進党が打ち出していた案であり、もともと安倍首相の狙いであった消費増税による財政健全化とは真逆の方針です。ちなみに2兆円のうち3000億円の原資については目処も立っていないのに打ち出しています。一般市民の感覚からすれば、「森友」「加計」問題や北朝鮮よりも生活や教育のほうが重要視されていると見て、選挙対策として無理やり持ち出したんだろうと感じます。

小池首相誕生か

【阿比留】小池百合子都知事は、都知事に当選したときが絶頂期でした。いまだ人気は高いですが、メッキが剥がれつつあります。結局豊洲移転問題では、ただ時間を引き延ばして莫大な金を無駄にしただけで、何の解決にもなっていない。また今回の国政政党「希望の党」。政党で盛り返しを図っているのでしょうが、徐々に破綻が見えてくるんじゃないかなと思っています。選挙である程度の議席は取れると思いますが、地方の選挙区は厳しい。東京以外では、大した風は起きないでしょうね

 今のところ出ている希望の党の政策って反原発で改憲派で改革派で消費増税を凍結すると。全部兼ねられるような政治家がどれだけいて、それをどうやって実現するなんていうことは、まだ小池都知事自身何も考えていないんじゃないかと思いますね。小池都知事は勝負師として、勘とはったりはすごいのですが、いまだ豊洲で何も進められないということを見ると、実務能力は高くない。たとえ政権を奪ってもイニシアチブを取るのは難しいのでは。

【望月】もし、小池都知事が首相になったとしたら、記者として関東大震災の朝鮮人虐殺の追悼文送付拒否について問いたださなければいけません。反省し続けなきゃいけない歴史だと思うので、ああいうものをなくすということ自体、すごく重いことです。謝罪を続けるってある意味、日本社会が背負っていかなきゃいけないものだと思うんです。やっぱり彼女の判断には疑問符がつく。

 また、希望の党が選挙で躍進した結果、右派の二大政党ができ、核武装論や憲法9条廃止も含めた議論が国政で過熱していくのではないか危惧しています。緊迫した北朝鮮情勢を抱える中で、9条改正に手をつけることに私は反対です。憲法9条は、日本のみならず世界が目指すべき理想として、憲法に掲げ続けるべきだと思います。

 ※インタビューは2人別々に実施し、テーマごとに発言を分けて記事を構成しました。対談ではありません。

 (構成=鈴木聖也 撮影=村上庄吾(阿比留氏)、横溝浩孝(望月氏))
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こうなったら全部チャラにしてしまえ!

2017-10-14 | いろいろ

白川勝彦氏の「永田町徒然草」より

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こうなったら全部チャラにしてしまえ!

17年10月13日

No.1937


 ひょっとすると、トンデモナイ選挙結果が出てくるぞ。世論調査を専門的に論じているあちこちのサイトに、そういう記事があるのだ。そらそうだろう。今回の選挙は、最初からおかしかった。そして、今日もまたNHKがおかしなことを大々的に言っている。「小池さん、大連立はあるんですか?」例によって、小池さんは意味不明の言葉を羅列していた。

 ただでさえ、今回の選挙の候補者の確定は遅かった。自分の県の各選挙区の候補者が誰になったのか、明確に知らない人がいてもそんなにおかしくない。それがどうだ。候補者の決定と同時に、自民党・公明党の大勝利の連呼だ。今回選挙は、最初からどうも変だった。それにしても、いくら何でも調子にのり過ぎだ。

 今回の解散総選挙は、最初から安倍首相に身勝手な理由で始まった。だから、次々と起こることがどこかおかしい。だから、私は、あまり小さい事に口を入れなかったのだ。ここで、最後に本気で言おう。大卓袱台(ちゃぶだいがえし)で、全部をチャラにしてしまおうではないか。

 サイトの方の動きだが、特に私のサイトにだけ入ってくるのではないという。もちろんご指定があれば別だが、この際ご勘弁を願いたい。

 今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。
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「籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」は、“首相失格の暴言”

2017-10-14 | いろいろ

ヤメ検で弁護士の郷原信郎氏の「郷原信郎が斬る」より

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「籠池氏は詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」は、“首相失格の暴言”

 昨夜(10月11日)のテレビ朝日「報道ステーション」の党首討論で、安倍首相が、「籠池さんは詐欺を働く人間。昭恵も騙された。」と発言した。内閣の長である総理大臣として、絶対に許せない発言だ。

 籠池氏は、森友学園が受給していた国土交通省の「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」の不正受給の事実についての詐欺罪で逮捕され、起訴された。しかし、刑事事件については、「推定無罪の原則」が働く。しかも、籠池氏は、その容疑事実については、完全黙秘を貫いていると報じられている。その籠池氏の公判も始まっておらず、本人に言い分を述べる機会は全く与えられていないのに、行政の長である総理大臣が、起訴事実が「確定的な事実」であるように発言する。しかも、安倍首相は、憲法の趣旨にも反する、不当極まりない解散(【“憲政史上最低・最悪の解散”を行おうとする「愚」】)を、総理大臣として自ら行った。それによる衆議院選挙が告示された直後に、自分の選挙を有利にする目的で行ったのが昨夜の放送での発言なのである。安倍首相は「丁寧な説明をする」と言っていたが、それは、籠池氏が詐欺を働いたと決めつけることなのか。

 法務大臣には、個別の刑事事件に関しても、検事総長に対する指揮権がある(検察庁法14条但し書き)。その法務大臣に対して、閣僚の任免権に基づき、指揮を行うことができるのが総理大臣だ。そのような「行政の最高責任者」が、司法の場で裁かれ、判断されるべき籠池氏の詐欺の事件について、「籠池さんは、詐欺を働いた」などとテレビの総選挙に関する党首討論で、言い放ったのである。法治国家においては、絶対に許せない「首相失格の暴言」だ。

 加計学園問題は、安倍首相が「国家戦略特区諮問会議の議長」という立場にあるのに、首相のお友達が経営する加計学園が獣医学部の新設で優遇された疑いが問題となった。今回の「籠池氏の詐欺」についての発言は、自らが、準司法機関である検察を含む「行政の長」なのに、司法判断の介入になりかねない発言である。いずれも、その立場にあることを認識していればあり得ない発言であり、認識した上で、意図的に言っているのだとすれば論外である。

 しかも、この籠池夫妻逮捕に関しては、逮捕された直後にも、ブログ【検察はなぜ”常識外れの籠池夫妻逮捕”に至ったのか】で指摘したように、「補助金適正化法違反で告発受理した事件」について、「詐欺罪」で逮捕するというのは、従来の検察実務の常識に反する。この点については、さらに検討した上、籠池氏の勾留満期直前に、【検察は籠池氏を詐欺罪で起訴してはならない】で、詐欺罪での起訴はあり得ないこと、詐欺罪で起訴すべきではないことを指摘したが、大阪地検は、なぜか無理やり「詐欺罪での起訴」を行った。

 それに続いて、大阪地検は、籠池氏を、森友学園の幼稚園が「大阪府」から受給していた、障害で支援が必要な園児数に応じた「特別支援教育費補助金」等の不正受給で再逮捕し、起訴した。この「地方自治体」からの補助金の詐欺については、「補助金適正化法」の適用がないので、「詐欺罪」を適用することに問題はない。

 しかし、これらの事件について、そもそも刑事事件にするような問題であるか否かに重大な疑問がある。このような社会福祉、雇用等に関連する補助金、助成金については、かねてから、巨額の不正受給が指摘されている。厚労省の発表によると、「2009~2013年度に1265社、191億円の不正受給があったことが厚生労働省のまとめでわかった。」(2014.9.22朝日)、「雇用安定のため企業に厚生労働省が支給している助成金制度が悪用され、平成25年度までの2年間で計約94億円を不正受給されていたことがわかった。厚労省は企業に返還を求めるが、倒産などで回収できない可能性もある。」(同日付け産経)とのことである。このような膨大な数の不正受給は、いずれも形式的には詐欺罪に該当し、検察がその気になれば「詐欺罪」で逮捕・起訴することが可能である。しかし、実際には、そのような助成金の不正受給が詐欺罪で告発された例はほとんどない。

 さらに問題なのは、補助金適正化法違反による「告発」を大阪地検が受理した際、NHKを始めとするマスコミが「大阪地検が、籠池氏に対する補助金適正化法違反での告発を受理した」と大々的に報じた経過だ。その報道が、明らかに検察サイドの情報を基に行われたこと、そして、その情報は、何らかの政治的な意図があって、東京の法務・検察の側が流したもので、それによって「籠池氏の告発受理」が大々的に報道されることになったとしか考えられないことを【籠池氏「告発」をめぐる“二つの重大な謎”】で指摘した。

 安倍首相が、党首討論で持ち出した「籠池さんの詐欺」は、検察の逮捕・起訴も、それに至る告発受理の経過も「疑惑だらけ」である。それを、裁判が始まってもいないのに、有罪であるかのように決めつける発言を「選挙に関して」行ったのである。

 しかも、安倍首相は、自分の妻である安倍昭恵氏が、その籠池氏に「騙された」と言うのである。それは、どういう意味なのだろうか。「詐欺師の籠池氏に騙されて森友学園の小学校の名誉校長になった」という意味だろうか。それとも、「騙されて100万円を寄付させられた」という意味だろうか。

 私は、これまで、森友学園、加計学園の問題での安倍首相や内閣、政府の対応に関して、様々な問題を指摘し、批判してきた。この国の行政を担っている安倍内閣が、もう少しまともな対応をして、国民に信頼されるようになってもらいたいと思ったからだ。しかし、安倍内閣の対応は、改善するどころか、失態に次ぐ失態を繰り返している。

 そして、「森友、加計疑惑隠し」と批判される解散を強行し、選挙が公示されるや、今回の、信じ難い「暴言」だ。

 このような首相発言が許されるとすれば、もはや今、日本は法治国家ではない。
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古賀茂明「小池氏、前原氏のどっちが“自分ファースト”? 年末に野党再編第2弾も」

2017-10-13 | いろいろ

より

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「小池氏、前原氏のどっちが“自分ファースト”? 年末に野党再編第2弾も」

 民進党が事実上解党して、9月25日に希望の党ができたと思ったら、今度は、10月3日に立憲民主党ができた。10日にも満たない期間で大規模な野党再編が起きたのだが、政治に明るい多くの無党派層の有権者は、なぜか今も投票すべき候補者や政党が見つけられず、漂流状態を続けている。

 その理由は、二つだ。一つは、政治家・政党に対する全般的な不信。もう一つは、憲法と安保を唯一の対立軸として動く新党の動きである。

 まず、政治家や政党を信じられなければ、彼らが掲げる政策を議論しても意味がない。信じて投票しても後で裏切られてバカを見る可能性が高いからだ。

 政治不信は今に始まったことではない。政治家にとって議席=命だから、当選するためにはどんな嘘でもつくものだと感じている有権者は非常に多い。
 
 この観点で今回のドタバタ劇を見てみると、まず、安倍晋三総理による衆議院解散は、究極の「自分ファースト」解散だった。安倍総理がどんな言い訳をして正当化しようとしても騙される人は少ないだろう。多くの世論調査でも今回の解散に否定的な回答が過半数をかなり超えているのはその証拠だ。

 一方、これに対する野党側の動きも、これに輪をかけたような「当選ファースト」「自分ファースト」の行動になった。

 まず、今回の騒動の前に民進党を離党した人たちは、小池百合子東京都知事の人気にあやかりたいという人たちだ。小池新党ができれば、ブームが起きて、自分が当選できるし、早めに離党すれば、そこでの高い役職に就けるかもしれない。

 次に、民進党代表に就任した前原誠司氏は、山尾志桜里氏のスキャンダルで出ばなをくじかれたうえに安倍総理の予想外の早期解散で窮地に立ったため、起死回生の一打として、党まるごと小池人気にあやかる作戦に出た。その際小池氏の威光で共産党に近い左派切りができれば「右翼」政治家と言われる前原氏としては一石二鳥だという思惑もあったであろう。やはり、「自分ファースト」である。

 これほどの大博打で、しかも小池氏が「右翼」政治家だということは広く知られていたのにもかかわらず、前原氏の案に「乗せられた(ふりをした)」民進党幹部も、小池新党ができた途端、自らの選挙区に刺客を立てられるのを恐れて、このとんでもない案を強く反対しないまま承認してしまった。これも「当選ファースト」だ。

 一方の小池知事は、希望の党が政権選択選挙を挑むと称して、世の中に大きな期待を抱かせた。それとともに、自らに足りない資金と地方組織を民進党から奪うために、本来の「右翼」の正体を隠して、「原発ゼロ」「9条にこだわる改憲議論批判」などでハト派を装い、民進党にまるごと合流構想の誘い水をかけた。これに合わせて行われた小泉純一郎元総理との会談も周到に計算された演出である。

 しかし、民進党まるごと合流が決定されるとすぐに周囲も驚く右旋回を大胆に行い、その極めつきの踏み絵となる政策協定書で安保法と改憲への賛成を事実上強要することで、民進党左派切りを達成する。

 当初、言っていた「原発ゼロ」の内実は、30年原発ゼロを「目指す」だけで、原子力規制委員会の審査に合格した原発は再稼働するというものだった。これでは、当面の政策として再稼働を推進する自民党とほとんど変わらない。6日の公約発表では、憲法9条も他の項目とともに積極的に議論する方向を打ち出した。完全なタカ派宣言である。

 しかも、記者会見では、安倍総理以外の自民党議員との連携による連立も否定しないなど、当初有権者が思い浮かべた政権交代とは全く異なる選択肢も持っていることがはっきりした。この節操なき変節もまさに「自分ファースト」の典型だ。

◆希望も民主も無所属もみんな信用できない?

 こうした大混乱の状況の中で、個々の民進党前議員の対応は大きく分けて三つとなった。当初予定通りの希望の党への合流、立憲民主党への合流、そして無所属の三つである。世の中では、希望の党に合流する人は小池人気目当て、無所属と民主合流組は信念を通した立派な人という評価が多いようだが、これは、実は一面的な見方だ。それぞれのグループごとにその裏事情を簡単に解説してみよう。

 民進党から小池氏の希望の党に合流した人の中には、元々安倍政権に近い考えを持っていた人も多い。細野豪志氏らに近い人たちで、本来はとっくに離党しても良かったのだが、民進党からの選挙資金と連合の支援などがなくなるのが怖くて離党できなかった人たちだ。彼らにとって、前原氏の合流構想はまさに渡りに船だったと言える。

 これとは違い、特定の信念はなく、ただ当選のために小池ブームに乗りたいと思って合流した人も多数いる。

 さらに、どちらかと言えばリベラルではあるが、民進党が党として合流を決めたので、仕方なくそれに従った人たちも多い。合流について支持者に必死に説明していたら、急に希望が右旋回したので困惑したが、立憲民主に行けば刺客を立てると脅されて、泣く泣く希望にとどまっている人たちだ。

 そういう人の中には、ここは面従腹背でとにかく当選して、その後、自分の政策が希望の党の中で認められなかったら、離党しようと決めている人もいる。

 希望の党の中の旧民進党前議員だけでもこれだけのバラエティがある。

 一方、立憲民主党に行った人の中には、信念をもって最初から無所属で戦おうと思っていた骨のある人もいる。

 だが、外から見るとそう見えても、実際はそうではない人の方がずっと多いというのが私の見方だ。最初は希望の党に入ろうとしていたのに、希望側から切られそうだとか、刺客が準備を始めたといううわさを聞いて、急に、いかにも最初から反希望であったかのようなふりをして新党建設に加わった人たちだ。

 さらに、希望に断られて、無所属になってしまい、どうするか迷っていたら、新党に入れば共産党が対立候補を下ろしてくれることがわかったので民主合流を最終決断したという人もいる。選挙区事情もそれぞれ異なり、それも反映しての複雑な対応になるのだろう。

 最後に、旧民進党前議員の中には、大物前議員を中心に、無所属で戦うという前議員もかなりいる。彼らの中には、希望も民主も自分の主義主張に合わないから無所属で行くという骨のある人もいるだろう。

 しかし、多くは、当初は希望への合流を希望したが断られ、あるいは、なかなか答えをもらえなくて疑心暗鬼になり、無所属で行こうと決めた人も多い。また、大物前議員は、メンツもあるので政策協定書へのサインにはかなり抵抗感があったと思われる。

 また、彼らが、民主ができた後も無所属を続けたのは、民主は共産党色が強すぎて違和感を持つということもあるが、民主に行くと刺客を送られるというのが最大の理由のようだ。裏で、無所属なら刺客を立てないということを希望側に確認して、民主への合流をやめた人も多い。

 以上のとおり、民進から3つに分かれたそれぞれのグループの中には、信頼できる人とそうでない人が入り混じっているが、その多くの場合、「自分ファースト」「当選ファースト」の動きになっている。

 こうした事情を理解すれば、政党だけを見て投票するのはほとんど意味がないことがわかる。結局、候補者ごとに判断するしかないということだ。

 しかし、候補者単位で投票しようと思ってもそういう人物が見つからなかったらどうすればよいのだろう。

 その場合、安倍政権が嫌な人は、とにかく自公以外の候補者の中で、当選しそうな人に入れることだ。比例でも、とりあえず、自公以外の党に入れればよい。投げやりなように感じるかもしれないが、現状ではやむを得ない。棄権するよりはましだ。

◆新党が二つ誕生しても投票したい党がない絶望感

 候補者や政党に対する不信が高まる中で、さらに心ある市民を絶望に追い込むのは、新たに二つも政党ができたのに、そのいずれもが、自民党と本当に正面から対峙できる政党になっていないということだ。
  
 7月3日の本コラムでも述べた通り、政策の対立軸を「改革派vs.守旧派」と「タカ派vs.ハト派」という二つの軸で見た場合、図に示す通り、自民党が、国内では改革ができず、既得権と癒着した政治を行い、対外的には極端なタカ派政策を採っているので左上の第2象限に位置付けられる。本来は、これに対峙するのが、既得権と戦い庶民のための改革を実行できる政党であって、しかも戦争を絶対にしないハト派、つまり、自民党と対角線上の右下に位置取りする政党でなければならない。

 しかし、実際には、新たにできた希望の党は、自民党と同じタカ派だ。さらに、小池知事が「改革」を唱えているので改革派のようにも見えるが、これまでの東京での実績を見ると、ほとんど改革らしい改革はしていない。むしろ、その強権ぶりと不透明な政治姿勢ばかりが目立ち始めている。そこで7月3日に掲載した図では小池氏を改革派として位置付けていたが、今回は、どちらかというと守旧派と改革派にまたがるところに位置付けることとした。ちなみに、連合に支援を求めていることからも公務員改革や天下り改革は実際には何もできないだろうということが推測できる。そうなると、希望の党は、四つのゾーンでは自民党とあまり変わらない左上の第2象限に近い位置付けとなってしまう。

 一方の立憲民主党は、今回の分裂劇により、以前の民進党に比べるとハト派の位置づけがはっきりした。しかし、相変わらず、連合とべったりで、改革はできそうもない。ということで、図では第3象限の改革できないハト派のゾーンに位置付けられる。

 この結果、多くの無党派層が期待する、既得権と戦い改革はしてくれるが、戦争を絶対にしないハト派という右下第4象限の政党が依然として存在しない状態が続くことになる。今ある希望、立憲民主、共産などの政党が仮に連合して政権交代ができたとしても、おそらく多くの無党派層が期待する政治はできないであろう。

◆微かな希望は年末の野党再編第2弾

 こう分析すると絶望的な気分になるが、希望がないわけではない。それは、選挙後に希望の党の中で、小池氏の強権的な政治姿勢に対する反発が高まるとともに、憲法改正や北朝鮮対応などでタカ派的な路線がより明確化されれば、面従腹背していたハト派色の強い改革派が離党して新たな政治勢力を作る可能性がある。すでにそういう話をしている前議員もいるほどだ。

 新党設立のタイミングは、新党が来年の政党助成金をもらうための条件となる今年末だ。このシナリオが動けば、野党再編第2弾の幕開けは、意外と近いのかもしれない。
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自民党56議席減なら安倍退陣の流れが出来る (抄) Plus

2017-10-12 | いろいろ

ジャーナリスト田中良紹氏のヤフーニュースのコラムより

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自民党56議席減なら安倍退陣の流れが出来る

 第48回衆議院選挙が公示された。希望の党の小池百合子代表は出馬せず「安倍一強を終わらせよう」と言いながら日本国のリーダーを誰に代えるのかを言わないまま選挙が始まった。フーテンが注目した「最大の勝負手」は行使されず、先の見えにくい選挙になった。それが誤算でないことを祈るのみである。

 フーテンが注目した「最大の勝負手」とは、小池氏が選挙に出馬し安倍総理に代わる顔になるには、都民の圧倒的な支持を得て就任した都知事を辞めなければならない。それをするには誰しもが納得できる後継者を明らかにし国政と都政の連携をアピールしなければならない。それが可能かどうかだった。

 逆に出馬しない場合には国会の首班指名で安倍総理に代わる候補を勝たせなければならない。自分に代わる有力候補を選挙前に明示することは可能かということである。いずれも可能でないと判断されたわけだ。次の顔が見えない選挙で勝てるのかとフーテンは危惧するが、しかし賽は投げられた。前を見ていくしかない。

 今回の選挙の特徴を言えば、第一に安倍総理が妻と友人を守るため衆議院議員全員の首を切った前代未聞の極私的解散・総選挙である。第二に野党第一党の民進党を現実派とリベラル派に分裂させ、共産党が初めて選挙協力を行う政界再編の選挙である。第三に小選挙区と比例区の重複立候補をしないことが政治家の評価につながる流れが出て来た。

 安倍総理は消費増税の使途と北朝鮮情勢を解散の理由としたが、消費増税は2年も先の話でありこの時点で解散する理由にならない。また北朝鮮問題でしきりに危機を強調するが、米朝は激しく対立して見せながら落としどころを探って詰めの交渉を続けており、それにロシアと中国の利害が絡み合っているだけで日本に出番などない。解散の理由がこじつけであることは首を切られた議員たちが一番良く知っている。

 小池氏が「排除」という言葉を使ったため民進党の分裂を批判する国民が多いが、この分裂でリベラル勢力の塊が出来たことをむしろ評価すべきだとフーテンは思う。これまで水と油の安倍政権を公明党が選挙協力で支えてきたのに対し、公明党に対抗できる全国組織を持つ共産党は全選挙区に候補者を立て野党票を分散させてきた。それが「安倍一強」を可能にした一つの要因である。

 しかし2年前の安保法制の強行採決で共産党もようやく選挙協力に前向きになった。これで自公に対決できる構図が生まれ、今回の選挙で立憲民主党はその恩恵にあずかれる。これが恒常化すれば以前より強いリベラルの塊が生まれる。

 一方の希望の党は自民党から保守票を引きはがす。安倍総理周辺の右派勢力は本来の自民党支持層と一致するわけではない。そこに楔を打ち込んで「安倍一強」を倒そうとするのが希望の党である。

 従って希望の党は自民党内の反安倍勢力とは距離が近い。野田聖子氏と小池氏が一緒に政党を立ち上げる構想もあった位で将来合流する可能性はある。それを共産党は「自民補完勢力」と批判するが、しかし「安倍一強」という権力私物化を終わらせるにはありうる選択肢である。この選挙は保守を右派と中道に分け、リベラルの塊を作る政界再編のスタートになる。

 政権交代可能な政治を作るため導入された小選挙区制は諸外国に比べ不備な点もある。最大の問題は小選挙区と比例代表の重複立候補による「ゾンビ議員」の誕生だ。小選挙区で落選した議員が比例で復活し、中には小選挙区の得票数が他の落選候補より少ないのに当選する議員もいる。

 ・・・・・。





別Webより  Plus

 今回は希望の党が三権の長や政党代表の入党を「排除」したため、大物議員が無所属で出馬することになりそれが高評価された。無所属でなくとも重複立候補を避ける議員が多くなれば好ましい結果になる。

 ところで当初フーテンは希望の党の登場を1993年の政権交代と重ね合わせて考えた。

 「55年体制」は自民党対社会党の構図の中に共産党、公明党、民社党がいて、それを終わらせるため自民党が分裂して新生党とさきがけが生まれ、また日本新党が誕生して総選挙を行った結果、自民党が過半数割れして野党に転落した。

 希望の党の公約には「消費税凍結」と「原発ゼロ」があり、安保法制を認める点を除けば野党共闘は可能である。そして安保法制の強行採決は立憲主義の否定であり認められないが、しかし現実に政権を奪取するとなれば米国との軋轢を避ける工夫は必要である。

 その現実を認めれば表では反対するが見て見ないふりをするのが「55年体制」の野党だった。

 従ってフーテンは自公政権を過半数割れに追い込むことも可能だと判断したのである。また旧自民党と旧社会党が同居する形の民進党が存在する限り、政権交代は二度と起きないと考えてきたフーテンにとって二つの勢力を「選別」することも必要だった。

 ところが小池氏が「排除」と言ったことで国民の反発は大きくなり、とても自公を過半数割れに追い込める状況ではなくなった。残されたのは「最大の勝負手」がどうなるかだったが、それも実行されることはなかった。

 ただ93年の政権交代のシナリオに代わって07年の第一次安倍政権退場のシナリオが頭に浮上してきた。それは8日に行われた党首討論会で自民党が単独過半数を割り込んでも安倍総理は続投すると表明したからである。

 現在自民党は288議席だから56議席を減らしても安倍総理は解散に打って出た責任を取らないと言った。しかしそうなれば公明党の存在感がにわかに大きくなる。公明党が離れれば自民党は過半数を失うので安倍政権は公明党にすがるしかなくなる。

 そこを狙ったのか希望の党は公明党の候補者がいる選挙区に対立候補を立てなかった。本来公明党とは水と油の安倍政権は一方で公明党がだめでも維新があるという構えを取って公明党をけん制してきた。ところがこの選挙で維新は希望との距離を縮め安倍政権との距離を離している。

 07年の参議院選挙で惨敗した安倍総理は衆議院で自民党は過半数を保持している事を理由に続投を表明した。理屈はその通りなのだが歴代自民党政権で参議院選挙に負けた総理はみな退陣している。責任を取るとはそういうことだ。ところが続投を表明した安倍総理はどうなったか。

 ぶざまな政権投げ出しを演ずることになった。表向きは病気のためとされているがそうではない。巧妙な自民党内の政治術によって退陣させられた。その時の渦中の人物が当時の小池防衛大臣と二階国対委員長である。この選挙では希望の党代表と自民党幹事長として敵対している。

 自公を過半数割れに追い込まなくとも自民党が56議席減らせば安倍総理は07年の参議院選挙後と同じ状況になる。政権を継続しても公明党の言い分を受け入れるしかなくなる。維新カードも制約される。自民党内から極私的解散への不満もくすぶる。そういう中で内閣と党の人事を行うことになるが、それが不満を顕在化させる恐れもある。

 安倍総理退陣を与党の手でやらせる展開が生まれる。「最大の勝負手」を見せなかった理由はそのあたりにあるのかもしれない。どうやら自民党56議席減になるかどうかがこの選挙の最大の見どころになりそうだ。
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「老兵は死なず」

2017-10-11 | いろいろ

白川勝彦氏の「永田町徒然草」より

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「老兵は死なず」

17年10月10日

No.1936


 前の永田町を書き終えてから私の体調は急変し、何とか持ちこたえているものも、最悪の状態であった。パソコンも明らかにおかしいが、私の手では何ともできない。

 さて、選挙の間に戦いの譜を発するのは、私の生きざまであった。今回の戦いの譜は、最後になって立憲民主党など起ち上げた枝野幸男さんたちに贈りたい。

      老兵は死なず。ただ消え去るのみ。

      I chaal never come back.

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もしこの「老兵は・・・・」がマッカーサーの言葉なら、「Old soldiers never die, but fade away.」だと思うが。

丹羽宇一郎氏が提言 今の日本こそ「戦争の真実」学ぶべき

2017-10-11 | いろいろ

より

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丹羽宇一郎氏が提言 今の日本こそ「戦争の真実」学ぶべき

 この国のトップは緊迫する北朝鮮情勢に「対話より圧力」と拳を振り上げ、設立されたばかりの新党の女性党首は「リアルな安保」を入党条件に掲げる。社会全体に開戦前夜のようなムードが漂う中、中国大使を務めた経験を持つ国際ビジネスマンである日中友好協会会長の丹羽宇一郎氏は近著「戦争の大問題」で、こう訴えかけている。今こそ日本人は「戦争の真実」を知らなければいけない。

今の政治は「民の声」が反映されていない

  ――近著をまとめるのに多くの戦争体験者や軍事専門家に直接、話を聞き歩くのは大変だったと思います。そこまでの労力を払って、この時期に「戦争の大問題」を世に問うたのはなぜですか。

 トランプ米大統領の誕生により、世の中に幾つもの「真実」が出てきました。ポスト・トゥルース、オルタナティブ・ファクト、フェイク・ニュースとか。客観的な事実より虚偽であっても、個人の感情や心情に訴えかける方が世論に強い影響力を与えてしまう。「真実とは何か」と考える機会をくれたトランプ大統領には感謝しますが、「戦争の真実」について私は考えました。戦争を知らない人々がますます増えゆく日本で戦争が近づく中、戦争とは一体何か、その真実は誰が決めるのか。

  ――確かに「真実」にもいろいろありますね。

 戦争から帰還した人がオルタナティブ・ファクトを語っている可能性もあるわけです。ならば大勢から話を聞かなければ真実は分からない。真実の度合いを広く深く自分の感覚で正確に知りたかった。戦争のリアルを知る人々は90歳を越えています。私も含め戦争体験者にはあまり時間はない。存命中にお会いして話を聞き、戦争を知らない世代に戦争の真実を活字で残す。それが、われわれの世代の義務です。

  ――本の冒頭に引用された「戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない」という田中角栄元首相の言葉が印象的です。

 やはり戦争を知らない世代は戦争のリアルなイメージを持ちえない。戦争の「におい」とか「味わい」とか。最近も麻生副総理が北朝鮮からの武装難民の射殺に言及しましたが、彼は人を撃った経験があるんですか。人と人が1対1で撃ち合うなんてできません。人間ができない残酷なことは戦争体験者は絶対口にはしません。

  ――角栄氏の危惧がまさに顕在化しています。

 若い人は、先の大戦で日本兵は勇ましく撃ち合って戦場に散ったと思っているけど、帰還者に話を聞くと、大半は撃っていない。ひたすら歩き、さまよい、飢餓や疫病で亡くなった人々が圧倒的に多い。実際に引き金を引いた人も敵兵を目の前にして撃ってはいない。あの辺にいるはずだと目をつぶってバババッと撃っている人が大半です。今のシリアの戦闘映像と同じ。だから人を殺した実感がない。だが、それが戦争の本当の残酷さです。

  ――そんな目には遭いたくありませんね。

 ただ、本当の戦争を知る人々は、その体験を自分の子供たちにも話せない。食料を奪ったり、友達の肉を食べたり。いざという時にそこまで残酷な動物となった経験を語れるわけがない。戦争は人を狂わせます。だから体験者は皆「戦争だけはやらないでくれ」と口をそろえるのに、戦争をイメージできない世代には「やろう」と粋がる人が多い。こんな怖いことはない。

「あきらめない対話」が回避の唯一の道

  ――北朝鮮問題では、日本のトップが率先して戦争に向かおうとしているように見えます。

 日米両国が世界から孤立するように「力には力」と叫び、トランプ大統領は国連で北朝鮮の「完全破壊」に言及しましたが、出口なき戦略です。北朝鮮が崩壊すれば、日本にも中国や韓国と同じく難民が漂着します。日本海側には人口60万人から80万人の県が並ぶ。北朝鮮の人口は2500万人余り。数十万人が生きるために必死になって日本海側に押し寄せたら、食料や宿はどうするのか。想像を絶する事態となります。

  ――今の北朝鮮の立場は日米開戦前夜の日本に似ています。

 金正恩委員長を追い込めば、「野垂れ死にするぐらいなら玉砕してでも」と、第2次大戦突入時の日本の心境にさせるだけです。そこまで追い詰められた経験を持つ日本が、声高に制裁を叫ぶのは歴史を学んでいない証拠。トランプ大統領の挑発に真っ先に反対すべきは本来なら日本のはずです。

  ――「地下に逃げろ」というミサイル避難訓練も無意味です。

 今やロケット戦争の時代です。中国の習近平国家主席も昨年、陸海空軍に加え、「ロケット軍」を新設し、党中央軍事委員会の組織を変えました。最近明らかとなった新たな人事では、軍事戦略を立案する「連合参謀本部」の中枢を7人もの幹部で構成する最大の組織に改変しました。7人のうち陸軍出身2人、海空軍出身は1人ずつ。ロケット軍出身は3人を占め、軍の主流に躍り出ました。これからはロケット中心の戦いになると、中国はみているのです。

  ――なるほど。

 ロケット中心の戦争で、最大の脅威は原発です。日本に現存する原発は54基。原発は1基で広島型原爆の1000倍の放射性物質が貯め込まれているといわれています。どこか1つでもロケット弾が落ちれば、日本は広島型原爆の1000倍、5カ所なら5000倍の放射能に覆われてしまいます。この狭い国土がそれだけの放射能汚染を浴びれば、日本人はどうなりますか。だから、戦争は絶対に避けなければいけないのです。

  ――トランプ大統領の口汚い舌戦に同調する安倍首相は本当に日本の安全を考えているのか疑問です。

 北朝鮮のロケット弾は日本列島を射程内に捉えていますが、米国全土にICBMを飛ばす能力はまだない。米国は難民ラッシュも逃れられる。日本が北朝鮮を敵に回した時のリスクは米国とは比較になりません。また、米国は原爆を落とされたことも、本土爆撃や侵略された経験もない。「戦争の怖さ」を知らない人ばかりの国と、世界唯一の被爆国のトップが同じ「イケイケ」の考えでは、世界的な信用を失います。

安倍首相は2年間の「核凍結」を米ロに迫れ

  ――国連演説で安倍首相は「対話による(北朝鮮)問題解決の試みは一再ならず無に帰した」とまで言い切りました。

 安倍首相自身、どれだけ北朝鮮と対話してきましたか。ひとこともしていないのに等しい。拉致問題だって何ら進展していない。「対話は無力」と言う前に、まず話し合うべきです。そもそも先の大戦の戦勝5カ国がまず核兵器を持ち、インドやパキスタンは“やり得”で保有を認められた。いつでも保有国は核兵器を使えるのに、北朝鮮だけ許さないのは常識的にみてアンフェア。核開発を放棄してイラクやリビアの二の舞いになるのを避けるなら、北朝鮮も命懸けで核を持つしかない。他に力がないのですから。

  ――核保有国は身勝手です。

 だからこそ、戦争と核兵器の怖さを思い知らされた日本が核保有国を説得すべきです。安倍首相が真っ先に説得すべきは核大国の米国とロシアです。表向きは北朝鮮を非難し続けてもいい。何らかの理由をつけてドイツとともにトランプとプーチン両大統領と会談し、水面下で2年間の核兵器凍結を提案する。1年は短いし、3年は長すぎます。簡単ではないのは百も承知です。それでもケンカは最後に強い者が一歩、引くものです。解除すれば再び核戦争の危機ですから、2年間の凍結は自動延長されます。ここまで深謀遠慮を巡らせて実現させれば、安倍首相はノーベル平和賞ものです。

  ――歴史に名を残したがる首相ですから、ぜひ動いて欲しいものです。

 核戦争回避にはこの道しかない。安倍首相はこの国を放射能の渦に巻き込み、滅ぼしていいのですか。日本には何ら得はないのに、米国と一蓮托生の北朝鮮への強烈非難には中国もおかしいと感じています。あそこまで日米同盟に懸命なのは、北朝鮮ではなく、中国が攻撃対象の「本命」なのかと。

  ――今度の総選挙は、敵ばかり増やした安倍首相の外交姿勢が問われるべきです。

 安倍首相にはひとこと言いたい。「あなたの民主主義とは何ですか」と。今の政治は「民の声」が反映されていません。日本は議会制民主主義の国とはいえ、選挙に勝てば何でも許されるわけではない。民主主義とはオールウェイズ(常に)民が主です。「力対力」では民が犠牲となる戦争を近づけるだけです。野党が今、手を結ぶべきは戦争を遠ざけること。民が主なら、最後まで対話をあきらめてはいけません。「戦争の大問題」に比べれば、小池都知事がどうこう言ったなんて、非常に些末な話です。そういう意味で今度の選挙は民主主義の根幹が問われているのです。

 (聞き手=本紙・今泉恵孝)

 ▽にわ・ういちろう 1939年、名古屋市生まれ。名大法学部卒業後、伊藤忠商事に入社。98年社長に就任。99年に不良債権約4000億円の一括処理を断行し、翌年度決算で同社史上最高益(当時)を記録。2010年、豊富な中国人脈が注目され、民間出身として初の中国大使に就任した。
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自民党がネトサポ緊急総会で他党叩きをアドバイス!

2017-10-10 | いろいろ

より

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自民党がネトサポ緊急総会で他党叩きをアドバイス!

“従軍慰安婦像の辻元清美”も“人民解放軍姿の志位和夫”も「個人の判断で」と


 衆院総選挙公示日まであとわずか、各党の選挙準備も本格化しているが、そんななか、自民党では6日、あの自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)の緊急総会が開かれ、ニコニコ生放送で生中継された。

 J-NSC会員は通称ネトサポとも呼ばれるが、このJ-NSC、表向きは「自民党の政策や方針などをネットで広報すること」だとされているが、その実態は、自民党が日頃、民族差別や弱者差別を煽っている悪質なネトウヨたちを組織し、他党や政敵へのネガティブキャンペーンを行う“ステマ部隊”として使っているといわれてきた。

 実際、これまでも旧民主党や共産党への大々的なデマ攻撃が行われた際には、常にこの組織の関与がささやかれていた。


 そんなネトサポが選挙公示前のこの時期に緊急集会を開催するということで、いったいなにが話し合われるのか、でも生中継されているわけだから、さすがにそんな露骨な話は出てこないだろう、などと思いつつチェックしてみると、これがびっくり。会場では、いかに日頃、彼らが他党の「ネガキャン」にいそしんでおり、それを自民党が煽っているかを証明する発言が次々と飛び出したのだった。

 それは、ネット選挙で何ができて何がNGかをQ&A形式で説明するコーナーでのことだった。

 自民党側の司会者がスクリーンを使って、「当選させない目的を持って、相手候補者の虚偽事項や、事実をゆがめて公にした者は処罰されます」「悪質な誹謗中傷行為や公然と人を侮辱する行為も処罰の対象となります」などとネット選挙について解説したのだが、すると、会場のネトサポの女性からすかさず、こんな“異論”が飛び出し、拍手喝采を浴びたのだった。

「日本のいま、いろんな問題、慰安婦の問題についてもそうだけど、そういう上品な姿勢が、いま私たちをいまこういう危機的な状況に追い込んだという見方もできると思います! ですから『いい子ちゃん』でいるだけが正しい姿勢じゃなくて、真実を広める! これが私は一番大事だと思います!」

 ようするに“他党を誹謗中傷してはいけないなんて上品なことを言うな、臆せずどんどんやろう”という呼びかけらしい。

 まあ、これだけでもさすがネトサポという感じだが、本番はここからだった。ネトサポ会員たちが、次々と具体的な「ネガキャン」相談を始めたのだ。

“従軍慰安婦像の辻元清美”も“手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫”も「個人の判断で」と

 たとえば、あるネトサポ会員からはこんな質問が飛び出した。

 「あの、まあ、私をはじめTwitterで、いま『キボーエヌオートウ』とかですね『リッケン(イッケン?)ミンシュトウ』とかですね(笑)、なんかあの非常に(笑)、そういうことをいろいろ(笑)、ガンガンさっきも出ていましたけれども、そういうことは公示してから、選挙活動中はいっさい止めないと、みんな危ないということですか?」

 発言を文字に起こしただけだとなんのことかわからないので解説すると、これは最近、ツイッターなどで出回っている「希望NO党」「立件民主党」「一見民主党」などという誹謗中傷ツイートやハッシュタグのことだと思われる。たとえば、「立件民主党」なる呼称はこんな使われ方をしている。

〈この極左集団の党名は、こっちでしょ立件民主党、立件されたりしてw〉
〈立件民主党の売国奴のゴミが何匹落ちるかな~ 一般人に戻ったら逮捕やね〉
〈立件民主党! 公安の皆さま、お仕事ですよ! 立上げと同時に監視対象団体にしてね。逮捕者続出、期待してます〉
〈立件民主党www ブヒブヒ?!〉

 見ての通り、刑事事件での立件、つまり警察による言論弾圧を推奨する、まさに民主主義の国に育った人間とは思えないツイートなのだが、この手の誹謗中傷攻撃もやっぱり、自民党ネトサポのしわざだったのだろうか。

 しかも、驚いたのは、この質問に対する自民党側の回答だった。一応、公党の立場から、やんわり諌めるのかと思いきや、J-NSCを統括する自民党ネットメディア局長・平将明衆院議員は「(「立件民主党」などの呼び方は)パロディだからOKだと思います」と言い放ったのである。

 しかし、この程度で呆れてはいけない。別のネトサポ会員は、もっとトンデモないネガキャンを告白した。

 「あの、私は画像入りであのー、野党のほうにいろいろですね、投稿しているんですけど。たとえば“従軍慰安婦像の辻元清美”とかね。あと“手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫”とか。あれはやっぱり誹謗中傷になるでしょうか」

 実際、Twitterを検索してみると、共産党の志位和夫委員長の顔と、中国の人民解放軍のポスターらしきものをコラージュし、さらに〈公安お墨付きのテロ政党〉〈暴力革命〉なる文言まで付された画像がツイートされている。悪質なネガキャンだが、つまり、こうした下劣なコラ画像もネトサポの仕業だったということらしい。

 「希望NO党」「立件民主党」「一見民主党」には「OK」と言い放った自民党も、さすがにこれは「やめたほうがいい」とアドバイスするだろうと思っていたら、平ネットメディア局長は、笑いながらこう言ったのだった。

 「あの、個人のご判断だと思います、はい」

“他党候補者を公選法違反で通報するべし”と明言も!

 司会者も「(緊急総会は)ネット中継されてますからね(笑)」。ようするに、“そういうことは裏でやりましょう”と言っているようなものではないか。

 さらに、暗澹としたのはこんな質問が飛び出したときのやりとりだ。

 「ツイッターなどで、名前入りのタスキを堂々として、まあ共産党ですけど、ああいうものが、流れていて、警察はそれに対してなんら行動は起こさないんでしょうか? なぜ起こさないんでしょうか?」

 「共産党」と名指ししたところで会場が笑いに包まれるなど、まさにネトウヨ丸出しだが、これに対して司会者は通報を推奨。しかしネトサポはどうやらもう通報スミらしく、「通報をしても、現実に(公示日前の実名入りタスキが)続いているということは、警察はなにも動いていないと認識できますよね」としつこい。

 すると司会者は、「通報をしないと(意味がない)」「警察の動きについてこちらではどう考えているかわからないんですけども、もし、違反してたら、これは違反ではないですか?ということで、問い合わせというか、警察の方に連絡することはできると思います、はい」と、はっきりと“他党候補者を公選法違反で通報するべし”と明言したのだった。

 さらに、笑ったのは、平ネットメディア局長のこんな発言だった。

 「たしかにツイッターで見ますよね、他党のかたで。あれは、アウトです。ただ、なんかもう、確信犯ですよね。それは運用のところでちゃんとやってもらわなければいけませんけど。ぜひ見かけたらですね、地域の警察なりに言っていただければ効果があります。一方で、向こうがですよ、悪意を持って、こっちの候補者がその、名前が入っていないタスキをやってても、いまデジタルでどうにでも加工ができて、そういうフェイクニュースみたないのもいっぱい出回るので、気をつけなければならないのはフェイクニュースにのっかるとカウンターパンチをもらうので、ですからファクトとかソースとかをよく見てもらう。自分の目で見ればそれは確かですから」

 他党の候補の違反は「通報しろ」と言いながら、自党の候補については、違反があっても「フェイクの可能性がある」などと言い張る。というか、他党を中傷する呼称や悪質なコラ画像を使ったネット工作を推奨しておいて、よくぬけぬけと「ファクトとかソースをよく見てほしい」などと言えたものである

 いずれにせよ、こうしたネトサポのリアルなトンデモ発言と、平ネットメディア局長の発言からわかるのは、J-NSCは単なる自民党の別働広報部隊ではなく、バリバリのネトウヨが組織化された集団であるということ。そして、自民党はこの安倍シンパのネトウヨたちを使って、自ら直接手を汚さずに、「立件民主党」とか「手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫」画像みたいな誹謗中傷、品性下劣なネガティブキャンペーンを行なっているということだ。

“ネトウヨの尊師”青山繁晴、国民から逃げ回る“トンヅラ総理”こと安倍首相も、上機嫌で登場

 前述したとおり、ネトサポをめぐっては、これまでもJ-NSC会員を自称するツイッターアカウントが、野党やその議員たちをデマを駆使して誹謗したり、民族差別を煽る悪質まとめサイトなどをどんどんリツイート拡散している姿が確認できている。また、J-NSC会員を名乗るブログが、相模原障害者施設殺傷事件について「植松が言うように障害者はいなくなるべき」と全面的な賛同を示し、障害者の子どもがいる野田聖子衆議院議員にまで「自民党の改憲案との矛盾をなくすために障害者の子ども殺せ」と迫っていたことも発覚した。

 こうした差別発言やネガキャンに関わっているのは、ごく一部のネトサポが勝手にやっている可能性もあったが、しかし、今回の自民党ネットサポーターズクラブ緊急総会の模様を目の当たりにすれば、やはり、自民党が扇動して、組織的にネトサポたちにやらせているとしか思えない。

 まさに、その下劣ぶり、卑劣ぶりを見せつけた自民党ネットサポーターズクラブ、J-NSCの緊急総会だったが、実はこの総会には、まさにふさわしいスペシャルゲストが登場した。

 ひとりは、“ネトウヨの尊師(グル)”こと青山繁晴参院議員。青山議員は特別講演を行い、「11月の半ばまでなら“新朝鮮戦争”は始まらない。解散は今しかない!」「臨時国会で“モリソバ・カケソバ”をもう一度やるわけにはいけない!」などと1時間以上も熱弁をふるったのだ。が、やはり大歓声で迎えられていた。ちなみに、青山センセイは先月まで「明日戦争が始まっても不思議ではない」などと煽りまくっていたのだが、ネトサポ=ネトウヨにとっては“尊師”のご都合主義は全然気にならないのだろう。

 そしてもうひとり、サプライズゲストとして登壇したのが、ほかでもない安倍首相だった。

 安倍首相が姿を表すと、会場に集まったネトサポからは「きゃあああああっ!」「うひょおおおおおお!」「ひぃーーーーーっ!」と、奇声に近いようなものすごい歓声が上がった。

 安倍首相はこの日、党広報が事前告知しないまま国分寺で演説を行ったが、本サイトが報じたとおり「お前が国難」というプラカードを掲げる人たちの前に自民党関係者が自民党の幟を持って立ちはだかるなど、ピリピリムードに覆われた。そんな街頭から安倍首相がそそくさと逃げ込んだのが、このネトサポ総会だったのだ。

 街頭とは一転、この歓迎ムードに安倍首相は喜色満面。

 「ネットサポーターズのみなさまには、日頃、自由民主党をしっかりと支援をしていただいていますこと、まずもって厚く御礼を申し上げたいと思います」

 そう会場でにこやかに挨拶した安倍首相は、参加者全員と「がんばろー!」の記念撮影をし、スタンディングオベーションとともに、ハイタッチ責めにあいながら会場を去った。

 私たちは、日本の首相がこの卑劣な謀略デマ攻撃集団を組織し、それに支えられているというグロテスクな事実を、しかと胸に刻むべきだろう。
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