2024年4月25日(木)
高校数学を学ぶ者が一度は解いておきたいと思う問題が、
y=mxに対して、点A(a,b)と対称な点B(u,v)を求めよ
という問題である。この問題に対して、オーソドックスな解法は、次の手順に従う方法である。
(ⅰ) 中点をMとしたとき、M((a+u)/2, (b+v)/2 )は、y=mx上にあるから
(b+v)/2 =m・(a+u)/2
が成立する。
(ⅱ) AM⊥y=mxの方向ベクトル(1,m)であるから、ベクトルAM・y=mxの方向ベクトル=0となる。す
なわち、
(u-a,v -b)・(1,m)=0
u-a+m(v -b)=0
が成り立つ。
※ この部分は、直線AMの傾きとy=mxの傾きmの積はー1になる。このことを使ってもいい。すなわち、
(v-b)/(u-a)・m=-1
u-a+m(v -b)=0
が成り立つ。
(ⅲ) (ⅰ)(ⅱ)をu,vの連立方程式として、u,vをa,bで表す。
上の解法は本文と重なるが、教科書が上の解法を掲載していることもあってあえて記述した。何れも、文字
a,bを含む連立方程式となるから、計算が大変である。そこで、ここでは行列を用いて計算を楽にすることを考
えた。行列は新しい高校の学習指導要領で数学Cの一部として登場した。しかし、選択となっているので本格的
に学ぶ機会は少ないであろう。その意味で、本文の(解法1)・(解法2)も現行の高校数学の範囲を超えて
いるかも知れない。しかし、以前の高校数学(『代数・幾何』の単元となっていた「1次変換」)では、(解法
1)・(解法2)も高校数学で扱われていたし、このような問題も試験に出題されていた。