文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
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その狙いは武漢病毒研究所が発生源であるという「黒い噂」を晴らすためのものでした。ですから記者は事実を確かめるよりも、ネット上の噂を消すことを目的にしていたのです。

2020年06月03日 14時32分58秒 | 全般

以下は世界有数の中国通であり、今を生きる梅棹忠雄と言っても過言ではない宮崎正弘氏と石平氏の対談本からである。
石平氏は中国人として生まれ北京大学を卒業後神戸大学で、学んでいた折に友人に誘われて訪れた嵐山で、天啓に打たれ、日本に帰化した。
彼とは数年前に紅葉が最盛期に入った東福寺で遭遇して言葉を交わし名刺を交換した事は既述の通り。
本稿は朝日新聞等やNHKを始めとした日本の放送局がジャーナリストの端くれですらない事を証明している。
彼らは「許されざる者達」である。
前文省略。
生物化学兵器というウワサは真実に近い?
宮崎 
それと話は変わりますが、最近、この「武漢ウイルス」は生物兵器ではないかというウワサがくすぶっていますね。
最初に生物兵器ではないかと言い出したのは、ペンタゴン(アメリカ国防総省)ですが、断定を避けた。 
しかし、エイズウイルスを発見したリュツク・モンタニ氏(ノーべル生理学医学賞受賞者)が「新型コロナウイルスは中国武漢にあるウイルス研究所から事故的に漏洩したもので人工操作されたウイルスだ」と発言。
生物兵器でなくとも中国の人為的ミスの可能性が高くなった。 
病原菌発生と言われている海鮮市場から15kmほど離れているところに中国のラボ(研究所)があります。
これは事実です。
もう一つのラボは3kmしか離れていません。    
しかし、その研究所と海鮮市場との関連については、何も証拠づけるものはないと、アメリカの専門家たちは言っています。
ただ、海鮮市場の近くにラボがあったところから、いろんな推測を呼んでいます。
というのも、「(武漢ウイルスの)繁殖スピードが速い」のが謎だと。
だから、このウイルスは人工的なものではないかと、疑っている関係者が多かった。
石平 
海鮮市場で売られていたコウモリが「武漢ウイルス」の発生源ではないと中国政府は主張しています。
それでは発生源はどこにあるのか。
ひとつは、さきほど宮崎さんが指摘されたラボです。
これは「武漢病毒研究所」と言われており、地元では有名な研究所です。
中国科学院所属で中国人民解放車が関係しています。
中国語の「病毒」というのは「ウイルス」を意味します。 
それで、中国のネット上で、病毒研究所からウイルスが漏れたといううわさが広がったのです。
中国のネット上でよく「人肉捜査」みたいな事をやるでしょう。
そこで、第一号のウイルス感染者は誰なのか。
ネット上で捜査した結果、武漢病毒研究所で働いていた黄燕玲さんという女性研究員が第一号の感染者ではないか、という話が浮かび上がったのです。
「武漢ウイルス」は、この女性の何らかの手違いにより武漢病毒研究所から漏れたという説が出てきたのです。 
北京に本社がある「新京報新聞」がその噂を聞いて、この事実を確かめるため武漢病毒研究所に取材をした。
その狙いは武漢病毒研究所が発生源であるという「黒い噂」を晴らすためのものでした。
ですから記者は事実を確かめるよりも、ネット上の噂を消すことを目的にしていたのです。 
当然、取材で、記者は、黄さんという研究員の話を持ち出しました。そこで、武漢病毒研究所の責任者がどう答えたのか。
「こんな人(黄さん)が武漢病毒研究所にいたかどうかは存じ上げていません」と言ったのです。
しかし、ネット上から、その答えはおかしいという意見が圧倒的に研究所に寄せられたのです。
何千人、何万人も研究貝がいる研究所ではなく、せいぜい、百数十人の研究所で、「そのAがいるかいないか、知らない」というのは、不可解だというのです。
さらに調査していくと実際、この研究所のホームページにこの人の名前がありました。
各研究員を紹介するページに掲載されていたのです。
しかし、奇妙な事に名前があっても、経歴などが消されていました。 
それで、武漢病毒研究所はもう一回、声明を出して「この研究者は確かにいました。しかし、今はもういません。別の地方に配属されました」というのです。
そして、「黄さんは今でも元気です。新型コロナウイルスに罹っていません」と発表してウワサを取り消すのに躍起となったのです。
でも、この研究所の意向に反してウワサはさらに広がっていきました。
ネットユーザーたちがこの声明に突っ込みます。
それでは「この人が健在で、地方に行ったならば、この人自身が取材に応じて、ウワサを打ち消せばすべて、終わりじゃないか」と。
ところが、この人は姿をまったく見せず、談話すら出てきていません。
場合によっては、コロナ感染で亡くなったかもしれない。
宮崎 
それは、消されたかもね。
囗封じも中国共産党の得意芸じゃない。
石平 
しかも、このウワサが広がっている最中に、中国科学院は関係部署に妙な伝達をメディアを通じて出したのです。
その伝達の内容は「全国の病毒関係の研究所、実験室は病毒管理を強化しなければならない」というのです。
強化せよ云々という事は、これまで、何らかの不備がめったから出したのだと解釈できますよね。
つまり管理上、不備があって漏れるような事案があったためにそうしたと判断するのが妥当ではないかと思います。
なんらかの不備があったことを政府は認めたからこそ、この妙な伝達を出したのではないか。 
「武漢ウイルス」が生物兵器かどうか。
私は専門家ではないので分かりませんが、いろいろな状況証拠から判断して、武漢病毒研究所がウイルスを何らかの目的のために取り扱っていたのは事実でしょう。
そして、原因は定かではありませんが、その研究所から漏れたと考えた方が妥当です。
研究所の研究員が「武漢ウイルス」に感染して、濃厚密接によって、その人にも移してしまった。
一番の可能性はこの研究員が病院に行って、ほかの医者に移した可能性が高いと思います。
そして医者からほかの患者に移していく……。
ご存じのようにネット上で、肺炎、が発生していることを発信して、警察に呼ばれた人間は8人いました。
この8人はみんな医者でした。
おそらく最初の感染は「院内感染」だったと思います。
宮崎 
どこの病院ですか。
石平 
武漢市中心医院(中央病院)だと思います。
医者から普通の患者に感染して武漢市内で広がっていったのです。
宮崎 
だから、医者が初期の段階で死んだわけですね。
早期にインターネット上で警鐘を鳴らしていた武漢市の医者、李文亮氏がそうでしたからね。
どうして医者が早い時期に死んだか分からなかったけど、そういう事でしたか。 
ウイルス発生は、海鮮市場で売られていたネズミやコウモリが源だと言われていましたが、これは完全にでっち上げでしょうね。
そして、武漢市当局はわざわざ、この市場を閉めてしまったけど、あれは映像効果を上げるための作戦という事になりますね。
いずれにしても、ネズミやコウモリ説は非常にあやしくなった。
そうすると、2003年に起こったSARS(急性呼吸器症候群)はハクビシンが原因と言われていたけど、それも結構、あやしいね。
石平 
そうですね。
正直に言うと、中国人は、そんなにコウモリを食べない。
宮崎 
一部に食べる人もいるという事ですかね。
石平 
犬とか、蛇は食べるけど、私はいままでコウモリを食べるという話を聞いたことはないです。
宮崎 
たとえば、ベトナムに行ったら必ずネズミを食べるじゃない。
結婚式にネズミが出なかったら、ベトナムではみんな怒ります。
本当です。
民族の習慣ですね。
だからコウモリを食べる少数民族がいるんじゃないかな。
ただ、非常にコウモリ説はあやしくなった。
この稿続く。 

 

 


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