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「悪い円安」が2022年流行語大賞トップテンにも…円安を否定的にとらえる日経は、どういうつもりなのか。

2023年01月23日 16時10分40秒 | 全般

以下は月刊誌WiLL2月号に、増税?防衛国債をなぜ出さない!、と題して掲載されている高橋洋一氏と上念司氏の対談特集からである。

日本の防衛力増強にかかわる国債であれば買いたい人は多いはず
円安のお陰で高度経済成長

上念 
「悪い円安」が2022年流行語大賞トップテンにも選ばれました。 
ところが、上場企業の2022年9月中間決算では、円安の恩恵で過去最高という見通しです。
さらに財務省が9月1日に発表した法人企業統計(4~6月期)をみても、全産業の経常利益は、これもなんと過去最大、企業の内部留保も初の五百兆円超えを記録しています。
円安を否定的にとらえる日経は、どういうつもりなのか。
高橋 
日経は”悪い円安論”が花盛り。
いつもネタを提供してくれるからありかたい(笑)。
“悪い円安”なんてバカげています。
安倍晋三元首相は生前、私の『戦後経済史は嘘ばかり』(PHP新書)を読み、いたく面白がってくれました。
講演会などで、事あるごとに紹介してくれたので、版を重ねることができた。
本の内容は日本の高度経済成長は円安のお陰だというもの。
上念 
ニクソンショック以降、1970年代から80年代半ばにかけて、日本政府は意図的に円安誘導していたんでしょう。
高橋 
もちろんー円安になると法人収益が上昇し、法人税収と所得税収が上がります。
当時、大蔵省内でも自明の理だった。
OECD(経済協力開発機構)の経済モデルでは、10%の円安であれば1~3年以内にGDPは0.4~1.2%増加することもわかっていた。
しかも、これは日本だけの話に限りません。
世界各国共通です。

自国通貨安はプラス要因

上念 
自国通貨安になれば、国内のGDPが伸び、周辺国はマイナスになる。
高橋 
そう、それがいわゆる「近隣窮乏化政策」です。
経済学者はさもわかったふりをして「貿易構造に依存する」と言いますけど、それは違う。
どこの国もみな同じ現象がみられるんです。
通貨安は輸出主導の国内のエクセレントカンパニーに有利で、輸入主導の平均的な企業に不利となります。
ただ、全体としてはプラスになるので、輸出依存度などにかかわらず、どのような国でも自国通貨安はGDPプラス要因になる。
上念 
貿易構造は関係ないのですね。
反対に自国通貨高になれば「自国窮乏化政策」を実行することになる。 
経済学者の浜田宏一氏は、全世界が通貨安競争を始めたらどうなるか、ということをゲーム理論で解説しています。
結論は参加しない国が大損して終わるだけ。
実際に日本がそうだったのです。
リーマン・ショックで国際的な通貨安競争が始まりましたが、日本は当時の日銀総裁、白川方明氏が政府の言うことに耳を傾けず、金融緩和を頑なに拒否した。
そのため、日本は通貨安競争の参加に乗り遅れ、リーマン・ショックの震源地でもないのに、一番ダメージを受け、回復もどこの国よりも遅れた。
アべノミクスによって、ようやく参加する形になりましたけど、白川氏の大罪は許し難い。
この稿続く。

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