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2011/7/3…銀行が買ってくれる国債の内、50兆円で政府系ファンドを立ち上げ、こういう会社の株を買え

2011年07月03日 15時43分13秒 | 日記

国内で生産、被災してもなぜ貫く?
ノウハウの海外流出防ぐ 
…日経新聞7月3日5面より

日本ケミコン社長 内山 郁夫氏      
文中黒字化は私。

東日本大震災を機に、門外不出だった技術や製品を海外拠点に移し、リスク分散に乗り出す企業が増えている。自動車などに欠かせない電子部品「アルミ電解コンデンサー」で世界首位の日本ケミコンは、被災してなお国内生産にこだわる。供給責任は果たせるのか。内山郁夫社長に聞いた。

ー-震災直後、自動車や事務機など幅広い業種の企業が、アルミ電解コンデンサーの調達難に苦しんだ。

「もともと需給が逼迫していたところに震災が起きた。当社は基幹材料のアルミ箔を自社で開発・生産しているのが強み。だが、国内2ヵ所の材料工場のうち茨城県高萩市の拠点が大きな被害を受け、アルミ箔の供給能力が半減した」

--海外でもアルミ箔を生産できるようにすればリスクを減らせるのでは。
海外生産するつもりはまったくない。我々は独自の加工技術を使ってアルミ箔の表面を加工し、より多くの電気をためることができるコンデンサーを開発してきた。ノウハウの詰まった製造装置も自社で手がけている。たとえばアジアで地元のメーカーに製造装置の作製や設置を頼むと、図面などの情報が流出する恐れがある」

--とはいえ、顧客は安定供給を求めている。
「当然だ。私は経営効率のため『在庫は悪』を徹底し、作りだめをさせない主義だったが改めた。特に基幹材料であるアルミ箔の在庫を積み増したい

「国内の2つの材料工場に各1ヵ月分、合計2ヵ月分の『戦略在庫』を持つことを考えている。今回、被災した材料工場の復旧に2ヵ月かかったからだ。海外にある組み立て拠点でも材料の備蓄を増やす」

--工場が被災し、顧客離れは起きなかったか。
「顧客と固い絆で結ばれていると思っていても、復旧が長引けば離れていく。一部でそうした動きもあったが、復旧後には当社の製品の特性を評価して戻ってきてくれたし、。多くの顧客が復旧を待ってくれた

「復旧がもう1ヵ月遅れて、顧客を3ヵ月も待たせることになったら、設計を変更して、競合メーカーのコンデンサーに切り替える動きが広がったのではないか。台湾や韓国、中国のメーカーも力をつけている」 

-ー震災の教訓は。
製造装置の復旧は意外と早かったが、工場の建物を元通りにするのに苦労した。建設当時の担当者が退職していたり、今の基準では不適格だったりするからだ。福島県の工場では駐車場の地盤が崩れ、従業員の車が流されるなどした。こうした点を半年程度かけて点検し対策を講じたい


聞き手から一言
安定供給とのバランス課題

アルミ電解コンデンサーは、ICチップなどの電子部品が必要とする時に、ためておいた電気を即座に供給するのが役目。日本ケミコンの世界シェアは25%で首位。その存在感は売上高(2010年度1277億円)よりはるかに大きい。

電子部品業界では震災後、海外の顧客から日本以外での生産を要請された企業もある。ノウハウを流出させずにどうリスクを分散するか、答えは一つではない。「オンリーワン」の技術に磨きをかけてきた製造業の多くが、この課題と向き合っている。(市嶋洋平)


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