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文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

再発信!地元は原発が沖縄の米軍基地と同じ日蔭者と知る。つまりゴネればカネになる。それで福島県は…

2023年11月10日 16時57分41秒 | 全般

以下は、戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之が2013/12/10に出版した「高山正之が米国・支那・韓国・朝日を斬る」、テーミス、1000円、からである。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読。
真実を明らかにして私たちに伝えている彼の舌鋒の鋭さには誰もが感嘆するはずである。
論旨の鋭さにおいて彼の最高峰であるといっても過言ではない。
見出し以外の文中強調は私。

東電を「悪者」に仕立てた新聞は暴れん坊将軍だ
社会部は勧善懲悪のパターンに固執して阿漕な知事を善人に
「豊田商事事件」の複雑な背景 
社会部の紙面の作り方は一言でいえば、チャンバラ映画と同じ、勧善懲悪だ。 
悪代官が商家の娘に横恋慕して、親に難題を吹っ掛ける。
今風にいえば、パワハラをやる。
泣く子と地頭には勝てない。
哀れ娘は手籠めにというときに、暴れん坊将軍が現れ「余の顔を見忘れたか」と大見得切って、悪代官と後ろ盾の勘定奉行を成敗する。 
社会部記者も、現代の暴れん坊将軍のつもりで記事を書いている。 
ところが、今どきの事件は悪代官と善良な娘といった単純な構成にはなっていない。
下手したら、両方とも悪いケースもある。
2千億円の被害が出た豊田商事事件もそういう一言で片づけられない複雑さをもっていた。 
事件は永野某という詐欺師が小金持ちに金の延べ棒を売った。
それだけなら南アが売るクルーガーランド金貨と変わらないが、水野某の場合、金の延べ棒は永野が預かり、小金持ちには「純金ファミリー証券」という紙切れ1枚を渡す。
ただ預けた金の運用で出た利益は、ちゃんと配当するという触れ込みだった。 
とっても良さそうに聞こえ、それで5万人が引っ掛かって永野は総額2千億円を騙し取った。 
それが詐欺とばれて、永野が今日にも引っ張られるという日、テレビクルーや新聞記者が見ている前で「ワルをしばいたる」と大阪の建築作業員が永野の家に殴りこんで銃剣で刺し殺してしまった。 
日ごろ偉そうに正義を語る新聞記者が、なぜそんな蛮行を止めなかったかと記者が非難を浴びた。
馬鹿をいえ。日本は法治国冢で、そういう手合いは警察に任せるのが筋だ。
暴れるバカを勝手に市民が「しばく」権利はない。
それでは何でもリンチの野蛮な米国と変わるところがなくなってしまうだろう。 

朝日新聞が“キャンペーン゛を 
それはともかく、この事件をどの新聞も「悪い詐欺師が善良な市民から大金を騙し取った」という仕立てにした。
それがおかしい。 
まずヘンなのは、購入者が金を買いながらなぜ手許に置かなかったのか。
盗難の心配なら貸金庫に入れればいい。
そうしなかった理由はただ一つ、購入者がそれを脱税の手段に使っていたからだ。 
金の延べ棒を持っていれば、盗難以上に怖いのがマルサだ。
その点、紙っぺら1枚の証書なら襖の下張にもできる。 
この事件は80年代に起きた。
あのころクロヨンとかトーゴーサンが流行り言葉で、百姓は1銭も税を払わない。
個人事業者は脱税し放題。
サラリーマンと大企業の法人税で日本の歳入は賄われ、そこから脱税する百姓や事業者に好きなだけ補助金が出ていた。 
それは不公平だと、かつて納税者番号制が国会に掛けられた。
これに百姓や事業者に加え、在日など不法入国者も身許がばれると大反対し、その手先の朝日新聞が「国民総背番号」制といい換え、あなたは番号で管理されていいのかと、あざといキャンペーンを張って潰してしまった。

被害者は「100㌫善良」なのか? 
しかし、80年代に入ると脱税者の地下資金が日本経済まで歪めかねなくなり、政府は少額貯蓄利用者カード、いわゆるグリーンカード制を提案した。
せめて脱税の温床の架空口座だけでもやめさせようという趣旨で、法案は通過成立し、84年1月に施行まで決まった。 
これが豊田商事の目の付けどころだった。
このままでは郵貯を使った架空口座による脱税は不可能になる。
そこで「脱税しながら利殖もできる」という永野の甘言が生きる。
狐と狸が化かし合い、欲のかき過ぎた者が損をしただけだ。 
一方、グリーンカードの方は南北朝鮮が社会党をパチンコマネーで買収し、郵便局は自民党の陣笠代議士に賂(まかない)を贈って1年がかりで廃案にしてしまった。
こっちの方が永野よりはるかに薄汚い。 
新聞はそれを書けばよかった。
しかし、社会部は勧善懲悪のパターンに固執した。
両方が小悪党では原稿にならない。 
で、両方を比べ、騙された方が49㌫悪く、騙した永野が51㌫悪いと裁定し、それを四捨五入して永野は100㌫悪く、被害者は100㌫善良ということにした。
新聞は事実より形にこだわったのだ。
この癖が今回の3・11大震災の福島原発報道にもそのまま表れた。 
東電の原発は国の指導で米国GE社製の原子炉を福島県に据えた。
地元は原発が沖縄の米軍基地と同じ日蔭者と知る。
つまりゴネればカネになる。 
それで福島県は計7千億円を東電から強請り、地元市町村も危ない原発を受け入れるのだからと県に倣ってたかった結果、東電は関係市町村の予算の9割を負担してきた。 
それだけカネを引き出して、例えば浪江町は身の丈に余る財政支援で何をしたか。
要らぬハコ物ばかり造った。
そんなに危ないと思っていたなら、県外に万一のことを考えて町民避難用の保養所を造ればよかった。 

2度も面会を断った佐藤知事 
さんざ東電のカネを蕩尽してきたところに大津波だ。
平安朝の貞観の津波よりでかい。
震源幅は400㌔。
日本人の知らなかった大津波だ。
福島原発はそれで壊れ、東電社長は謝罪のために佐藤県知事を訪ねた。
同じ被災仲間だ。
しかし、知事は慰め合ってともに再起を語り合うのかと思いきや、2度も面会を断った。 
非礼の理由は強請り屋の正体を隠したかったことと、「悪いのは東電だ」と県民に印象付け、自分の再選を確保したかったたからだ。
豊田商事の永野より計算高くこすからい。 
浪江町長もそれを真似た。
県外に保養所も造らなかった町政の失敗を被害者ぶることで覆い隠そうとした。
町長は東電社長に土下座も要求した。 
新聞は東電と地元を並べて、地元は49㌫悪とし、だから紙面では善良な被害者にした。
東電はむしろGEの被害者だが、この際、悪者にしてしまった方が記事は書きやすい。
かくてここでも四捨五入が行われ、事実は隠れてしまった。                               
(2011年7月号)

2023/11/5 in Osaka


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