ドイツ旅行 二日目:ホーエンツォレルン城地下室

2020-07-26 12:05:36 | ドイツ旅行

さて、城内のガイドが始まる前に、地下の方も見ておこう。

 

 

いわゆる「白い婦人」の肖像。この女性を見ると死期が近いとして怖がられていたそうだが、元々は、中世で戦時の際に補給物資などを外から届けていた人が、その起源ではないかと言われているそうな。なるほど、普段は城の中にいない人が戦争という死が隣り合わせの緊張状態の時にだけ現れる、という状況が「死を告げる存在」として認識されるようになった、というところだろうか。

 

こういうものの成立背景を考察してみるのは非常におもしろい。たとえばよく言われるのは、ヴァンパイアの吸血行為は性交のメタファーである。つまり、男に噛まれると女も吸血鬼になるというのは処女性を失うことを指し、それへの恐怖・忌避(と同時に甘美さ)がヴァンパイアという存在の魅力とそれに誘惑される女性、という図式に置き換えられたのではないかとされる(まあヴァンパイア自体は主にブラド公をモデルとして作られた存在なのだが)。

 

こういった存在はサイクロプスやウェアウルフ、日本においては猫又やぬっぺふほふなど枚挙に暇がないが、その背景となった世界理解の方に興味が湧くねい。

 

 

 

お、これはハルバートやないですか!ロマサガ2で「ハルベルト」として始めて知り、一体「槍斧」って何なんや!とめっちゃ突っ込んでたが、歴史を勉強するようになったら防御する際のメリット(そもそも槍は、パイクもそうだが防御的側面が強い)や騎兵を馬上から引きずり倒すという用法を知って非常に納得したという記憶があるわ。こうして実見するとなんか不思議な感じがするなあ。

 

考えてみると、子どもの頃にゲームで得た知識がフックになって後々影響を与えるものってあるよなあ(ゲームではないが、「街のサンドイッチマン」なども類例と言える)。例えば、両手剣の「ツヴァイハンター」からランツクネヒト(ドイツの傭兵)を調べてみたり、聖剣伝説3でデュランが「グラディエーター」というクラスになれるのだが、後にそれが古代ローマ帝国の使用していたグラディウスに由来すると知ったりetcetc...

 

まあんなこと言ったら、log(対数)だって何に使うんだこれ?と思ってたら、実は大航海時代の軌道計算とかで大活躍していたことを後に知るとか、色々な形で学んできたものの「意義」を知ってそこからようやく興味が湧く、なんてこともあるわけだが。

 

というわけで地下巡りは終了し、(さっきとは別の)教会へ。

 

 

 

 

たとい濃霧の日であっても、その神々しさが失われることはない、というのは信仰心を高めるための空間としては絶好の機能を果たすことだろう。

 

逆に言えば、そのような空間に身を寄せていたとしても、次々と(黒死病といった)疫病で人が亡くなっていく状況の絶望は筆舌に尽くしがたいものであっただろう(まあそれだからこそ、ペストの流行→カトリック教会へのロイヤリティ低下という流れにもなるわけだが)。

 

む、そろそろ時間が近づいてきたかな。ほいじゃあ中庭見物に戻るとしますか。


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