福井から鳥取に向かう途上、周辺に家屋もないところで突如神社が現れたため、興味が湧いて車を停めた。
どうやら縄文時代の遺跡も発見されたらしいのでかつては集落があったのだろうが、今やこの神社だけが忘れられた聖地のように佇んでいるだけだ。
その名を伊知布西神社というらしいが、この聞きなれない名称の社がなぜこんな所にあるのか?
境内を歩き回っても由来を示すような掲示もない。なるほど草の状況などから荒れ放題という訳ではないが、さりとて清掃の行き届かない雰囲気の建物は、つゆおとなう者なしという現状を伺わせる。
というわけで調べてみると、どうやらこの神社の前に集落が存在してはいたのだが、明治40年の洪水があり、それらが全て高地に避難した結果、このような状況になったらしい(神社そのものは延喜、つまり平安時代まで遡るとかなんとか)。
なるほど、とするなら、この神社そのものの地位に大きな変化が生じた訳ではないが、人が訪れにくい形になってしまった結果、寂れたということなのだろう。
その意味では、福井の大島半島の島山神社とは対照的な運命を辿った場所と言えるかもしれない。
木々に囲まれた社を改めて見やりながら、偶然にもそのような神社に出会ったことを興味深く感じつつ、目的地に向けてまた走り出したのであった。
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