意識高い系による猿真似の末路がこちらです

2023-10-13 11:25:36 | 生活

子どもだけの留守番や通学をネグレクトによる虐待として定めた「虐待禁止条例」の改正案が大きな批判にさらされ、一週間と経たず撤回となった。率直に言ってこの事態を予測できなかった政治家は一体何を見ていたのだろうかと思うが、その構造についての述べたのが「“頭がおかしい現象”が起こる根本原因」という記事である。

 

ここでは、

・欧米の一部で同様な取り決めがあり、それを範にしたこと

・これを提出した議員(の中心)は親の義務などを訴える「保守的」・「右派」ではなく、「左派」であること

・要するにリベラル側の議員が欧米の仕組みを猿真似しようとして失敗したこと

に言及されている。

 

今回の事案で改めて再認識されるのは、構造理解の重要性である。というのも、先のような取り決めは、当該社会の治安・就労状況・家族構成・会社の仕組みなど様々な前提の上に成り立っている。よって、これだけ大きな変化を保護者に要求するのなら、まず会社の育休や有休などの仕組み、あるいは保育所などのシステム的問題を先に大々的に取り上げないわけにはいかない(まあ有り体に言えば「観測気球を上げる」というヤツだ)。

 

例えばKevin's English RoomというYou Tubeチャンネルでも米・英の子どもの放課後ルーティンを日本と比較しながら紹介するという動画があるが、

 

 

 

 

必ずと言っていいほど出てくるのが「親が車で送り迎えする」・「庭など敷地内で遊ぶ・遊ばせる」という話。前者は友達の家に遊びに行く時にも車で送り迎えするという話があるし、後者は日本でそもそも広い庭付きの家に住んでいる家族の割合って何%なのかって話である。このように(繰り返すが)そもそも治安や住環境などが英・米だけと比較しても大きく違うのに、そのレギュレーションだけ移植しても有害無益である。また、先の条例批判にも共働きやシングルマザーの親はどうするのか?という話が出ていたが、そういう環境に応じた社会システム(労働環境や社会福祉)の整備なしにいきなり法の設定という地点からスタートしているので、強い反発が出るのは当たり前である(まあさらに非婚化・少子化は進むって意味でも、全く逆効果の条例やね)。

 

つまり、実情を無視して突如「個人の責任」として違法化されたならば、恐慌状態に陥り激しい批判が出てくるのは火を見るより明らかであったはずで、それが予見できなかった現実理解力の欠如は、カップラーメンの値段を400円と答え失笑されたり、とにかく日本教育の問題は思考力だ分析力だと言って採点システムをよく構築もせずセンター試験→共通テストへと変更した後の右往左往などを思い出させる(民間英語試験を認定試験として組み入れる案も、散々問題になった挙句廃止になりましたなあ)。

 

まあ結論、「頭でっかちなお役人様」が考えそうなことで、実現のためのステップやら仕組み作りやらなんて何も考えてない。そして指摘されてからようやく慌てふためき、説明不足だったなどとのたまうのである。

 

この官僚主義は、すでに権力化した大手マスメディアの思考停止や、旧日本軍の性質にも色濃く見られるものであり、ゆえにジャニーズ問題や大手マスメディアの問題に関し、旧日本軍との類似性を指摘した上で閉鎖空間の病理とその構造解析がなければ改善には向かわないと述べたわけで、そこでは「右」とか「左」とか、「革新」とか「保守」などが問題なのではない(つでに言えば老若男女でもない)。

 

言葉選ばずに書けば、構造を理解しようとしない「無能な働き者」こそが有害なのだと述べつつ、この稿を終えたい。


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