日本は各国にODAを始めとした多額の融資・投資を行っている。例えば、クルグズスタン(キルギスタン)に対しての融資・投資は数十億円に上っていたという(『キルギス大統領顧問日記』)。これはかなり前のデータであり、現在ではより多くの資金がクルグズスタンに流れていると思われる。一方で、日本はそれに対する見返りを要求していない。これを聞いて、日本の外交における寛大さを感じるだろうか?だとしたらそれは大変な間違いだと言わざるをえない。
そのような日本の姿勢に対するクルグズ側の反応は、「戸惑っている」である。これは、資金提供というものが必ずその裏に見返りを求めるという外交上の常識があるからに他ならない(それがない場合もあるだろうが、それは常識を意識した上で乗り越えているという意味で、真に賞賛されるべき行いであると言えよう)。つまり、日本の資金提供のやり方は、タダであげることで感謝されるどころか、何も要求しない不気味な(裏の意図は何なのか疑心暗鬼にさせる)ものとして戸惑いを覚えさせるだけの効果しかあげていないのである。
多額の資金を各地にばらまき、その見返りは求めず、結果として疑心暗鬼の目で見られる…こういった状況は、クルグズだけにとどまらず世界規模に及ぶとされている。これだけでも十分外交的な失敗と言ってよい。しかし日本の置かれた状況を考える場合、問題はそれだけに留まらないのである。
まず、日本は資源的に貧弱であるということだ。であれば、率先して資源保有国との提携を強めることが必要不可欠である。その意味で、中央アジアは垂涎の場と言ってよい。にもかかわらず、中央アジアの国たるクルグズを「戸惑わせる」とは何事だろうか?とても日本の現状を理解した態度とは思えない。なお、外交とは関係ないが、これに関連して優秀なテクノクラートを養成しようとする姿勢が見受けられないことも問題である。資源が貧弱である以上、日本が加工技術に頼るしかないことはこれまでの経済の状況から理解されるところであろう。であるならば、それを見越した技術者たちの養成が何よりもまず重要であることは自明の理である。にもかかわらず、養成機関が設立されないばかりか、教育で理系科目がないがしろにされてすらいるのである。ここに、現状を理解しない、あるいはマスコミに踊らされた先見なき思考がうかがえる。
次に、日本の財政状況がある。多額の赤字があるのも、そういった外交からすればむしろ必然と言えるだろう。国内の緊縮財政も重要だが、海外に対する多額の「ムダ遣い」の方が可及的速やかに改められるべき点であろう。介護保険や国民年金問題と言った明らかに先行きの危険な項目がいくつも積み重なっている現状をどこまで理解しているのやら、その神経を疑いたくなる(なお、日本は有数の債権国であるが、上の例からするとそれをどこまで有効に利用しているかすら疑わしい)。
最後に、国家財政というものが我々の血税から出ているということだ(無論全てではないが)。そうである以上、使われたものが我々の利益として還ってくるように方向付けることは、理想ではなく義務とすら言ってよい。そうした考えを持っていれば、海外に金をばら撒くということがいかに愚かしいか即座に理解されるだろう。
「人が良い」国民性とか言う見解で、下手な外交を苦笑していれば済んだ時代はもう過ぎている。「国益」などと言って大上段に構える必要もないが、我々には自分達の現状をより厳しく自覚する必要性に迫られているのではないだろうか(例えば国債の信用度がチリ並と評価されたことなど)。
(追記)
勝利することが難しいのではない。勝利し続けることが難しいのである。現状が続くと思うなかれ。
そのような日本の姿勢に対するクルグズ側の反応は、「戸惑っている」である。これは、資金提供というものが必ずその裏に見返りを求めるという外交上の常識があるからに他ならない(それがない場合もあるだろうが、それは常識を意識した上で乗り越えているという意味で、真に賞賛されるべき行いであると言えよう)。つまり、日本の資金提供のやり方は、タダであげることで感謝されるどころか、何も要求しない不気味な(裏の意図は何なのか疑心暗鬼にさせる)ものとして戸惑いを覚えさせるだけの効果しかあげていないのである。
多額の資金を各地にばらまき、その見返りは求めず、結果として疑心暗鬼の目で見られる…こういった状況は、クルグズだけにとどまらず世界規模に及ぶとされている。これだけでも十分外交的な失敗と言ってよい。しかし日本の置かれた状況を考える場合、問題はそれだけに留まらないのである。
まず、日本は資源的に貧弱であるということだ。であれば、率先して資源保有国との提携を強めることが必要不可欠である。その意味で、中央アジアは垂涎の場と言ってよい。にもかかわらず、中央アジアの国たるクルグズを「戸惑わせる」とは何事だろうか?とても日本の現状を理解した態度とは思えない。なお、外交とは関係ないが、これに関連して優秀なテクノクラートを養成しようとする姿勢が見受けられないことも問題である。資源が貧弱である以上、日本が加工技術に頼るしかないことはこれまでの経済の状況から理解されるところであろう。であるならば、それを見越した技術者たちの養成が何よりもまず重要であることは自明の理である。にもかかわらず、養成機関が設立されないばかりか、教育で理系科目がないがしろにされてすらいるのである。ここに、現状を理解しない、あるいはマスコミに踊らされた先見なき思考がうかがえる。
次に、日本の財政状況がある。多額の赤字があるのも、そういった外交からすればむしろ必然と言えるだろう。国内の緊縮財政も重要だが、海外に対する多額の「ムダ遣い」の方が可及的速やかに改められるべき点であろう。介護保険や国民年金問題と言った明らかに先行きの危険な項目がいくつも積み重なっている現状をどこまで理解しているのやら、その神経を疑いたくなる(なお、日本は有数の債権国であるが、上の例からするとそれをどこまで有効に利用しているかすら疑わしい)。
最後に、国家財政というものが我々の血税から出ているということだ(無論全てではないが)。そうである以上、使われたものが我々の利益として還ってくるように方向付けることは、理想ではなく義務とすら言ってよい。そうした考えを持っていれば、海外に金をばら撒くということがいかに愚かしいか即座に理解されるだろう。
「人が良い」国民性とか言う見解で、下手な外交を苦笑していれば済んだ時代はもう過ぎている。「国益」などと言って大上段に構える必要もないが、我々には自分達の現状をより厳しく自覚する必要性に迫られているのではないだろうか(例えば国債の信用度がチリ並と評価されたことなど)。
(追記)
勝利することが難しいのではない。勝利し続けることが難しいのである。現状が続くと思うなかれ。
まぁ、一例として引き合いに出しただけだけど。
個人的にはもう諦めました。ので怒りなぞ覚えませんよ。自分に害が無いかぎりは(笑)
悲しいけれど。それが現実。
拉致問題の時も一人一億払えば帰すといわれた時に払っとけば、六ケ国会議でごねられなくてすんだしね。