「頂き女子」への課税で思うこと:訴えの抑圧より訴えの社会化こそが重要

2024-02-10 16:34:25 | 生活

 

 

ワイが女性からの被害告発とか権利要求に対する反発を見ていて疑問に思うものの一つは、「自分たちも我慢しているんだから、お前たちも我慢しろ」的な反応である。というのも、重要なことはそれらの妥当性であって、男性(もしくは他の女性)が我慢しているかどうかは関係ないからだ。

 

まあ日本社会って「自分が損しても他人に得をさせたくない」というスパイト行動が多いともされているから、そこからすればこういう負の斥力は別に女性側からの訴えに限らずそこかしこで観察されるわけだが(「自分は今までその仕組みを我慢して受け入れてきた」なんて理由は、これからもそのシステムを継続すべき根拠にはならんのだが??)、社会的に見れば改善を妨げる有害な行動であり、多少なりとも公共性ということを意識しているなら、取るべき立場とは言えない。

 

とはいえ、内心納得できないとかムカつくという人はそれなりにいるだろう。そもそも、訴える側の人たちが無謬なんてわけでもないから、「この部分ではあんたたちにも問題あるじゃん」とか「この部分はこうすれば解決するんじゃないの(社会的問題じゃなくて自己責任でしょ)」と突っ込みたくなる部分は必ず出てくるだろうしね(まあそもそも人間という存在自体が無謬であって、その意味ではスタートラインから間違っているというか、「納得しないための粗探し」と言えなくもないが)。

 

だったらこうしたらどうだろう?すなわち、女性の側の訴えについては公共性を元にそれを判断しつつ、一方で女性の側の問題点については男性側からもゴリゴリに告発をしていくというスタイルである(もちろんこれはわかりやすく二項図式にしてるだけで、女性→女性や男性→男性も当然ありえる)。

 

例えば冒頭の「頂き女子」はその典型で、要するにパパ活やらギャラ飲みやらにメスを入れ、そこで課税していくように仕組みを変えていくという話だ。おそらくこれからは、非婚化などもあって固定的なパートナーを持たない人間が増え、関係性の契約化がより進んでいくものと想定される(金がない、人間関係のプライオリティーが低い人たちはAIに重心を移していくかもしれないが)。そうした場合に、こういうパパ活市場などは始めから政府の歳入の場として抑え、コントロールしていく仕組みは今のうちから作っておくべきだろう(→「同情するかしないかはいい、構造を分析するんだ」)。

 

ちなみにこうした場合、海外への出稼ぎ売春が増える可能性が高いが、その場合は国によって日本人女性の渡航制限・禁止の措置がより厳しくなると想定されるためそこまで大々的にはならないだろうし、仮に一部でそういう現象がみられても、現地で得た外貨を日本で散財するなら、外貨獲得という意味で日本経済には多少貢献していただける、というわけだ。

 

こういった施策を、扶養控除の要件緩和であったり、女性の給与の向上、あるいは女性議員のクォーター制などと一緒に議論・導入していけばよいのではないか(ちなみにこう書いている理由は、ナイトワーク的なものの方が圧倒的に稼げるとか、あるいはそれがセーフティーネットになる社会だと、いくらそこを取り締まっても、結局そちらに女性が流れるのを止めることはできないからだ)。

 

また併せて、女性ストーカーや女性によるDV、女性によるセクハラなども大々的に訴えていくべきだろう。ただしそれは、「お前たちも似たようなことをやっているじゃないか」という相手の告発を潰すためのものではなく、むしろ「あなたがたの訴えには全くのところ賛成である」「そしてそれゆえに、男性→女性という方向だけでなく、女性→男性というベクトルでの犯罪行為も厳しく取り締まっていきたい」というスタンスを取ることを意味する(→『男性の性暴力被害:なぜそれは不可視化されてきたか』)。

 

つまり、相手の訴えの妥当性を認めるからこそ、相手(のグループ)にも同様の規律を求めていくのである。このスタンスのメリットは、自分たちに規律が求められた瞬間に態度を翻すダブスタ人間を炙り出すことができ、「男性」とか「女性」と大きな主語で雑に括って批判するのではなく、具体的に非難すべき言行をしているグループを浮き上がらせる効果もある点だろう(これはジャニーズ問題や大手マスメディア隠蔽の報道に対抗して、BBCや他国のメディアの不祥事も日本メディアで大々的に報じたらええやん?という話につながる。まあ下手すりゃ外交問題だし、官僚化した日本の大手マスメディアには全く不可能とは思うけどねw)。

 

こうすることで、結果として男女関係なく他者の心身を侵害する行為や、相手の社会的立場を不当に貶め続ける社会構造を減らすような方向にリソースを割くよう誘導していくことが、公共性のあるマインドではないかと思うのである。

 

以上。


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