高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

キジマソトグロナミシャク

2008年07月11日 16時13分19秒 | Weblog
昨夜飛来したキジマソトグロナミシャク

標高1000m以上のブナ帯でまれに出会うオレンジ色の美しいシャクガである。
私は数年に一度という程度でこれでやっと3頭目の出会いになった。

全国的にも珍しいようで、北海道にも分布しているがそちらは別亜種になるようだ。

四国では高山蛾なので蝶ならさしずめ本州にいるクモマツマキチョウといったところだろうか。
なかなか得難い大好きな蛾である。
(撮影:いの町 2008.7.10)

フタスジシロオオメイガ

2008年07月10日 11時03分23秒 | Weblog
久しぶりにフタスジシロオオメイガに出会って嬉しかった。

オオと名前がつくと大きいと思いがちだが、開張16mmほどの小さな蛾である。
同じツトガ科の仲間でも小さい方になる。
これはオオメイガ亜科に属しているからである。

白地に折れ曲がった黒い線が入り特徴的な模様が美しい。
屋久島では多産するというが四国ではかなりまれで、出会ったのはこれが2度目になる。
(撮影:越知町 2008.7.7)

ヒロズイラガ

2008年07月09日 10時32分53秒 | Weblog
何科に属するのかすら見当もつかなかったが、HP「みんなで作る日本産蛾類図鑑」
に問い合わせてAclerisさんに教えていただき、やっとイラガ科のヒロズイラガであることがわかった。
外観を見てこれがイラガの仲間とは全く思えなかった。
ヒロズの名前は広い頭(広頭)という意味なのだろう。

7月1日に開張23mmの♀が見つかったが少しスレていて、これは7日に発見した開張17mmの♂で新鮮な個体である。
♂と♀でかなり大きさが違うようだ。

幼虫はカエデ科、クマシデ、サワシバなどの葉を食べることが知られている。
(撮影:越知町 2008.7.7)


チャドクガ

2008年07月08日 14時09分00秒 | Weblog
今年は6月末より自宅周辺でやけにチャドクガを多く見かける。
あちらこちらの住宅の壁に止まっているのだ。
自宅の物干しの周辺もいて家族に注意するよう呼びかけている。
毒針毛を持っているので衣服につくとかぶれてやっかいだ。
毎日自宅で見つかる成虫を駆除しているがいっこうに減る様子がない。

1化目の♂はこのような黒っぽい色で、♀は黄色地に微細黒点が多数ついた模様になっている。
チャドクガというと幼虫は茶を食べることがわかるが、周辺に茶はないので庭木のツバキやサザンカで大発生したのであろう。
よく見ると結構かわいい顔をしているのだが・・・・・困ったものだ。
(撮影:高知市 2008.6.28)


ヒトツメカギバ

2008年07月07日 12時43分48秒 | Weblog
深山で時折出会う普通種のヒトツメカギバは全国に分布している。

同じ仲間のウスギヌカギバ、モンウスギヌカギバ、スカシカギバと比べると四国では少ない方である。
純白な地色についた模様は清楚で好ましい感じがする。
幼虫はミズキやクマノミズキを食べる。
(撮影:大豊町 2008.7.5)



ジョナスキシタバ

2008年07月06日 11時24分03秒 | Weblog
昨夜飛来したジョナスキシタバ

四国ではおもに1000m以上の中央山地でよく出会う。
やや遅めの時間帯に飛来し、個体数はやや少ないが時には多数飛来することがある。
全国的には普通種のようだ。
7月から11月まで見られるが、秋の個体はスレて痛んだものが多い。
これは羽化したばかりのようで、模様もはっきりして濃くとても美しい。
(撮影:大豊町 2008.7.5)

ツクシアオリンガ

2008年07月05日 12時31分06秒 | Weblog
低山地の温暖帯林で普通に見られるツクシアオリンガ
飛来数はほとんど2~3頭程度以下で多くはない。
関東以西、九州まで分布している西日本の蛾である。

淡い緑色にくっきりと2本のすじが入り落ち着いた美しさがある。
後翅がオレンジ色のこれは♂の特徴で、♀は白色なので後翅を見れば雌雄の区別は簡単にできる。
(撮影:越知町 2008.7.1)


バンタイマイマイ

2008年07月04日 15時38分26秒 | Weblog
バンタイマイマイは図鑑によると「本州特産で中部地方以北に分布する」となっている。
バンタイの由来は磐梯山からきているそうだ。
マイマイというとカタツムリを連想するが、飛び方が下手でクルクル渦を巻くように飛んで見えることからついたのではないかと個人的に思っている。

今回飛来したこの蛾は前翅に黒い短い線が左右2本ずつある。
この特徴はバンタイマイマイを示しているが分布が離れすぎていてこれとは決めつけにくい。
南方の虫が北で見つかることはよくあるのだが、北の虫が飛び離れたこれほど南にいるものだろうか?
昨年から何度もこの地を訪れているが見つかったのは初めてである。

深山の自然林に囲まれ人里離れたこのような場所に植木に卵や幼虫がついて運ばれてくるとも考えられない。
不思議な気持ちでとても気になっている。

HP「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に投稿してみたが現在何のコメントもない。
やはりバンタイマイマイの♀なのだろうか。
(撮影:越知町 2008.7.1)

サラサリンガ

2008年07月03日 11時33分29秒 | Weblog
今年もサラサリンガに出会えた。

以前はヒトリガ科に属していてサラサヒトリという名前だったが、近年コブガ科リンガ亜科に移行するとともに種名も変わってしまった。

初夏の6~7月に発生するがかなり少ない。
色鮮やかな真っ赤な模様があり、派手で毒々しい感じがするが毒はない。
幼虫はクヌギ、ナラ、カシを食べる。
(撮影:越知町 2008.7.1)


ビロードハマキ

2008年07月02日 14時10分04秒 | Weblog
昨夜灯火に飛来したビロードハマキ

昼間、樹木の多い低山地を歩いているとヒラヒラ飛んで葉に止まるビロードハマキに時々出会う。
こういうときは周辺をよく探すと複数見つかることが多い。
たまに今回のように灯火に飛来することもある。

とても美しい派手な模様をしているが、はねをたたんで葉上に止まると意外に目立ちにくくなるし、例え見つけてもこれについて知識のない人には蛾であるとは理解できないであろう。
頭がどちら側かもよく見ないと識別できない見事な形態である。

後翅はこの画像では隠れて見えないが、黄色地に黒紋がちらばる。
黄色と黒は動物界では危険信号である。
敵に見つかり襲われそうになると、飛び立ちこの後翅を見せて驚かせるしくみになっているらしい。
(撮影:越知町 2008.7.1)