高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

ナシイラガ

2008年07月21日 11時18分09秒 | Weblog
低山地で6月頃より夏の間ごく普通に見られるナシイラガ

幼虫はナシ、クヌギ、カキなどを食べる。
イラガ科の幼虫は一般にイラ(イラムシ)と呼ばれ、毒棘をもっているため触れると感電したような激しい痛みを感じる。
この痛みは数時間続き赤い発疹ができる。
この発疹は数日続き、触れる度に強い痛みが続くやっかいものである。
毒成分はヒスタミンと2種類のタンパク性発痛物質である。

一方、成虫には毒棘がなく触れても大丈夫である。
この画像のはねの銀色の部分は地は茶色だが光線によりこのような光沢が出て、毒虫とはいえ結構美しい。
(撮影:越知町 2008.7.7)


カラフトウスアオシャク

2008年07月20日 10時22分07秒 | Weblog
カラフトと名のついた蛾は9種ほどあるが、この中で四国で見られるカラフトと名の付くもう一つの種、カラフトウスアオシャクを紹介する。

この蛾も四国の1000m以上の中央山地に分布しているがまれである。
他のアオシャク類と比べるとこれは小型の淡い緑色で目立たず、目の前にいても見逃しているのかもしれない。
(撮影:いの町 2008.7.10)

カラフトゴマケンモン

2008年07月19日 11時41分03秒 | Weblog
白黒まだら模様がよく目立つカラフトゴマケンモン

カラフト(樺太)というとずっと北方の蛾に思ってしまうが、国内では北海道から九州まで広く分布している。
幼虫がモミなどを食べるため西日本では高地に分布していて、四国では1000m以上の中央山地でよく出会う。

四国の個体は本州や北海道の個体と比べるとやや黒化する傾向があるようだ。
(撮影:いの町 2008.7.10)

ナカジロハマキ

2008年07月17日 09時54分17秒 | Weblog
微小蛾は採集しても展翅が難しい上、同定も困難なことがあって最近までほとんど無視していた。
今年からはできる限り小さな個体も見逃さないように気をつけているが、灯火に多数の虫が集まるとどうしても大きい個体にのみ目を奪われてしまう。

小型種に絞って丁寧に1つ1つ見ていくと白と茶色の2色にはっきり分かれた特徴のある小さなハマキガが止まっているのに気がついた。
後日図鑑で調べるとこれはナカジロハマキであることがわかった。

見つけたとき珍しいと思って喜んだが、全国に分布している普通種で色彩の個体変異もあるらしい。 
幼虫はケヤキを食べる。
(撮影:越知町 2008.7.13)

キマダラツバメエダシャク

2008年07月16日 12時45分49秒 | Weblog
灯火にオレンジ色の美しい大型シャクガが飛来した。
キマダラツバメエダシャクである。

全国に分布している普通種だが多くはない。
昼間山道を歩いていると突然ヒラヒラ飛び出すこともある
見つけてもそのほとんどは、はねのどこかが痛んでいることが多く、このように完全な個体に出会う機会は少ない。
幼虫はブドウやノブドウを食べることが知られている。
(撮影:越知町 2008.7.13)

マエグロマイマイ

2008年07月15日 09時31分33秒 | Weblog
茶色がかった灰色に一本の濃い茶色のすじがよく目立つマエグロマイマイ♂が来た。
自分の見た範囲では斑紋の大きな変異はない。
地味な色だが茶色のすじの入ったデザインが何だかおしゃれな感じがする。

西日本に分布していて県下の低山地では普通に見られる。
ドクガ科に含まれるが成虫には毒がないので手に触れても心配はない。
幼虫はアカメガシワを食べる。
(撮影:越知町 2008.7.13)

ハイイロオオエグリバ

2008年07月14日 16時49分52秒 | Weblog
昨夜飛来したハイイロオオエグリバ

エグリバの仲間で大型といえばオオエグリバが代表的で一番頭に浮かぶ。
また、これによく似たハイイロオオエグリバがあったが蛾類大図鑑の最後に追加されていることもあって最近までろくに気にとめてなく、見るものすべてオオエグリバとしていた。
今年になって手元の標本を改めて見直したとき、オオエグリバで整理していた標本の大部分はハイイロオオエグリバであったことがわかった。

違いはオオエグリバはやや赤みがあるがより紫灰色がかっていること、前翅側縁付近のぼんやりした白斑がない、より大きいこと他で判別できる。

四国南部ではごく普通種でオオエグリバと混在するが、ハイイロオオエグリバの方が個体数が多いようだ。
(撮影:越知町 2008.7.13)

オオアオバヤガ

2008年07月13日 11時24分12秒 | Weblog
久しぶりにオオアオバヤガに出会った。

四国では深山で見られ、昔はごく普通種で一夜に二桁飛来することが度々あったが次第に数が減り、この数年は何故か全く姿を見なくなっていた。

この夜は1頭だけだがまだ生息していることがわかり安心した。
食草は何なんだろう?

大型の緑色が美しいヤガで全国に分布していて、確か以前北海道に行ったときに見かけた覚えがある。
(撮影:いの町 2008.7.10)

マルモンシロガ

2008年07月12日 09時42分34秒 | Weblog
白地に赤い大きく丸いこの見事なデザインはどうしても「日の丸」をつい連想してしまう。
日の丸のデザインは昔からいるこの蛾の模様がヒントになったのではないかと疑いたくなるほどよく似ているのだ。

四国では標高の高い深山で見られる普通種である。
(撮影:いの町 2008.7.10)