雲に乗って、鳥になろう

 自分の頭で考えて手を動かし、悩んで作って飛ばす模型飛行機愛好家のページ。半世紀ほど生きてきた髭親父の日々の出来事です。

IKMT-2

2012-08-16 | 航海
 さて、このIKMTネット、挙動不審なんです。投入後、どれだけ深く沈んでくれるか、全く読めません。そこで活躍するのが、この装置。


 深度と温度を記録していく装置です。上の写真は、PCで設定しているところ。1秒ごとに深度と水温を記録するように設定しています。
で、こんな感じでIKMTのディプレッサー(枠)に取り付けます。

 ロープワークに少しは自信がありますが、ビニールテープはありがたい保険です。

 今回の航海では、3回IKMTの採集を行えました。ワイヤーを4,000 m繰り出したのが一回、水深の関係で3,000 mに留めたのが二回。三回とも、到達深度は1,000 m前後でした。

 網を曳いている間、ごっそりと海洋生物が入り、抵抗が増すとワイヤーが切れる可能性があります。ワイヤーの破断強度は6t。その前に網が破けますが、念のため、ワイヤーにかかっている張力を船上でモニタリングします。そのとき役に立つのが張力計。こいつです。


 一度ワイヤーが切れた事があり・・・研究室にいたらブチッとものすごい音がして、数秒後ウィンチマンがひきつった声で’ワイヤーが切れた。’と船内放送で発表。甲板へ出たら、切れたワイヤーが甲板のマホガニー板をえぐった跡が数か所・・・・・!!!もし不用意に甲板に出ていたらと思うと、ゾッとしました。


 研究室内で張力計を見ながら、必要なら甲板へ出て行って、ウィンチマンに巻き上げ速度の変更、またはブリッジに曳網速度の変更を指示します。ちなみに、ワイヤーを4,000 m出すとなると、投入は1 m/秒、4,000 mだして30分水平曳き。そして0.5 m/秒で巻き上げるので、(4,000 x 3 + 30 x 60)/60 =230分。つまり、網を入れてから上がってくるまで4時間近くかかります。結構調査時間を食うので、豪華と言えば豪華な調査です。


 今まで自分が写っている画像は殆どアップしていないのですが、この前のカキコには、私が写ってる。そうか、学生にデジカメを渡していたんだ。さて、私はどれでしょう。

つづく