前回大台が変わった時に、妻がくれた小遣いで買ったのが、安原一式という銀塩カメラとLeica Summarit 50 mm f1.5なるレンズ。まだフィルムで写真を撮っていた頃で、結構気に入っていました。いずれも中古で購入したものです。
さて、ある日このレンズを専門家に見せたところ、「カビてます。コーティングが剥げてます。」 なる散々な悪口を言われてしまった。チョッとばかり気分を害し、さらにめげました。しばらくお蔵入りになったレンズです。しかし、デジカメへ移行して、しばらく使っていなかったのが、FujifilmのX-E2を購入して、マウントアダプターを介して過去のレンズが皆使えるようになってから、またまた虫が騒ぎだしました。
ネットで情報収集をしたところ、 山崎光学写真レンズ研究所 におねがいすればレンズの再研磨と再コーティングをしてくれるとのこと。早速電話をして、色々とお話を伺った。相手は多分山崎さんご本人でしょう。温厚な、いかにも技術畑の職人さんという声の持ち主と話をすることしばし。昔のレンズは今のものと違い写りが柔らかくていいとか、他に何をお持ちですとか聞かれたり。レンズをこよなく愛されていることが伝わってくる会話でした。Summaritは結構仕事の依頼が来るレンズらしく、問題なく修理できるとのこと。すぐにレンズを梱包して発送しました。待つこと一月余り。戻ってきたレンズを見てビックリしました。

別物です。きれいなんてもんじゃない。修理に出す前の写真も撮っておけばよかった。歴然、雲泥の差なんてものじゃありません。出費は痛かったけど、その価値は十分にありました。
昨日、家族で散歩に出かけた時の写真です。
チョッとアンダーですが、
このレンズ。シリアルナンバーから推察すると、1956年製造。私より歳が行っています。いいですね、こういうの。マニュアルフォーカスのレンズは、メンテというか、写真を撮るという本来の使い方をし続ければ、いつまでも使える品です。父が新婚旅行用に買ったCanonのレンズも今使っていますが、そいつ同様、このレンズも私から子へ、子から孫へと受け継がれ、家族の記録を残してくれればと願っています。