スピーカー・ケーブル導入顛末 Part2

現在我が家のスピーカー・ケーブルのリファレンスは、オヤイデのアクロス2000。このケーブルが発売されてすぐに導入いたしました。以降は紆余曲折を経て不動の位置を保っているケーブルです。
音の鮮度、立ち上がり立ち下がりの速さ、そしてなによりもボーカルやピアノの音自体の艶など、ハイスピードな反応という美点を思う存分に発揮してくれています。特にYラグを付けて圧縮チューブでシュリンクしてからの音の安定度は尋常ではなく、現在自宅にある多くのSPケーブル類を押しのけて常にリファレンスの座をしっかりキープして来ています。
ところがオーディオ好きの性なのか「もっと違う音が聴きたい」と思い始めたのが1ヶ月前。以前から欲しかったケーブルがネット上とお店で中古で売られておりました。それが前述のZu CableとNORDOSTでありました。で、NORDOSTのフラット・ラインについては昨日書いたとおりで、アッという間にお蔵入りが決定。まさに「安物買いの銭失い」を地で行く行為でありました。大いに反省しています。
一方のZu CableのSaint Julian。同社のJulianとは内部の線材は共通なのですが、その意匠はまるで違っています。見た目はどう見ても蛇なのですね。それも色遣いから言っても蛇みたいな意匠(衣装）です。目敏い奥方からは「何？　これ買ったの？　蛇みたいでイヤだわ」とのご託宣。当方も一番最初にWebで見た（写真）時もそう思ったし、現物をお店で見たときもそう思ったので「あまり気色よくないねぇ」と答えて値段についてはお茶を濁しました。まぁ、とても安かったのですけれども。

さて、Zu Cableについては、実はうちにあるKEFもOpusもジャンパー線としてすでに使ってきています。これを利用する効用は明らかにあって音の鮮度の向上には、多大な貢献をしてくれています。ゆえにZu Cableを使うことへの違和感はまるでなかったわけです。しかしこのケーブルの最大のネックは、初期特性がまるで駄目だということに尽きますね。ケーブルを付けてすぐにはまるで鳴らないケーブルなのです。この会社のジャンパー線でさえ、まともな音が鳴るまでに約1ヶ月もかかったのですから。総試聴時間にして100時間程度が過ぎたころに、いきなり視界が開けるような音になったわけです。先日のオフ会で「ボーカルがいいですね」と言っていただいた最大の功労者は、このジャンパー線とアクロス2000の総合技だと思っています（スピーカーセッティングを追い込んでいなくても、超高級電源ケーブルや超高級ラインケーブルが導入されて、ちゃんと反応してくれたのは、ここの部分があったからかと思います）。
というわけで、このSaint Julianは、思った通り、付けてすぐは「まるで鳴らないケーブル」でありました。ですので、過酷なまでのランニング・テスト状態に突入したわけです。この1週間は、ジャンパーと同じく1日12時間ぐらい鳴らしてエージングに相勤めました。今回はなかなか頑固で4日目ぐらいである程度「ムフフ、良い感じ」となる予定でいたわけですが、これが「うん？何？どうして？」という感じで、音がヌケないわけです。まぁ、普通のケーブルですと、ここで駄目を出してしまうのですが、たまたまこの会社のケーブルの挙動を知っていましたので、一心不乱にエージングを続行いたしました。Web上ではエージングに200時間が必要なんて書いてあるケーブルですからねぇ。最初Webを見たときは、アホちゃうか！と思いました。これもジャンパーで慣れていましたからじっくり待ちの体制に入ることが出来ましたが、再度書きますが、普通の人は、ここで止めているはずです。
で、「お、お、うん？」という感じが見えたのが6日目、時間にして70時間超えしたぐらいからでした。（続く）