鍼は世界を救う か

体調が悪いと、周囲の人との関係にも影響が出る。
自分にできるはずのことが、できない。

例えば、お母さんが頭痛持ちで、年中眉間に皺を寄せていたら。
子どもは自由に大きな声を出せず、始終ひとの顔色を伺う癖が付く。

ＰＭＳ（月経前症候群）がひどくて、なぜかイライラして、
家族と喧嘩になる。

ついに花粉症になって、毎日くしゃみ鼻水が鬱陶しく、
いつものように営業に出るのも億劫だ。

身体のどこかが痛いと、気分も良くない。
良くない気分は、周囲の人に伝わりやすい。
人間はよほど同情するようにできているらしく、
元気の無い人がいると、影響を受けるようになっている。

一人の人が痛みを抱えていると、その周りの小さな社会が痛みを負う。
ではその一人の人の痛みが無くなれば、周囲の人たちも楽になるだろう。
そういう影響の輪の広がりが、社会を作り、ひいては世界に広がる。

だから私は、一人の人の治療に当たることは、世界平和に繋がる
と思っている。
中でも特に、子どもと過ごす時間の多い、お母さんの体調を整えることは、
小さな点から大きな波紋に広がるように思う。

大風呂敷だと思っていたが、
ある鍼の勉強会に参加して、飲み会に行ったら、
ひとりの先生が同じことを言っていた。

鍼で世界平和を実現する。と。

誇大なアホがところどころの鍼灸院にいて、今日も世界を救っている。