犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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都市湧水

2023年05月25日 | 日々
都市湧水
なんてタイトルにすると、
街歩きの好きな散歩の達人が喜んで読みそうだ。

私は散歩が好きだ。
目的地を定めずに歩くのは気分がいい。
気になる道が有ったらすぐに曲がってみる。

そういう点では、登山よりすがすがしいかもしれない。
山の場合、コースを外れることは危険を伴う。
あっ、こっちにステキな道が有るから行ってみよう!というのを
山でやると、じきに自分の居場所を見失う。

歩きながら、おもしろげなものが目に入る。
目的地を持って歩いている時は、どの交差点をどっちに曲がるとか、
今どっちに向かっているとか、たしか角に消化器が有る所を曲がるんだったとか、
そんなことばかりを考えているから、おもしろげなものなど目に入る暇が無いのだ。

おもしろげなものというのは、
たいしておもしろくない。
積極的に何かをこちらに伝えようとしているようなものではなく、
こちらが勝手にそこにおもしろみを感じるような気がする
といった程度のものだ。



十年くらい前に亡くなった赤瀬川原平という芸術家は、
路上観察学会として「トマソン」なるものを探求していた。
命名の由来であるトマソンとは、成績の悪かった助っ人外人プロ野球選手の名前である。
なんのためにそこに在るのか分からないものだ。



都市湧水というものを提唱しよう。

えー、等々力渓谷とか目黒不動とか清正の井とか
そういうんじゃない。

私が観た良い都市湧水は、
学習院下、面影橋の辺りでのものだ。

なんだやっぱり湧水じゃないか、と思えるような場所だ。
学習院のキャンパスには、血洗いの池という禍々しい名前の静かな池が在る。
神田川沿いには甘泉園や細川家などの日本庭園が在る。
都会の真ん中とは言え、水の豊かな場所だ。

だから、路面を流れる水を見た時は、
豊かな湧水だと思った。

都電の走る新目白通りは交通量が多い。
その歩道を歩いていたら、角のビルの前に水が流れていたのだ。
なにごと?
流れを遡るように目で辿ると、
その水はホースの先だとか蛇口だとか散水栓だとか
そういった所から出ているのではない。

地面から湧いているのだ。
え?じゃあ湧き水?

舗装と塀の継ぎ目から、水が流れ出ている。
よく見ると、滾々と湧き出ている点が特定できた。

すぐ横の敷地内には散水栓が有る。

こりゃあ、湧き水ではない。
舗装の下で、水道管がどうかなって、漏水しているのだ。
あらたいへん。

都会では、地面が舗装で覆われていたり、大きなマンションが建っていたり、
地下鉄や地下街などを作るために地下水を蓄えている地盤が損なわれたりして、
湧き水はかなり失われている。

あーらそんな東京に湧き水が。あ滾々と。



おらほ調布でも、湧き水は減った。
40年くらい前は、近くのハケにはあちこちに湧き水が有り、
蛇がいたり沢蟹がいたりした。
そういう生き物たちはすっかり見なくなってしまった。

そんな都市化する調布でも、都市湧水が見られる。

ご近所のアパートの前の道路に、
もう何年も前に湧き出た都市湧水が有る。
以来、ずーっと湧いている。
尽きせぬ泉である。

・・・

早く修繕しなさい。

水道水はタダで出てくるもんじゃないんだから。
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