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犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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性別は2色じゃなくてグラデーション

2015年09月23日 | LGB&T
[あらすじ] 私は、身体的には女性だが、性自認は女ではなく、かと言って男になりたくもない。
でも女に見られるのはイヤなんだ。 女に見える/男に見える要素って、なんだろう?


性同一性障害という名称は、かなり知られるようになってきていると思う。
生まれながらの性別に違和感を持ち、もう一方の性別として生きたいと思うことだ。
生きる、というのは、ジェンダー(役割)的にも、周囲からの扱いも、
身体的にも、だ。

Femaile(女性) to male(男性)を略してFTM、Male to femaleを略してMTF
などと呼んだりもする。
女性から男性に性転換して、戸籍も男性に変えて、以前から付き合っていた女性と結婚。
というのはわかりやすい例か。

何がわかりやすいって、性別というのは男女であって、恋愛関係は男女であって、
結婚関係も男女であるところだ。
既存の価値観となんら食い違うところは無い。

男性ホルモン投与によって、身体的な外見が変化すれば、見た目にはまったく男になるので、
そのへんで生活していても、「おや?」と思われることは無い。
昨日書いたように、「パス」するわけだ。

生まれながらの性別で扱われることに違和感はあるけれど、もう一方の性別になりたいわけではない。
男としてでもなく、女としてでもなく、自分は自分として生きていく。
そういう人をFTX/MTXなんて呼ぶ。

私はそこに入りそうだが、そうでもない。
私は、今の自分への違和感が強い。身体的な違和感がある。
つまりは、おっぱいがイヤ。自分のモチモノじゃない感がある。
でも男になりたいかというと、やっぱりそうでもない。
(ここはまたあらためて書く機会があるかも)

どこへ行きゃいいのかよくわかんないでいまだに迷っている感じがある。
FTWとでも言うか。



「世の中には男か女しかいないんだからさ」
なんて、よく言う。
さももっともらしいが、そうでもない。

「身体は男だけど心は女」
なんて言い方もよくある。
けれど、心だけが女なら、身体は関係無いはずだ。
だが、こういうふうに言う場合、セックスの対象は男つまり同性だったりする。
だったらやっぱり身体もすっきり男じゃないじゃん。

私を理解している人が、「須山ちゃんは身体は女で心は男なんだよねー」
と言ったりするが、そこはすかさず訂正を入れる。
せっかくだけど、ちょっと違う。
「心は」なんて言うととってもキレイなんだけど。
女性との恋愛、心だけじゃなくて身体の関係も必要ですから。

でも身体は実際女じゃん!
と言ったら、話は堂々巡りになる。



生まれつきの性別から他方の性別に性転換して、以前の同性つまり新たな異性と結婚・・・
・・・ああややこしい、FTMの場合で話をしよう。

女性として生まれ育って、けれど自分の身体に違和感があって、
女性と恋愛して、でも自分は女性という感覚ではないからレズビアンという感覚ではなくて、
ホルモン投与をしたり、縮胸手術や内性器を取ったり陰茎を形成したりといった性別適合手術を受けて、
身体を男性にし、名前も裁判を経て変え、戸籍も変えて、彼女と結婚。

というのがFTMすべての望みと思ったらこれも間違いで、
女性から男性に性転換して、男性と恋愛する人もいる。
逆に、男性から女性に性転換してレズビアンになる人もいる。

また、ホルモン投与はするが手術はしない人、
胸は手術したが股間はしていない人というのもいる。

さらに、性染色体の先天的な異常で、両性の性器を持っていたり、
両性の未発達な性器を持っていたり、ある年齢で今までと違う性別の性徴が起きてきたりといった、
インターセックスとか半陰陽とか呼ばれる人たちもいる。

「世の中、男か女しかいない」わけではないのだ。

男と女の間に、いろんなのがいる。
男勝りの女とか、ちょっとなよなよした男とか、そういうことを言っているのじゃない。
それは「男か女」の価値観の中のものだ。

そうじゃなくて、ほんとうに、男か女にすっきり片付けられない性別というのが、
この世にはうようよいるのだ。
「中性」と呼んでもいいが、この中性の範囲がまたえらく広い。

まことに、性はグラデーションなのだろう。

性同一性障害と言っているのも、実はもとに「世の中は男か女」という価値観があるから
障害を起こしているだけではないだろうか、とも思う。
「世の中の性別は様々。一人ひとり違うもの。」というのが基本だったら、
「性転換したい」という感覚も、ひょっとすると一部の「違和感」も、
持たなくていい思いなのかもしれない。



社会の中で生きていく以上、まったく社会通念と無縁ではいられない。

私は自分のおっぱいに強い違和感があるのだが、
これが、社会的に周囲に対して女性の印だからイヤなのか、
身体感覚的にただぽやんぽやんしているからイヤなのか、
なんだかわからなくなりそうだ。

FTXのXという範疇がある。さきほど書いた、グラデーションの部分だ。
ここに落ち着けば良さそうだが。
しかし、グラデーション部分には、モデルがいない。いても、少ない。


つづけよう


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