犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

毎月馬鹿なあたしね

2017年03月02日 | はじめにお読みください
昨日のは法螺話です。

毎月一日に、法螺話を書いています。
年に一度、四月一日だけでは足りない、もっと法螺が吹きたいからです。
いえ、月に一度騙されるのが快感というへんたもといあくしゅもとい
高雅なインテリジェンスをお楽しみになる読者がいてくれるので続けられています。

見るからに法螺という回もあれば、
どこが法螺なのかという回もあれば、
読者にご心配をかけてしまう回もあります。
だから、毎月二日はおのずから、説明や懺悔を書くことになります。

今日は二日です。
反省会の日です。
後日談を書いて、説明と反省と懺悔にかえさせていただきます。



目が覚めたらすっかり日が高くなっていた。
体の重さは残っている気がするが、ちゃんと動く。
肌の色ももとに戻っている。

家に帰って数時間後、電話が鳴った。
出ると、Gちゃんの声がした。
「ああ、良かった、出た。」
何度もかけてくれていたそうだ。
あの家に電話があることの方が私には驚きだ。
Gちゃんの説明はしかし、それよりも驚きだった。

Gちゃんは地学趣味が嵩じて、二十代の終わりに三浦半島に引っ越した。
職も得て、休日にはあちこちの磯を巡って、地質を観察していた。

ある日、何度も足を運んでいた磯の、さらに突先を回ったところに、
洞穴を見つけたのだそうだ。
Gちゃんは、こういうのが好きだ。
後日、引き潮を見計らって早朝に再訪し、内部へと進んだ。

期待どおりに、おもしろいもの(何か専門用語を並べていた)が
見られたので、どんどん中へ行くと、小さな祠が据えてあった。
両側の壁面に金具が埋め込んであるので、
以前は注連縄でも張っていたのだろう、とGちゃんは言う。

そこをGちゃんは構わずに進んで行ったのだそうだ。
あんた、無茶するね。
「うーん、もっと奥まで見たかったからー。」
Gちゃんの声は相変わらずふわふわとしていて、昨日見た様子とのギャップが
不思議でならない。

その奥に、蛇が一匹、とぐろを巻いていたのだそうだ。
「白い蛇でさー。」
あんたそれ、主じゃないの?
「そうだったみたーい。怒らせちゃったよねー。」

怒った白蛇が鎌首をもたげると、今までは気付かなかったが、
壁となく天井となく、あらゆる方向から子分らしき小蛇が
わらわらと出てきて、Gちゃんのほうへ集まってきた。

人間、窮地に陥ると力を発揮する。
足場が悪くて苦心して入ってきた穴を、走り抜け出た。
途中で、天井から降ってきたものだろうか、
一匹が頭の上にボトッと乗ってきて、痛みが走った。

咬まれたの!?
「そうー。痛かったー。」
痛み感じるとか、余裕じゃない?
「えー、必死だったよー。」

必死で家まで戻り、それからカーッとのぼせてきて、
数日寝込んだそうだ。
毒じゃないの?熱出てるし。
「で、二日経って目が覚めたら、頭に蛇が生えちゃってたのー。」
あー、やっぱり、揺れて見えたのは、そうだったのか。
ちょっと髪型にしてはスゴいなーと思ったよ。

Gちゃんののほほんとした話し方に、昨日見たものや今聞いている話が
信じられず、なんだか日常的なことのように受け答えしてしまったが、
なんという内容なのだ。
買い物などは、大きな帽子をかぶってサングラスをかけて出かけているらしい。
医者もそれで行けるが、唯一困っているのが、
「最近老眼始まってさー。」と言う。
メドゥーサも老眼になるのか。
眼科の診察だけは受けられない。
医師が石になっちゃうもんね。
「はっはっは、相変わらず、うまいね!」
まあね。

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