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犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

寄り坐し

2017年11月23日 | なりもの
白い風船で、高木を作ろうと思い付いた。
絶対似る。そっくりになる。と、確信が有った。

バッドガンの出番が来て、風船を手に楽屋から出ると、
ゼンラアーケストラのメンバーがいて、
「似てる!」と声が挙がった。だろ?
ゼンラのメンバーが言ってくれるなら、ほんものだ。



高木には、独特の「無表情」がある。
私などは、無表情にしていると「こわい」と言われたりする。
無表情のつもりでも、ムスッとする筋肉が強くて、表情に出てしまうのだろう。
高木の無表情もムスッと系ではある。
目なんかほんとに何を考えているか分からない。

ゼンラアーケストラの演奏中も、
時々合図を出しながら、ずっとその表情で座っていることもある。

あの「無表情」を描きたかった。



高木は背が高いし、ノッてくると軽く飛び跳ねるかっこわるい動きをするから、
風船は断然、浮いているのがいい。

ゴム風船を膨らますには、圧縮ガスを勢い良く注入する必要がある。
しかし、ボンベを買ったら高い。
スプレー缶入りだったら手軽だが、「ゴム風船を膨らますことには適していません。」
と注意書きがある。

そこで、自分でゴム風船を膨らましてしぼまして、というのを2,3回繰り返して、
まずゴムを伸ばしておいた。
そして、ある程度息で膨らましたところへ、スプレー缶の管を差し込んで
ヘリウムを注入する。

うまく膨らんだ。
手を放したら天井に上がって行く。



思い出したことがある。
高木がゼンラを始める前に、2、3回セッションをしたことがある。
「ハウスっぽいリズムでやりたいんだ。
す~さん、チューバ吹いて。」
えー?ハウス?興味無えー。

でも生楽器で、しかもベースはチューバでハウス?ヘンにゃにょ
やってみよう!
というわけでチューバを買った。おお、太っ腹ーー

一度はドラムがバッドガンの井戸さんだった。
もう一回は誰かすごくいい感じの女性だった。
ギターの気のいい青年がいたな。
トロンボーンも女性がいた気がする。

あれはいつ頃だったのだろう。



高木風船はたちまち愛されて、ゼンラのステージの間も、センターのマイクスタンドから
浮いていた。

客席側へ正面を向けても、くるーーとメンバーのほうを向く。
ゼンラのメンバーも「ソロを取る度に高木さんがこっちを向くんだよ!」
と言っていたそうだ。



「よりまし」と読む。
魂を呼び出すときに、宿らせるための人形などのことだ。

そんなつもりも無かったのだが、それを作った結果になった。



帰り際、高木の婚約者に風船を渡した。
二人の部屋に風船は帰った。
送ってくれた写真を見ると、どこか和やかな表情に見えた。
やっぱり家が一番、か。

「カメラを向けたらこっちを向きました。」
ははは。

「エアコンもつけていないのに、動いています。」
風も無いのに、天井を移動している。
我が家の中をうろついているらしい。
この2ヶ月の間も、いつもそうしていたのだろう。
風船のおかげでそれを私たちが見えるようになっただけのことだ。

「googleフォトが風船の写真を高木だと認識しました。」
似顔絵描き冥利に尽きるのである。

高木よ、久々のボディはどうだい?
みんなに見えるようになると、いろいろ伝えやすいね。

あ、バッドガンのステージでは、さんざんひっぱたいてごめん!!!
ちゃんと小節頭にこっちに戻ってくるから面白くてさ。


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