[あらすじ] 頭剃ったよ
寒い。
外出時に風が寒いのはもとより、
家の中にいても頭から冷える。
私は子どもの頃からノボセがちだった。
そのくせ手足は冷えていた。
運動不足だろう。
ほてった顔を壁に付けると気持ち良かったのを憶えている。
暑い。
モヒカンの頭を写真におさめよう、
半分白髪でグレイのモヒカンを目立たせるためには、
しっかりと逆光を当てる。
そうすると、後頭部に陽が射す。
暑い。
今まで、毛髪のおかげで直射日光を浴びることの無かった頭皮が
初めての明るさに面食らう。
面じゃないか。
痛い。
ちょっとどこかに軽くぶつけただけで痛い。
※
いづれにしろ、帽子が手放せない。
家の中でも、首に手拭いを巻いて、
夜は頭にも手拭いを巻く。
※
坊主頭は寒いし暑い、特に暑いのはたいへんだ、
というのは聞き知っていた。
二十歳の頃に参加したバンドに、「和尚さん」というあだ名の
お寺の息子がいたのだ。
いつもツヤツヤに剃髪していらっしゃった。
ああ自然と敬語が出る。
こんな厳しいヘアスタイルをキープするのは、たいていのこっちゃない、
と思う。
※
冬は寒さと乾燥がたいへん、と言っていた。
私は帽子をかぶることが好きだ。
けれど、頭が暑いのは不快だ。
夏の日除けには、手拭いで頭を覆うのが好きだ。
風が通って、汗で蒸れなくて心地良い。
いつも帽子をかぶりたいけれど暑くてかぶれない。
だから、冬が好きだ。
帽子をかぶっても暑くないから、
坊主頭にするなら冬だと考えて、実行した。
※
剃ってみて分かったことがいくつか有る。
・頭を蚊に刺される。
ちょっと庭に出る。
寒くなったので長袖だし、蚊も多くないからと
虫よけを怠ってちょっと庭に出る。
ほんのちょっとの間なのに、
あっという間に頭を蚊に刺されるのだ。
・頭に吹き出物が有った。
毛の生えているうちはちっとも気付かなかった。
剃ってみると、ポツッと腫れているところが剃刀負けする。
点々と血がにじむ。
この時点ではあまり目立たないが、
血が固まった頃になると色が濃くなるので、見えてくる。
生え際に多いと思ったが、案外、全頭にわたって点々と有る。
バンドの相棒やまちゃんがシャンプーを変えて頭ニキビが治った、
なんて話を「へー」と他人事の調子で聞いていたが、わがことであったとは。
頭皮を晒したこれをきっかけに治ったら良いと期待している。
・後頭部に傷が有る。
中学一年の時に、同じ合宿所で先に合宿した部活の子が、
風呂場で滑って転んで頭から血ぃ出して救急車で運ばれた、と聞いた。
その後もこの話は懐かしい笑いの種として語り草になったのだが、
わがことであったとは。
背後から写真を撮ってもらってそれを見て、分かった。

しかし、私は傷になるようなことの記憶が無い。
なんだろう。
こっから脳みその記憶が漏れてんじゃなかろか。
※
襟足の辺りが、かぶれたみたいに発赤している。
ツルツルに剃った翌日の夕方くらいには、
その横も発疹してきて痒くなった。
自分のジョリジョリに過敏に反応しているのだろうか。
※
あと、常に頭が湿っているような感覚が有る。
それが常に蒸散している感じも有る。
頭の汗をこんなふうに意識するのも初めての感覚だ。
※
やってみるもんだとは思うけれど、
きれいに剃るのはたいへん難しいし、時間もかかるので
続けたいとかまたやりたいとかは、今はまったく思えない。
寒い。
外出時に風が寒いのはもとより、
家の中にいても頭から冷える。
私は子どもの頃からノボセがちだった。
そのくせ手足は冷えていた。
運動不足だろう。
ほてった顔を壁に付けると気持ち良かったのを憶えている。
暑い。
モヒカンの頭を写真におさめよう、
半分白髪でグレイのモヒカンを目立たせるためには、
しっかりと逆光を当てる。
そうすると、後頭部に陽が射す。
暑い。
今まで、毛髪のおかげで直射日光を浴びることの無かった頭皮が
初めての明るさに面食らう。
面じゃないか。
痛い。
ちょっとどこかに軽くぶつけただけで痛い。
※
いづれにしろ、帽子が手放せない。
家の中でも、首に手拭いを巻いて、
夜は頭にも手拭いを巻く。
※
坊主頭は寒いし暑い、特に暑いのはたいへんだ、
というのは聞き知っていた。
二十歳の頃に参加したバンドに、「和尚さん」というあだ名の
お寺の息子がいたのだ。
いつもツヤツヤに剃髪していらっしゃった。
ああ自然と敬語が出る。
こんな厳しいヘアスタイルをキープするのは、たいていのこっちゃない、
と思う。
※
冬は寒さと乾燥がたいへん、と言っていた。
私は帽子をかぶることが好きだ。
けれど、頭が暑いのは不快だ。
夏の日除けには、手拭いで頭を覆うのが好きだ。
風が通って、汗で蒸れなくて心地良い。
いつも帽子をかぶりたいけれど暑くてかぶれない。
だから、冬が好きだ。
帽子をかぶっても暑くないから、
坊主頭にするなら冬だと考えて、実行した。
※
剃ってみて分かったことがいくつか有る。
・頭を蚊に刺される。
ちょっと庭に出る。
寒くなったので長袖だし、蚊も多くないからと
虫よけを怠ってちょっと庭に出る。
ほんのちょっとの間なのに、
あっという間に頭を蚊に刺されるのだ。
・頭に吹き出物が有った。
毛の生えているうちはちっとも気付かなかった。
剃ってみると、ポツッと腫れているところが剃刀負けする。
点々と血がにじむ。
この時点ではあまり目立たないが、
血が固まった頃になると色が濃くなるので、見えてくる。
生え際に多いと思ったが、案外、全頭にわたって点々と有る。
バンドの相棒やまちゃんがシャンプーを変えて頭ニキビが治った、
なんて話を「へー」と他人事の調子で聞いていたが、わがことであったとは。
頭皮を晒したこれをきっかけに治ったら良いと期待している。
・後頭部に傷が有る。
中学一年の時に、同じ合宿所で先に合宿した部活の子が、
風呂場で滑って転んで頭から血ぃ出して救急車で運ばれた、と聞いた。
その後もこの話は懐かしい笑いの種として語り草になったのだが、
わがことであったとは。
背後から写真を撮ってもらってそれを見て、分かった。

しかし、私は傷になるようなことの記憶が無い。
なんだろう。
こっから脳みその記憶が漏れてんじゃなかろか。
※
襟足の辺りが、かぶれたみたいに発赤している。
ツルツルに剃った翌日の夕方くらいには、
その横も発疹してきて痒くなった。
自分のジョリジョリに過敏に反応しているのだろうか。
※
あと、常に頭が湿っているような感覚が有る。
それが常に蒸散している感じも有る。
頭の汗をこんなふうに意識するのも初めての感覚だ。
※
やってみるもんだとは思うけれど、
きれいに剃るのはたいへん難しいし、時間もかかるので
続けたいとかまたやりたいとかは、今はまったく思えない。
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