犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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ザ・禁句ス 「気にし過ぎだよ」

2019年09月17日 | the 禁句s
あるSNSで見た投稿とそのコメントの概略。

投稿者は女性。
電車の中でハングルで書かれた本を広げて読めない。
どうやら以前、暴言や暴行に遭った経験が有るらしく、
怖いのだ。
何語の本でも堂々と読めるのが、本当に治安の良い社会ではないか、
と投稿者は問いかける。



この投稿に対してのコメントに、唖然とするものが多かった。
まあ、日本のインターネットで匿名や仮名のコメントなんて、
それこそ気にしていたらやりきれないのだが。

「気にし過ぎじゃないですか?」
「そんなこと無いと思いますよ。」
悪気は無い。
応援するつもりで書いている。
それだけに、穴だらけの言葉に過ぎないことを書いた当人が気付きにくい。

「電車の中で韓国語のテキストを開いて勉強してたこともありますけど、
イヤな思いしたことないですよ。大丈夫ですよ。」
そりゃ、韓国語の勉強をしていたら、韓国人ではないことが分かるから、
いやがらせもされないだろう。

本人が自分の経験をもとに発言しているのだから、
まずそれをよく受け止めることが、応援の第一歩ではないか。
どういう問題を抱えているのか聞こうとせずに
「問題ないですよ」と言うのは、ことなかれ主義にもほどが有る。



「そんなこと言うやつジジイでしょ。」と言う人もいる。
古い価値観はその持ち主の古い人間とともに
そのうち死に絶えるから大丈夫、というのだ。

たしかに人間は死ぬが、価値観は残る。
くだらん価値観でも、次の代に伝わってしまう。

悪い喩えだけどねー、
一匹見たら陰に何千匹は同じ類のがいる。

仲間がいるから、おかしな言動もする。
自分だけの感覚ではなくて、同じように考える人たちがいる
と思えているから、暴言も暴力も公然と現れる。



外国人差別と女性蔑視の二つの問題が、
この投稿には含まれている。
現在の日本の都市部に、明らかに有る。
今有るものは、今つぶさねばならない。



まず、問題が有るということに向き合う必要が有る。

「こういうことで困っています。」
「そんなこと無いですよ。」
これでは相談にも応援にもならない。

聞いてもらえない、分かってもらえない、助けてもらえない
と思ってしまったら、
問題を抱える人は、それを言い出しにくくなる。
これが、孤立するということだ。

だから、
「気にし過ぎだよ」
などという、励ましのつもりの言葉は、
誰にも相談できない所へ人を追い詰めることになる。
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