犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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言葉の違い

2018年02月23日 | 椰子の実の中
我が家に出入りする人は多い。
鍼灸師、看護師、ケアマネージャー、福祉用具さん、歯科医師、歯科衛生士、
デイサービスのヘルパーさん、定期巡回のヘルパーさんは一日2回。

母の言うのには、その中の一人が言っていたそうだ。
ジーロは何も言わないのね、と。

犬よ、お前はなぜしゃべらないのか、と言うのだ。
仮にTさんとしよう。
これでTさんは犬好きだと言うのだから驚いてしまう。
犬を飼ったことも無ければ犬好きでもない人が言うなら、まだ分かる。
犬を知らない人は、犬もかなりしゃべっていることを知らない。

それは、外国語とよく似ていると思う。
知らない外国語はわからない。
身振りや表情の使い方も、文化によって異なる。

犬は、犬の言葉で多くを伝えてくる。
それは態度や身振りであったり、目や耳や顔全体の表情であったり、
また、よく言われるように尻尾の振り方であったり、
そして吠え声や鳴き声であったり。

こんなに多くの言語を持っているのに、それをTさんは聞いていないのだろうか。
だとすると、Tさんの飼い犬たちは、どうにも話の通じない飼い主に飼われていることになる。

人間にも、言葉以外の言語は多い。
Tさんは、人間の言語外言語はどう受け止めているのだろう。
興味深い。

好意的に解釈すれば、
「ジーロくんも人間の言葉で一緒におしゃべりできたらいいのにね。」
という意味に取れなくもないとも言えなくもない。
と言う歯切れが悪いのは、Tさんがそんなメルヘンなキャラではないからだ。
それに、そういう意味だったとしても、「日本に来たら日本語で話せよ。わかんねえよ。」
という傲慢さに通じるものを感じてしまう。

思い起こせば、亡父はこんなふうに言っていた。
犬を撫でてやりながら、
「何も言えないねー、馬鹿だねー。」と。
犬には犬の言語が有ってそれを見て取ることもできるのが大脳が発達した人間の特質なんではないか
などと思っていたものだ。

猫は犬ほど表情を表さない、と思っていた頃があった。
しかしそれは、私が猫を飼ったことが無く、
犬ほどには猫の表情を観察したことが無いからというだけのことだ。
兎はあまり顔には表情を出さないだろう、と思っていた頃があった。
四六時中見てみれば、これも間違いだとわかる。
自分が相手の表情を読み取れないから、相手に表情が無いと捉えるのは、
自分の観察や接し方を棚上げしていて、愚かしい。

相手が自分と同じ言語を話さないから、相手が言語を持たぬ者だと思ったら、
間違いだ。

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