犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

無意識の運動

2013年10月21日 | からだ
図書館のカウンターで、自分の利用カードを投げ出すようにする人を見かけた。

いや何も投げ出しているわけではない。
しかし、腕をだらっと差し出して、ほいっとカードを手放すので、
カードは投げ出されてしまうのだ。

カウンターの上にカードを置く、とか
職員の手に渡す、とかそういったことをしようとしていない。

置いたり渡したりという動きには、無意識のコントロールが必要だ。
だが、たぶんこの人はそういう無意識のコントロールをあまりしない癖が付いているようだ。
歩き方も、べたんべたんと足を前に投げ出すような感じだ。

体をコントロールして動かさないせいか、筋肉が痩せている。
筋肉が付いていなければ、体をきちんと動かすのはたいへんだろう。
悪循環が見える。

腕を上げるとか止めるとか足を前に出すとか膝を曲げるとか、
意識的な動きがある。
その意識的な動きを微妙に調節する働きは、それとまた別の神経系統が司っている。
腕を上げる時に胴体を傾けてバランスを取るとか
足を前に出す時にもう一方の足を蹴り出して重心を前に移動させるとか。
そういったことを私たちはいちいち考えてはいない。
無意識のうちにうまく調節してくれる、錐体外路(すいたいがいろ)系という
運動神経が働いてくれているのだ。

健康に生きていく上で、大事なのは意識的な運動よりも、こちらの
無意識的な運動でバランスを取ることだったりする。

赤ちゃんが初めて立つ。
つかまり立ちしながら、お尻がぐらぐら揺れる。
初めての立つという意識的な運動に伴う無意識のバランス運動を、
立つことを繰り返しながら身に付けていく。

子どもはよく転ぶ。
走る時には歩く時よりもしっかり足を上げる。
足を上げる時に爪先も上げる。
そういった連動を無意識におぼえていく。

踊る、なんてことになると意識的な運動も大きいが、
無意識にバランスを取ることもそれ以上にやっていると思える。

年寄りが転ばないで歩く。
電車の中でどこにもつかまらずに立つ。
自転車をこぐ。
片足で立つ。
こいういう場面でも、無意識の運動神経が大活躍している。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 須山ムラ | トップ | 錐体外路系とマナー »

コメントを投稿

からだ」カテゴリの最新記事