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犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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不世出の宣教者

2011年05月21日 | 椰子の実の中
昨日は図書館で映画『マルコムX』を観た。

3時間22分て。
長くて疲れるかと思ったが、そんなことまったく無く、
最後まで集中して観られた。

その大きな理由は、マルコム自身が、真理に向かって行くから
なのではないか、と思った。


私は、お恥ずかしいことに
マルコムXって排他的で暴力もいとわないイスラム教の
黒人の人権運動の指導者でしょー、
という程度の認識だった。

映画は、マルコムXはそういう人ではない、という説明をしてくれた。


若いマルコムは、薬物に窃盗など、悪事に手を染めるが、
獄中で黒人の歴史やイスラム教を説いてくれる人と出会い、
神秘体験を経て信徒となる。

刑を終えて、イスラムの指導者:イライジャ・ムハマドに会い、
彼の言葉を述べ伝えるという形で説教するようになる。
黒人は白人と完全に分離し、黒人自身の国を作るのだ、
そのためには、自分たちを守るために武器を持つことも必要だ、
といったような教え。(私のまとめなので、間違ってるかも)
しかし、マスコミに多く露出するマルコムを、次第に教団は煙たがるようになる。

師ムハマドの女性スキャンダルを知ったマルコムは、
自身のイスラム組織を発足させる。
そして、イスラム教徒の一生の義務である、メッカ巡礼に出かける。

この旅で、マルコムは肌の色の異なる、同じイスラム教徒と
共に祈り、食べ、過ごす。
初めて外からアメリカを見る。

今までの排他的な方針を捨て、
他の宗教の指導者や、白人とも助け合って、
様々な人種が共に生きていける国を作る、という考えに転ずる。

その宣言をすべく準備している最中、
演壇に登ったところを狙撃され、死亡。
犯人は以前いた教団の者。


宗教的により深く美しい境地に辿り着いた矢先の死。
惜しんでも惜しんでも惜しみ足りない。

マルコムがもっと長く生きて、そしてもっと広く世界を見て、
もっと様々な宗教者と交流したら、
いったいどんな宣教者になっただろう。


マルコムの活動の時間は多くが教団にいた頃のものだから、
過激で扇動的な発言が知られているのだろうか。
私もご多分に漏れず。

自分の組織を作ってからほんの一年ほどで殺されてしまったから。
マルコム自身が感じ、考えた、自身の言葉で語った期間はずっと短いのだ。
繰り返し、ああ惜しい惜しい。


9.11、ビンラディン殺害を経て、アメリカは今、
マルコムから学べることがあるんじゃないかー、と思う。


しかし、マルコムがもう少し生きていて、もし
キング牧師のスキャンダルを知ったら…
それはそれでまたややこしい事態になっただろうなー
なんて愚にもつかない想像でシメるなって?

そうそう、一昨日5月19日は、マルコムXの誕生日なのだそうな!!!


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